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今日は何の日?

■3代目インスパイアに高性能スポーツモデルを追加

ホンダ「インスパイア・タイプS」

2001(平成13)年4月4日、ホンダは「インスパイア」をマイナーチェンジし、高性能スポーツグレード「タイプS」を発表(発売は、4月20日)した。タイプSは、VTECエンジンと可変吸気システムを組み合わせた3.2L V6エンジンを搭載し、最高出力260psのハイパワーで力強い走りを実現した。

ハイソカーブームの中で誕生した初代インスパイア

1989年10月にデビューしたホンダ初代インスパイア「アコード・インスパイア」

トヨタ「マークII」や日産「シーマ」などハイソカーブームで活性化した1980年代後半、ホンダは1989年10月にその流れに乗るため4ドアハードトップFF高級セダンの初代インスパイア「アコード・インスパイア」を投入した。

ホンダ初代「アコード・インスパイア」に搭載されたG20A型エンジン

注目は、アウディなど一部の車種でしか採用されていない世界的にも希少な直列5気筒エンジンを縦置きにして、世界初のFFフロントミッドシップレイアウトを採用したこと。さらに、国産車初のエアバッグを搭載(オプション設定)したことだった。

ホンダ初代「アコード・インスパイア」に搭載されたG20A型エンジン

直列6気筒だと縦置きが難しいので5気筒とし、4気筒と6気筒の良いとこ取りができるエンジン性能を狙ったのだ。マークIIのような爆発的なヒットにはならなかったが、ホンダらしい先進性が評価されて人気を獲得した。

1995年2月にデビューしたホンダ2代目「インスパイア」

1995年2月には、インスパイアは初めてのモデルチェンジで2代目に移行。最大の特徴は、3ナンバーサイズでロングノーズのハードトップ、そして伸びやかなスタイリングで、米国市場を意識して「マークII」や「ウィンダム」より若干大きなサイズとなった。

1995年2月にデビューしたホンダ2代目「インスパイア」に搭載されたエンジン

直5エンジンをフロントミッドシップするメカニズムは踏襲したが、エンジンは先代の2.0Lに加えて最高出力180ps/最大トルク23.0kgmを誇る2.5L 直5 SOHCエンジンが加えられた。

輸入車となってV6エンジンを搭載した3代目

1998年3月にデビューしたホンダ3代目「インスパイア」

1998年10月に、3代目にモデルチェンジした。3代目は、米国で開発(ホンダR&D)・生産(ホンダ・マニュファクチャリング)された世界戦略車となり、米国では「アキュラTL」を名乗り日本へは輸入車として上陸した。

ホンダ3代目インスパイアのアメリカ版、「アキュラTL」
3代目インスパイアを生産するオハイオ工場
3代目インスパイアを生産するオハイオ工場

スタイリングは「アコード」を上級化し、米国生まれらしい伸びやかなフォルムを採用。インテリアについては、ドライバーが見やすいように傾けたセンターコンソールとラウンジシェイプを持つスポーティなインパネ、さらに大人4人がリラックスできるパーソナル空間が特徴だった。

1998年3月にデビューしたホンダ3代目「インスパイア」に搭載されたエンジン
ホンダ3代目「インスパイア」(ビガー)に搭載されたエンジン

パワートレインは、最高出力200ps/最大トルク24.5kgmの2.5L V6 SOHC VTECエンジンに加えて、ハイグレードには225ps/30.0kgmを発揮する3.2L V6 SOHC VTECエンジンが加えられ、トランスミッションは4速ATが踏襲された。

1998年3月にデビューしたホンダ3代目「インスパイア」の運転席用&助手席用SRSエアバッグシステム

また、安全面では夜間の視認性を向上させるディスチャージライトをはじめ、前席両側SRSエアバッグ、ABSが全車に装備された。車両価格は、263.5万円(2.5L車)/323.5万円(3.2L車)に設定。パフォーマンスや装備、そして輸入車であることを考えると比較的リーズナブルな価格だった。

高性能スポーツグレードのタイプSが追加

2001年4月にマイナーチェンジでデビューしたホンダ「インスパイア・タイプS」

2001年4月のこの日、3代目インスパイアのマイナーチェンジで高性能スポーツグレード「インスパイア・タイプS」が設定された。同時に、トランスミッションの4速ATから5速AT化、内外装の刷新などが実施された。

ホンダ3代目MC後「インスパイア・タイプS」のリアビュー

3.2L V6 VTECエンジンの高性能化については、2段切替えの可変吸気システムを組み合わせることで吸気効率を向上させ、最高出力は260ps(←225ps)/最大トルク32.0kgm(←30.0kgm)に向上。トランスミッションは、4速ATから5速ATに進化させることで、スムーズな加速と燃費の向上が実現された。

ホンダ3代目MC後「インスパイア・タイプS」のコクピット

足回りついては、4輪ダブルウィッシュボーンを専用チューニングし、さらにロール剛性を高めるためにダンパー、バネレート、スタビライザーバーを強化し走りとハンドリング性能に磨きをかけた。また安全性能については、ABSとTCS(トラクションコントロール)、横滑り抑制の3つの機能を総合制御するVSA(ビークル・スタビリティ・アシスト)が標準装備された。

ホンダ3代目MC後「インスパイア・タイプS」のシートアレンジ

また内外装については、高性能をアピールするような力強いデザインとし、インテリアについても本革にパンチング加工を施したホールド感のあるバケットタイプのシートを採用し、ホワイトゴールドメーターパネルによってスポーティな印象を演出。また、タイヤのインチアップと新デザインのアルミホイールも採用された。

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ハイソカーブームのなか、5気筒エンジン(初代&2代目)の縦置きフロントミッドシップ搭載で市場に衝撃を与えたインスパイア。大ヒットにはならなかったが、先進的な大人の高級セダンとして高い評価は受けた。“評価は高いが、販売は伸びない”という業界ではアルアルの事例であり、残念ながら2012年9月に日本での販売を終えた。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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