後席や荷室の空間効率は精到 ボディ剛性や使い勝手も特質

先代モデルも大人気だったので、キープコンセプトで登場しても不思議ではないと思われていたが、大胆にイメージチェンジを図った新型ヴェゼル。

エクステリア

水平基調のベルトインと大きく寝かしたテールゲートが印象的。「PLaY」のボディカラーはツートーンのみで、カラーバーオーナメント付きフロントグリルなどの専用エクステリアをまとっている。最小回転半径は5.5m。

個性的なフレームレスグリルは好き嫌いが別れるところだが、基本は水平基調でシンプル&クリーンなスタイルだ。Bセグメントとしてはサイズは大きめでCセグメントに近く、流行のクーペスタイルとしていないので後席やラゲッジが広々としているのも人気の秘訣だろう。

インストルメントパネル

水平基調のダッシュボードにより車両感覚をつかみやすい。シフト下からステアリング下までつながる金属調加飾がアクセントになっている。写真の「Honda CONNECT」対応ナビはオプションで、フルオートエアコンは全車に標準装備。

プラットフォームはキャリーオーバーでフィットと同様のものだが、走らせてみれば、それが信じがたいほどに上質だ。ボディの剛性感が高くてサスペンションがしなやかにシットリと動く。特に4WDモデルはその感が強い。FFモデルは先代のスポーティなイメージを継承していてやや引き締まった乗り心地だ。

居住性

ハイブリッドのe:HEVは基本的にモーター駆動のため、動力性能、動的質感ともにコンパクトSUVとしてはトップレベル。ただし、1.5ℓと小排気量のため、きつい登り区間で加速しようとするととたんにエンジン音が高まる。全体の質感の高さを考えると、もう少しだけエンジンに余裕が欲しいとも思わせる。

うれしい装備

センタータンクレイアウトの採用により、後席を跳ね上げて固定できるチップアップに対応する。着替えや背の高い荷物を積む際に重宝する。
スマホの容量を気にせずに使える「Hondaアプリセンター」。「radiko」や「AWA」「NAVITIME CONNECT for Honda」などのアプリを用意。
月間販売台数   4360台(22年9月〜12月平均値)
現行型発表     21年4月(一部改良21年4月)
WLTCモード燃費  25.0km/l ※「e:HEV X」のFF車

ラゲッジルーム

一方のガソリン車は軽快で活発な印象が強い。車両重量が軽く、CVTの制御も優れていて、ラバーバンドフィールなどは抑えられている。使い勝手や走りも含めて、BセグメントのSUVとしては満足度の高さが頭ひとつ抜けている。ホンダの国内販売を支える一台であり続けることだろう。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.149「2023-2024 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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