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今日は何の日?■米国生まれのFF大型高級セダン「プロナード」

2000(平成12)年4月7日、トヨタは北米トヨタブランドの最上級モデル「アバロン」2代目を、日本で「プロナード」として輸入発売した。トヨタの北米工場で生産する「アバロン」は、「クラウン」や「セルシオ」に匹敵する大型ボディと豪華さを持つラージサイズの高級FFセダンである。
米国生まれのフラッグシップセダン・アバロン

「アバロン」は、北米トヨタブランドの最上級モデルとして、北米ケンタッキー工場で生産されたラージサイズのFF高級セダン。開発は、米国TTC(トヨタ・テクニカル・センターUSA)で行ない、フラッグシップセダンとして1995年に北米でデビューし、日本では1995年5月に輸入販売された。
プラットフォームは「カムリ」用を拡大して流用し、全長4845mm×全幅1785mm×全高1435mm、ホイールベース2720mmのボディサイズは米国ではフルサイズモデル。ちなみに、10代目クラウン(1995年~)のボディは、4820mm×1760mm×1450mm、ホイールベースは2780mmである。


パワートレーンは、最高出力200ps/最大トルク29.0kgmを発揮する新設計のオールアルミ製3.0L V6 DOHCエンジンと4速ATの組み合わせ。駆動方式は、大型の高級車としては珍しいFFレイアウトである。
日本での発売にあたっては、右ハンドル仕様としたほか、世界初のオプティトロンスペースビジョンメーターや電動チルト&テレスコピックステアリング等の装備を充実。また前席がベンチシートの6名乗り仕様と、セパレートシートの5名乗りの2種が用意された。
車両価格は、288万円と318万円に設定。当時の大卒初任給は、19.4万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で341万円と377万円に相当する。
2代目アバロンは日本名「プロナード」

アバロンは、北米では2000年に2代目にモデルチェンジしたが、日本では2000年4月のこの日から車名を「アバロン」から「プロナード」に変更して販売された。高級車らしく、テーマは“上質なゆとり”、FFパッケージを生かした広い室内と快適装備がウリだった。

ボディサイズは、全長4895×全幅1820mm×全高1460mm、ホイールベース2720mmと、初代アバロンよりもさらに大きくなった。ワンモーションキャビンと呼んだ広々した快適な室内で、ピラー底部の前後を広げて、さらにFFレイアウトの利点を生かして、初代にも増して室内が大きくなった。

パワートレーンは、パワーアップした最高出力215ps/最大トルク30.5kgmを発揮する3.0L V6 DOHCエンジンと4速ATの組み合わせ。駆動方式は、FFレイアウトが踏襲された。


パワーステアリングには、車速によりステアリングの重さを自動制御する“新PPS(プログレッシブパワーステアリング)”を採用。トップグレードのGパッケージには、ショックアブソーバーの減衰力を自動制御する“スカイフックTEMS”が標準装備。安全装備については、前席デュアル/サイドエアバッグはもちろん、ABS、TRC(トラクションコントロール)、衝突安全ボディGOAなどが採用され、さすが米国トヨタのフラッグシップセダンだけに充実していた。車両価格は、315万~345万円に設定された。
FFの大型高級セダンは希少な存在
FFレイアウトの大型高級セダンとして登場した「アバロン」および「プロナード」は、日本の高級車はFRレイアウトが定番だったので希少な存在だった。FF高級車はハンドルへのキックバックや振動、重量配分が悪くて走りの質感が劣る、大排気量・高出力エンジンを搭載するのでトルクステアやスピンなどが発生しやすい、というのが一般的に言われていたネガな評価だったからだ。
日本で、唯一と言えるFF高級車として登場したのが、1985年10月に登場したホンダの「レジェンド」である。しかし、歴史的にFF技術にこだわりを持つホンダのレジェンドは、FFのネガを感じさない走り、乗り心地を実現していた。

一方で、米国では1990年代~2000年代でも、アバロンのようなFF高級車はかなりの数で存在していた。当時の米国では、低コストで生産効率が高く、しかも室内スペースを広くとれるFFの方が優先されていたのであろう。
しかし、それ以降は米国でもFF高級車は減り、やはり高級車にはFRや4WDが採用されるようになった。
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日本のFF化は小型車から始まり、またFRよりFFの方が安価なシステムであったことから、古くから高級車はFRという認識が根強く、大型FF高級車の需要はなく、アバロンとプロナードも販売は苦しんだ。現在、国内で高級FFセダンと言えるのは、唯一「レクサスES」だけだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
