ハンターカブの145ccスーパーヘッド4V+Rに乗ってみた!回した瞬間にわかる別次元フィーリング

145cc化されたエンジンまわり。スーパーヘッド4V+Rによる4バルブ化に加え、オイルクーラーも装着されており、高出力化に伴う熱対策まで抜かりない構成となっている。

今回試乗したのは、SP武川が製作したCT125・ハンターカブ(JA65)ベースのデモ車。スーパーヘッド4V+Rコンボキット(145cc)を組み込んだ仕様で、いわば“武川が想定する完成形”に近い1台だ。

まず押さえておきたいのが、このコンボキットの中身。145ccボアアップに加え、4バルブヘッド、専用ピストン、φ28mmビッグスロットルボディ、専用インテークマニホールド、FIコンTYPE-X(インジェクションコントローラー)、大容量インジェクなどがひとつのパッケージとして構成されている。

つまり、ヘッド単体ではなく、吸気と燃調まで含めて成立する“エンジン一式のチューニングキット”という位置付けだ。

そのうえで今回の試乗車は、排気効率を高めるために政府認証トラッカーマフラーを装着。さらに出力向上に伴う負荷対策として、強化オイルポンプやクランクシャフトサポートアダプターといった耐久系パーツも組み込まれている。

ダイノジェットで計測された後輪出力グラフは、この仕様でのデータとなるため、吸排気や補機類まで含めた“トータルセッティング”である点は前提として押さえておきたい。

スーパーヘッド4V+Rコンボキット(145cc)を核に、φ28mmビッグスロットルボディ、FIコンTYPE-X、政府認証トラッカーマフラーなどを組み合わせたデモ車。さらに強化オイルポンプやクランクシャフトサポートアダプターも組み込まれ、出力アップに対応したトータルチューニング仕様となっている。

6000rpmから先が、このエンジンの本番

実走テストの様子。低中速は扱いやすく、回転を上げると一気に伸びる二面性が印象的だった。

実際に走り出してまず感じるのは、扱いやすさだ。始動は軽く、アイドリングも安定している。低回転域では145ccらしいトルク感があり、遠心クラッチとの相性もいい。街中では神経質さはなく、“普通に乗れるカブ”の延長線にある。

だが、その印象は中速域から一変する。

6000rpm付近で吸気の入り方が変わり、パワーが一段乗る。そのまま回していくと、高回転までストレスなく伸び続ける。軽く、そしてスムーズに回るフィーリングは、従来の2バルブボアアップとは明確に違う。

回していくほど気持ちよくなる。ここにこのエンジンの本質がある。

ダイノジェットによる後輪出力グラフ。青線のノーマルに対し、スーパーヘッド4V+Rコンボキット145cc(φ28ビッグスロットル、FIコンTYPE-X、トラッカーマフラー装着)は回転上昇とともに差が拡大。特に6000rpm以降で明確に伸びを見せ、そのまま高回転まできれいに回り切り、最高出力14ps/9500rpmに到達する。

なぜここまで回るのか?スペックを見れば納得できる

このフィーリングにはしっかりとした裏付けがある。

スーパーヘッド4V+Rは、インテーク21.5mm×2、エキゾースト18.5mm×2の4バルブ構成。さらにバルブステム径は吸排気ともに4.0mmと細軸化されており、バルブの慣性を抑えて高回転域での追従性を高めている。

ローラーロッカーアームによるフリクション低減、両端ボールベアリング支持のカムシャフト、センタープラグ化された燃焼室など、細かな要素が積み重なり“軽く回る”という感覚につながっている。

吸気、燃焼、回転がきれいにつながる構成だからこそ、145ccという排気量の中でもここまでの伸びが生まれる。

なお、スーパーヘッドは過去のエンジン型式では181cc仕様まで展開されていたが、現行エンジンでは145ccがボア拡大の上限。その条件の中でここまで作り込まれている点も見逃せない。

シリンダーヘッドサイドカバーの刻印が誇らしい。高性能なだけでなく、見た目も美しい。

低速は“そのまま”、高回転は“別物”

面白いのは、低回転域の扱いやすさをきちんと残していることだ。トコトコ走ることもできるし、日常域で扱いにくさはない。

それでいて、回せば一気にキャラクターが変わる。

普段は穏やかで、回せば鋭い。この二面性が、このコンボキットの最大の魅力だろう。

とにかく“回したくなる”最強キット

このスーパーヘッド4V+Rコンボキットは、単なるボアアップではない。エンジンの性格そのものを作り替えるパッケージだ。

吸って、燃やして、回る。その流れがきれいにつながったとき、エンジンはただの機械じゃなくなる。

回している時間が楽しくなる。
もう一度回したくなる。

そんなフィーリングを、最初から用意してくるキットだ。

スーパーヘッド4V+Rコンボキット(CT125・ハンターカブJA65用)主要スペック

・価格:27万5000円
・排気量:145cc(ボア径φ54mm/圧縮比12.0:1)
・ヘッド:SOHC4バルブヘッド(4V+R)
・バルブ径:インテーク21.5mm×2/エキゾースト18.5mm×2
・バルブステム径:吸排気ともに4.0mm
・バルブ駆動:ローラーロッカーアーム
・カムシャフト:両端ボールベアリング支持+オートデコンプレッション機構付き
・燃焼室:センタープラグレイアウト+最適化バルブ挟み角
・ピストン:アルミ鋳造製(4バルブ対応バルブ逃げ加工済み)
・シリンダー:アルミ製鉄スリーブ
・吸気系:φ28mmビッグスロットルボディ+専用インテークマニホールド
・燃調:FIコンTYPE-X(プリセットマップ+任意調整対応)
・最高出力:14ps/9500rpm(参考値)
・特徴:吸気・燃焼・回転性能をトータルで引き上げるフルパッケージ設計

コンボキット構成一式。シリンダーヘッド、シリンダー、ピストン、スロットル、FIコンまで含まれ、組み込みだけでフルチューンが成立する。
4バルブ燃焼室。最適化されたバルブ挟み角とセンタープラグ配置により、燃焼距離を短縮し効率を向上。
アルミ製鉄スリーブシリンダー。ボア径φ54mmで145cc化しつつ、放熱性と耐久性を確保。
4バルブ対応ピストン。バルブ逃げ加工により高リフト化に対応し、圧縮比12.0:1を実現。
カムシャフトはオートデコンプレッション機構付き。両端ボールベアリング支持でフリクション低減と耐久性向上を両立。
吸気ポート。4バルブ化により通路断面積を拡大し、高回転域でも十分な吸気量を確保。
排気ポート。排気効率を高める形状で、吸排気バランスを最適化している。
FIコンTYPE-X。回転域ごとに燃調を制御でき、プリセットに加えてユーザーセッティングも可能。
ビッグスロットルボディ単体。大径化により高回転域での吸気不足を解消する要となるパーツ。
ローラーロッカーアーム。カムとの摺動抵抗を低減し、バルブの追従性を高める4V+Rのキーデバイス。

モトチャンプ