名機VG30DETを現代スペックでリフレッシュ

新鋭チューナー“スタッズM”が仕上げるF31レパード極上再生

石川県小松市に拠点を構える“スタッズM”は、パワーチューンにも対応する新進気鋭のチューニングショップだ。代表の鶴原氏は、前職時代から1000psオーバーのR35GT-Rやフルチューンのスープラを手掛けてきた実力派メカニック。複雑なメカニズムへの対応力に加え、丁寧なエンジンオーバーホールにも定評がある。

そんなスタッズMに持ち込まれたのが、このF31レパード。オーナーは複数台のレパードを所有する筋金入りのマニアで、もともとコンディションの良かった個体を“さらに完璧な状態へ引き上げる”べく、作業を依頼したという。

当初のオーダーは「エンジンルームを塗装するためにエンジンを降ろしてほしい」という比較的シンプルなものだった。しかし作業前の点検で、搭載されるVG30DETの1気筒に圧縮低下が発覚。これをきっかけにエンジンオーバーホールが決定し、最終的にはボディワークを除くほぼすべてのメカニカルパートを見直す大規模なリフレッシュ計画へと発展した。

ハイパワーエンジンの製作を日常的に行う鶴原氏にとって、VG30のオーバーホールはお手のもの。ハーネスやカプラー、各種ゴムパーツはすべて新品に交換しつつ、基本構成はオーナーの意向を尊重して純正部品を中心に組み上げている。

数少ない変更点として挙げられるのがヘッドガスケットだ。純正のアスベストタイプではなく、トラブル対策としてトラスト製のメタルガスケットを採用。長期的な信頼性を見据えたアップデートが施されている。

補機類も抜かりはない。ラジエターはアルミ製へと変更され、電動ファンを追加。ブレーキマスターにはチェイスベイス製を導入し、見た目の雰囲気を崩さずに信頼性を底上げしている。

また、エンジンルームの美観を高めるため、バッテリーはトランクへ移設されている。

「レパードやVG30は、まだ新品やリビルトで入手できる部品も多いですが、すでに廃盤になっているものも少なくありません」と鶴原氏。

その代表例がパワーステアリングの高圧ホースだ。純正はすでに生産終了のため、本車両ではワンオフ製作で対応。こうした細部への対処が、完成度を大きく左右するポイントとなる。

エンジンルームの仕上げにも抜かりはない。インマニはブラックの結晶塗装にゴールドレタリングを組み合わせ、VGエンジンの存在感を際立たせる。タービンはリビルト品へ交換し、機関系は万全のコンディションへと引き戻された。

エキゾーストマフラーはあえて純正を継続使用。ベース車両のコンディションの良さを物語るポイントでもある。

足回りは、オーナーが装着していた車高調をそのまま流用。R31系と同様のスピンドル構造を採用するため選択肢が限られる中で、現実的かつバランスの取れた仕様としている。

ホイールは15インチのBBS RSをセット。純正採用のBBSとは異なり、深リムを選択することでクラシカルかつ力強い足元を演出している。

ボディのリフレッシュも完了し、下回りにはトリコロール風の塗り分けを施すなど、オーナーの遊び心も随所に反映。なお、塗装されたアーム類はすべて純正品という点も興味深い。

インテリアはフルノーマルを維持。ダッシュボードはダッシュマットで保護され、割れや歪みは皆無。モケットシートもダメージは見られず、極上コンディションを保っている。

旧車ブームが加速する中で、“ただ維持する”から“より良い状態へ仕上げる”という価値観へと変化しつつある。スタッズMが手掛けたこのF31レパードは、その理想を高いレベルで体現した一台と言えるだろう。

●取材協力:スタッズM 石川県小松市打越町甲97 TEL:0761-33-9097

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