エンジンは最新スペックのGReddyコンプリートを搭載!

今後はアメリカの地でデモカーとして活躍予定
2021年から5年連続、アメリカのSEMAショーにフルドライカーボンボディのR32スカイラインGT-Rを出展してきたガレージアクティブ。代表の坂本和繁さんは、もはやアメリカでも“ミスター・カーボンファイバー”として広く認知され、ワールドワイドな名声を獲得している。

今回紹介するのは、そんなガレージアクティブが、GReddyブランドを北米で展開する現地法人「GReddy Performance Products(GPP)」とのコラボレーションによって製作した『DRY CARBON-R』の第3弾モデルだ。

1号機はカーボン素地の黒だったが、2号機にはカーボン地を活かしたミッドナイトパープルIIIのオールペイントを実施。そして3号機はGReddyのブランドカラーでもあるブルー(ACTIVE BLUE 5)のペイントが採用された。

光の当たり方によって、深みのあるブルーとハイライトに浮かぶカーボン地が美しいコントラストを見せるフルドライカーボンのワイドボディ。ドライカーボンで製作したパネルに塗料を乗せる技術にも、アクティブ独自のノウハウが秘められている。

アクティブのドライカーボンボディと言えば、バンパーやボンネット、トランク、ドアといった取り外しができるパネル類はもちろん、モノコックと一体になっているフェンダーやルーフ、さらにドアヒンジやクォータードアキャッチなどの目立たない部品も、全てドライカーボンで製作されているのが特徴だ。

素材には、三菱ケミカルおよびENEOSテクノマテリアル製の高品質なプリプレグが使われており、一例としてボンネットの素材を挙げると、表側は3K(1本の糸に3000本の炭素繊維を使用)の綾織、12K(同じく1万2000本の炭素繊維を使用)の平織、5mm厚のハニカムを積層して成形。裏側にも3K綾織と12K平織のプリプレグを豪華に採用しているほどだ。

また、直に目に見える面は綾織となっており、光が当たると斜めに大きな線が入っているように見えるため、いかにもカーボンらしい「映え」を表現。強度に関しては平織の方が高いため、両者を重ね合わせる(平織が綾織を下支えする)ことで、美観と耐久性を両立させている。

ドライカーボン製のワイドフェンダーに収まるホイールは、アクティブオリジナルの鍛造削り出しアルミホイールの「RC-VI」。センターロック式を採用し、サイズは12.0Jと超ワイド。SEMAに合わせて新色のアルマイトも採用された。タイヤはトーヨーのプロクセスR888Rで、サイズは295/30R18だ。




DRY CARBON-R 3号機の見せ場は内装にも隠されていた。インパネやセンターコンソール、ドアパネルなどは、全て上質なブラウンレザーで張り替え。シフトブーツ、ハンドブレーキブーツ、アームレストに至るまで、フルレストアと言える美しいインテリアを実現している。


シートもまたドライカーボンのシェルを使用しているレカロのRMSを装着。ロールケージやリヤシートのデリートキットはアクティブのオリジナルである。また、アクティブの134aエアコンディショナーキットも備わるため、しっかりエアコンが効くのも大きな特徴だ。

そして、エンジンはGPPがプロデュースするフルコンプリートエンジン。アメリカでは補修用の交換エンジンを「クレートモーター」と表現するが、GPPが第二世代GT-Rオーナーに向けて独自に展開するRB26のクレートモーターという位置付けにあるパワーユニットだ。
ボア86.12φ、ストローク79.0mmの2.8L仕様で、ビレット削り出しフルカウンターウェイトのクランクシャフト、ビレット削り出しXビームコンロッド、鍛造ピストンなどは、全てGPPがアメリカ国内のメーカーネットワークを駆使して製造した一級品だ。


GReddyの代表的な商品でもあるシングルスロットルサージタンクには、ボッシュの82mm電子制御スロットルボディを装着。

ビレット削り出しのタイミングベルトカバーには「RB28」の刻印が削られ、PRP(プラチナム・レーシング・プロダクツ)のトリガーキット(カム角センサー)も取り付けられている。

タービンはGPPが開発したGP78R。最高で1450psもターゲットに入る風量を誇り、アクティブが製作したステンレス製のエキゾーストマニホールドにマウントされる。また、フロントパイプとフルチタンマフラーもアクティブのオリジナルが使用されている。

純正の燃料タンクにはRadium EngineeringのインタンクコレクターとAEMのフューエルポンプを備え、燃料はアメリカでは一般的なE85(エタノール含有ガソリン)を使用。GReddyのフューエルデリバリーにはボッシュの2600ccインジェクターが備わり、それらの制御はモーテックのプラグインECUが司る。

最先端のチューニングパーツを惜しみなく注ぎ込んだ、ガレージアクティブのDRY CARBON-R 3号機。だが、このスーパーチューンドは決して見せかけのドレスアップマシンではない。戦うために生まれ、走るために仕上げられた1台だ。実際にテキサス州で開催されるドラッグレースの一大イベント「TX2K」に乗り込み、トラブルに苦しみながらも、なお圧倒的な存在感とパフォーマンスを叩きつけてみせたのだ。

「もっと先へ行きたい。第二世代GT-Rのレストモッドを、まだ誰も見たことがない領域まで引き上げたいんです。ニスモのZチューンや400Rをも超える、世界中のGT-Rファンが憧れる1台を作りたい」。
九州から世界へ。“ミスター・カーボンファイバー”の挑戦は、まだ序章に過ぎない。
Photo:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI
●取材協力:ガレージアクティブ 福岡県行橋市大字今井1407-1 TEL:0930-25-4488
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