1.4トンのボディに3.5L・V6エンジンを搭載!
カスタムで地味さを払拭しラグジュアリークルーズを堪能
トルクフルで余裕ある走りをもたらす横置きの2GR-FEは、アルファードやエスティマといったLクラスミニバンや、ハリアーなどのSUVに搭載されていた280psユニットだ。そんなエンジンをコンパクトな車体に収めたのが、ここで紹介するブレイドである。
走りから質感に至るまで贅を尽くしたパッケージングとは裏腹に、2GR搭載グレードである『マスター』は前期モデルで2628台、後期モデルに至ってはわずか272台という生産台数にとどまる。そもそも2.4Lエンジン搭載のベースグレードを含めても、総生産台数約5万台というブレイド自体が6年弱で販売終了となったこともあり、中古車市場におけるブレイドマスターはスポーツカーの限定モデル以上に希少な存在となっている。

そんなブレイドのカスタムに魅了されたのが、広島で持ち込みパーツの取り付けやオーディオインストールなど、幅広くカーライフをサポートするボルティガの仲井さんだ。
「中古車販売店に勤めていた頃は、1年サイクルでクルマを乗り換えてはカスタムするという生活を繰り返していました。そんな中で出会ったのが、60万円ちょっとと手頃な価格でありながら3.5L・V6を搭載するブレイドマスターだったんです」と当時を振り返る。
車重2150kgのアルファードと同スペックのエンジンを、1480kgのボディに搭載するブレイドマスターは、ノーマルの状態でも十分すぎる速さを誇る。そこにHKSのGTS7040スーパーチャージャーを装着し、圧倒的な加速性能を手に入れていたという。しかし、純正ピストンの許容を超えてしまい、エンジンブローを2度経験することになった。
その後、別のクルマに乗り換えたものの、下取りで入庫した2.4Lのブレイドを再び愛車として迎え入れる。しかし、あまりにも走りが物足りなかったことから再びブレイドマスターへと乗り換え、現在に至っている。カスタムしても他と被らない希少性や、2GR搭載ホットハッチという特異なステータスに、自然と惹かれていったのだ。

パワーウエイトレシオは5.28kg/ps。「手を加えなくとも十分に楽しめる」という理由から、エンジンルームはタワーバー以外フルノーマルを維持している。かつて別次元の速さを見せたスーパーチャージャー仕様については、別車両での再挑戦を検討中とのことだ。

足回りは当初、車高調を装着していたが、同系構造を持つレクサスHSのエアサスが入手できたことをきっかけにエアサス化。純正フェンダーのままで全下げ時にホイールを収めるため、他車種流用のロワアーム延長アダプターやタイロッド延長加工、キャンバー角の見直しなどを行っている。

ブレーキにはBNR32純正キャリパーを採用。日産ロゴを削り落としてメッキ仕上げとし、ドリルドスリットローターと組み合わせている。装着にあたっては、グローバル製のキャリパー移植ブラケットが設定されている50エスティマ用純正ナックルへ交換して対応した。


足元を飾るのは、フルオーダーによる3ピース構造の19インチホイール(フロント9.5J×19/リヤ10.5J×19)。エアサス全下げ時と実走行時の車高を想定してセットアップされており、特に苦労したのはフロントのクリアランス確保だという。切れ角を確保するため、同サイズ表記でも実寸が異なるタイヤを吟味し、ミリ単位で調整が施されている。


インテリアは、足踏み式パーキングブレーキや大型センターコンソールにより利便性を高めた一方で、後期モデルでは簡素化されたルームランプが課題だった。そこで、上半分に大型LEDルームランプを備える前期内装を丸ごと移植し、質感の向上を図っている。

エクステリアはヘッドライトのリペアで清潔感を高め、純正サイドステップに合わせてモデリスタのフロントハーフスポイラーを装着。本来ブレイド専用のエンブレムが備わるが、経年劣化によるくすみがあったため、レーダークルーズおよびプリクラッシュセンサーに対応した50系RAV4用トヨタエンブレムへと変更している。

全長4260mm、ホイールベース2600mmというコンパクトなボディに2GRを搭載するブレイドマスター。中古車相場は走行距離5万km前後の個体で150万円ほど。6速ATにIS F譲りのSPDS制御を採用するなど、完成度が高められた後期モデルは特に希少な存在だ。

なお、仲井さんの愛車はデッドニングとフロントスピーカー交換を施したオーディオデモカーとして、常時店頭に展示されている。試乗こそできないものの、スタイリングやインテリアのチェック、音質の体感は可能。存在感際立つプレミアムハッチの完成度を、ぜひその目と耳で確かめてほしい。
●取材協力:ボルティガ 広島県広島市東区中山西2-6-5 TEL:082-562-2008

