マツダはこのほど、オーストラリア市場で販売するピックアップトラック『BT-50』に、新たに2グレードを導入することを発表した。

マツダ BT-50

オーストラリアのピックアップトラック市場において、マツダBT-50は長らくフォード・レンジャーやトヨタ・ハイラックスといった強豪の陰に隠れた存在だった。しかし2026年モデルでは、アドベンチャー志向のBT-50サンダーの復活と、ブラックアクセントが特徴のコストパフォーマンス重視の新たなBOSS(ボス)という2つの新バリエーションを追加することで、その差を縮めようとしている。

マツダ BT-50

2020年に登場した現行世代のBT-50は、いすゞD-MAXとプラットフォームを共有する。 2024年10月にスタイリングの刷新と車載テクノロジーの改良を伴って登場。このアップデートにより、新たなエントリーレベル・エンジン=2.2L ターボディーゼルエンジンが、ようやく2025年9月にオーストラリアのショールームに登場した。

そしてマイナーチェンジ後の2026年モデルでは、マツダはラインアップのフラッグシップモデルとしてBT-50サンダーを復活させた。GTトリムをベースとした“サンダー”は、ライトフォースビーストLEDドライビングライトを内蔵したシングルフープのスチール製ブルバーを備えるのが特徴だ。さらに、背の高いスチール製スポーツバー、手動式ローラー式トノカバー、“サンダー”の文字が入ったブラックデカールも装備されている。

ノーマルのBT-50は仕事にもレジャーにも使える多目的ユーティリティビークルとして販売されているが、“サンダー”グレードでは、既存ラインアップ共通のメカニズムは踏襲しながらも、性能と存在感をやや高める設計となっている。

より本格的なオフロード仕様を求めるユーザー向けには、オプションリストがさらに充実しており、大型のトリプルフープブルバー、18インチアルミホイール、シュノーケル、LEDライトバー、ルーフラック、そして複数の荷台構成などが用意されている。

専用のサスペンションアップグレードが用意されているフォード・レンジャー・ラプターや日産ナバラ・プロ4X・ウォリアー、いすゞD-MAXブレードとは異なり、BT-50サンダーはノーマルのサスペンションをベースとしている。そのため、トヨタ・ハイラックス・ラギッドXや三菱トライトンGSR、キア・タスマンX-Proといった、よりソフトなオフロード仕様に近い位置づけとなっているのだ。

一方、『BOSS(ボス)』は、“サンダー”と異なるアプローチを採用。ダブルキャブ4×4 XTグレードをベースに、オフロード用ハードウェアではなく、外観の刷新に重点を置いている。ドアハンドル、ミラーキャップ、グリルにはグロスブラック仕上げが施され、ブラックスチール製スポーツバー、標準装備の荷台ライナー、サイドステップがアクセントとなっている。そのため、クセの少ない“BOSS”の方が売れ筋となりそうだ。

BT-50サンダーとBOSSの両グレードには、マツダの最高峰3.0L ターボディーゼルエンジンが搭載され、最高出力190ps/140kW、最大トルク450Nmを発揮する。このエンジンは6速オートマチックトランスミッションと組み合わされ、4輪駆動となる。

下位グレードには、より小型の2.2L ターボディーゼルエンジンが用意され、最高出力163ps/120kW、最大トルク400Nmを発揮する。このエンジンは8速オートマチックトランスミッションと組み合わされ、構成に応じて後輪駆動または4輪駆動を選択できる。

競合他車とは異なり、BT-50シリーズには電動パワートレインは用意されていない。その理由は、同社がディーゼルエンジンを長期的な役割と捉えていることを示唆していることからもわかる。

このところ日本メーカーの海外専用ピックアップトラックでは、トヨタの『タンドラ』の日本導入が濃厚となっているほか、ホンダも『リッジライン』導入の検討に入っているなど動きが活発だ。現段階でマツダの動きは確認されていないものの、すでにBT-50には右ハンドル車が存在しているほか、日本市場でも十分に通用する最先端の安全装備を備えるなどポテンシャルも高く、日本導入される可能性は十分ありそうだ。