石垣島の総面積は約222km2で大阪市とほぼ同じ。島一周の距離は140km前後

沖縄本島の南西に位置する宮古島、石垣島、西表島、与那国島などは総じて「八重山(やえやま)列島」「八重山諸島」「八重洲地方」と呼ばれます。
天気の良い日はどのビーチでもエメラルドグリーンの海が堪能できる石垣島。
雨天時以外は絶景の海が楽しめる石垣島の名所「川平湾(かびらわん)」。

石垣島(いしがきじま)は沖縄県の中でもっとも台湾寄りにある、「八重山(やえやま)列島」「八重山諸島」に属する島。石垣島は沖縄県内では沖縄本島や西表島に次ぐ3番目の大きさで、日本全体(北海道、本州、四国、九州の4島と沖縄本島を含む)では21番目の総面積。

石垣島の総面積は約222km2(平方キロメートル)で、大阪市(223km2)、熊本県の天草上島(約225km2)に近く、東京23区(約620km2)の1/3位、神奈川県横浜市(438km2)の約半分。瀬戸内海にある香川県の小豆島(153km2)よりもやや大きなイメージ。

石垣島は沖縄県の県庁所在地である那覇市(沖縄本島)から南西に約410km離れた離島。西側にある台湾とは約270kmしか離れておらず、日本の大半の地域よりも台湾に近いのが特徴です。島全体が「石垣市」で、総人口は4万9,651人(2022年9月現在)。

石垣島の島一周の距離は140km前後。この距離は、東京都心~静岡県沼津あたり、大阪市~滋賀県米原市あたりに相当。一般道のみで高速道路はありません。

2泊3日の日程を上手に使えば、ツーリング・島内観光・離島めぐり・海や山へのレジャーなどがフルにエンジョイOK♪

エメラルドグリーンの海を満喫! スキューバーダイビング、シュノーケリング、グラスボード(船底の一部が透明になった遊覧船)では美しいサンゴ礁に加え、ウミガメに出会えるかも! ※写真はイメージ。

バイク(50ccの原付を除く)やクルマで島を1周するには、時速40km/hで走行した場合、単純計算で3時間~4時間くらい。市街地及び近郊を除いた主要道路には信号機が少なく、長距離渋滞もほぼ発生しないため、島内は驚くほどスムーズに走行可能。特に海が臨める道は絶景が楽しめるため、島一周の距離=約140kmという距離感を感じさせません。

仮に「有名な観光スポットは押さえておきたい」という場合。2泊3日の日程を上手に使えば、ツーリング、島内観光、離島めぐり、海や山へのレジャーなどがフルに楽しめるはず。ただし1泊2日では、慌ただしい旅になるかも。

観光の観点から石垣島をざっくり分けると、北部・中部・南部の3つ。北部には美しいビーチ・鍾乳洞・展望台などの観光名所が点在し、中部に空の玄関口となる新石垣空港、南部には島内屈指の繁華街や離島をつなぐ主要港があります。

石垣島はエメラルドグリーンの海と、自然豊かなマングローブ等の深緑が広がる、一言でいえば海と山が表裏一体となった場所。島の外側に海が、内側に山があるイメージ。この点は奄美大島に近いかもしれません。

しかし奄美大島の総面積は約712km2。ちなみに沖縄本島は約1,208km2。両島に比べ、数字的にも体感的にも、約222km2の石垣島は非常にコンパクトな印象。目の前に海があり、背後に山があるという、「1島で2度美味しい!」的な、海と山が瞬時に楽しめる地形が特徴。筆者的に石垣島は、奄美大島をコンパクトにした感じがします。

石垣島の歴史と文化

琉球王朝時代に権威の象徴だったシーサー。琉球王国が廃止され沖縄県が誕生以降一気に広まり、屋根や塀に漆喰や陶器のシーサーが据えられるようになりました。

石垣島に人が住み始めたのは非常に古く、過去には約2万年前の人骨が見つかっています。1500年に石垣島を含む八重山諸島は、沖縄本島にある琉球(りゅうきゅう)王国の支配下に入りました。

徳川将軍が支配した江戸時代が終わった1872年、明治政府は琉球王国に対し、強行的な廃藩置県(はいはんちけん)を実施。これにより薩摩藩の管轄下にあった琉球王国は明治政府の直轄に移行され、沖縄県となりました。

日本が太平洋戦争に敗戦後、占領下にあった沖縄県はアメリカ合衆国の統治下へ。1972年5月15日、沖縄県はアメリカ合衆国から日本に返還され、現在に至ります。

琉球王国の歴史は1429年~1879年の約450年間中国との外交・貿易が盛んだった沖縄県には、中国文化の影響を色濃く受けた、本土とは明確に異なる独自の文化が存在します。

集落での一コマ。リフォーム中か建て替え中かは不明ですが、琉球文化を継承した屋根瓦や塀のデザインに仕上げられています。屋根の上には沖縄の守り神「シーサー」を配置。

特に感じるのは、石垣島の郊外の街並み。赤い屋根瓦、島内の石を丁寧に積み上げた防風・防雨性に優れた高い石垣、屋根や石垣の上に設置された沖縄の守り神「シーサー」など。今でも琉球王国時代の庶民の文化や暮らしぶりが残っており、台風の多い石垣島ならではの風景が見られます。

これは筆者が宮古島出身者(生まれてから高校卒業の18歳まで宮古島。以降は東京。50代男性)から聞いた話ですが、八重山諸島は似ているようで、実は各島によって微妙に島民の気質(島民性)が異なるという。

たとえば石垣島の北東にある宮古島は、開拓精神が旺盛(山や川がないため、水の確保に尽力を尽くしてきた歴史あり)。また陽気で誰とでもすぐ打ち解ける。

一方、山や川の多い石垣島の人々は、伝統や文化を守る保守的な人が多い。彼によれば、宮古島の人は石垣島があまり好きではなく(ライバル心があるため)、“大都会”の沖縄本島には憧れがあるという。なお沖縄本島の人は、離島出身者を下に見ることも多かったとのこと(あくまでも彼の話であり、真偽の程はは不明)。

これは「都会は田舎よりランクが高い」という、関東の東京>神奈川>千葉=埼玉の図式に似ていますね。“地元あるある”と呼ばれるプライドの張り合いです。

沖縄県の島民性は、ステレオタイプ(広く浸透している固定観念や思い込み。また先入観)の見解なのでしょうが、これらを踏まえ、沖縄の離島の“違い”を現地でリアルに味わってみるのも旅の醍醐味ですね。

石垣島の気候・天候・海の色

石垣島の最北端「平久保崎灯台」から臨む海。撮影時は曇り時々小雨。かすかにエメラルドグリーンの海が確認できますが、石垣島の海は全般的に雨が降ればどんよりとした黒い色になりがち。

石垣島は少し高台に行けば、天気の良い日はエメラルドグリーンの海が見渡せる恵まれた地形。美しいビーチも各所にあり、海と山が表と裏にあるイメージです。

ただしエメラルドグリーンの海も、雨が降れば全般的にどんよりとした黒い色になりがち。特に絶景で有名な石垣島の名所「川平湾(かびらわん)」の海は、その傾向が強いと筆者は感じます。

石垣島の多くの海は、雨が上がり雲がなくなると、再び美しい青さを取り戻します。このあたりは雨が降ってもエメラルドグリーンの海が堪能できる(エリアにより異なる)、鹿児島県の離島・奄美大島とは異なる点ですね。

石垣島の気候は亜熱帯に属し、夏は蒸し暑くて湿度が高く、年間を通じて本土よりも雨が多く、天候が変わりやすいのが特徴。1年を通じ、気温は17℃から32℃に変化しますが、13°C 未満に下がり、33°C を超えることは滅多にありません。

梅雨入りは5月下旬頃、梅雨明けは6月中旬~6月下旬頃。この時期は長雨が続く確率が極めて高いので、旅行は避けたほうがベターかも。また本土より湿度が高いので、熱中症にはくれぐれも注意。加えて夏は台風が多く、飛行機の欠航というアクシデントもあることをお忘れなく。

石垣島は年間を通じ、突然の土砂降りから晴天への移行など(特に山沿い)、非常に天気変わりやすいのが特徴。

筆者が石垣島を訪れた初日の午前中は大雨。しかし午後は嘘のような晴れ模様。宿泊したホテルマンからは、「天気予報は参考程度に」とのアドバイスを頂きました。出かける時は念のため、折り畳み傘や雨合羽の持参をおすすめします。

本土よりも年間降雨量の多い石垣島ですが、もしも学生さんなど旅行日の決定に自由度が高いならば、ネットで公開されている「石垣島・過去の天気」で向こう3年間程度の天気をリサーチ。3年間晴マークが出ている日にちにターゲットを絞れば、統計学上、天候に恵まれる確率が高まります。

【後編】では実際に石垣島をツーリングするための「実践編」をご紹介します。

石垣島の年間/月の気温

石垣島(最低)石垣島(最高)石垣島(平均)東京(平均)
1月16.5℃21.2℃18.6℃5.4℃
2月16.9℃21.6℃19.1℃6.1℃
3月18.5℃23.5℃2.01℃9.4℃
4月21.2℃25.8℃23.3℃14.3℃
5月23.6℃28.3℃25.7℃18.8℃
6月26.1℃30.4℃28.0℃21.9℃
7月27.6℃32.0℃29.5℃25.7℃
8月27.1℃31.8℃29.2℃26.9℃
9月25.8℃30.7℃27.9℃23.3℃
10月23.7℃28.7℃25.9℃18.0℃
11月21.1℃25.8℃23.2℃12.5℃
12月18.0℃22.7℃20.1℃7.7℃
「気温と雨量の統計」より https://weather.time-j.net/

石垣島の降雨量(mm/月ごとの合計/年合計)

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年合計
那覇73.2145.082.3147.2353.0282.0173.8283.795.8312.0217.8128.22294.0
宮古島151.091.873.7182.5238.8180.2173.2230.096.8334.0199.0103.22054.2
石垣島120.2133.841.2137.7277.5125.8113.2213.0122.3571.2167.791.52115.1
東京51.5104.2105.3157.5189.8150.267.7171.0238.7202.3119.595.81653.5
南鳥島75.575.368.226.8107.283.8111.5290.5161.284.725.5114.51224.7
※統計期間2009年、2010年、2011年の3年間の統計。気象庁のデータより積算。
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