Mercedes-Benz G 580 with EQ Technology
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Mercedes-Maybach EQS 680 SUV

伝統のエクステリアを受け継ぐGクラス

軍用車を起源に持ち、その高い走破性と堅牢性からオフローダーの頂点に君臨してきた「メルセデス・ベンツ Gクラス」。Gクラスは2018年に史上最大の改良を実施しており、2024年に待望のフル電動パワートレイン搭載モデル「G 580 with EQ テクノロジー」が追加された。

一方の「メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV」は、2023年にマイバッハ初のフル電動モデルとしてデビュー。フル電動クロスオーバー「メルセデス・ベンツ EQS SUV」をベースに、スリーポインテッドスターのボンネットマスコットや贅沢にクロームパーツをあしらった専用フロントマスクなど、マイバッハに相応しいゴージャスな内外装が与えられている。

同じメルセデス製フル電動4WDだが、そのスタンスは大きく異なる。Gクラスは時代に合わせてアップデートを重ねてきたものの、1979年にデビューした初代からスクエアなエクステリアを受け継いでいる。現代的なクロスオーバースタイルを持つマイバッハ EQS 680 SUVが全長で405mm、ホイールベースで320mmも大きく、このサイズ差は主に後席の居住性に表れている。

メルセデス・ベンツ G 580 with EQ テクノロジー

ボディサイズ=全長4730×全幅1985×全高1990mm
ホイールベース=2890mm
車両重量=3120kg
タイヤサイズ=275/50R20

メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV

ボディサイズ=全長5135mm×全幅2035mm×全高1725mm
ホイールベース=3210mm
車両重量=3050kg
タイヤサイズ=275/40R22

新開発4輪独立モーターが導入されたGクラス

G 580 with EQ テクノロジーは、新開発の4輪独立式モーターを採用。強化されたラダーフレームの前後アクスルに、108kWを発揮するモーターが2基ずつが組み込まれ、システム最高出力587PS(432kW)、最大トルク1164Nmを発揮する。マイバッハ EQS 680 SUVは、前後アクスルに最新のフル電動パワートレイン「eATS」を搭載。永久磁石同期モーター「PSM」は、モーターのローターに永久磁石が取り付けられており、最高出力658PS(484kW)、最大トルク955Nmを発揮する。航続距離は空力に優れるマイバッハ EQS 680 SUVが110kmも長い

メルセデス・ベンツ G 580 with EQ テクノロジー

パワーユニット=4モーター+リチウムイオンバッテリー
最高システム出力=587PS(432kW)
最大トルク=1164Nm
駆動方式=AWD
最大航続距離=530km(WLTCモード)
最高速度=180km/h
0-100km/h加速=4.7秒

メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV

パワーユニット=2モーター+リチウムイオンバッテリー
最高出力=658PS(484kW)
最大トルク=955Nm
駆動方式=AWD
最大航続距離=640km(WLTCモード)
最高速度=210km/h
0-100km/h加速=4.4秒

後席の快適性を追求したマイバッハ EQS SUV

2018年に大規模なアップデートが実施されたGクラスは、現代的なデジタルコクピットを導入。12.3インチディスプレイを並列した最新世代のインフォテイメントシステム「MBUX」が搭載される。マイバッハ EQS 680 SUVは、コクピットディスプレイ、有機ELメディアディスプレイ、助手席用有機ELフロントディスプレイを1枚のガラスでカバーした「MBUXハイパースクリーン」を標準装備。イグニッションを入れると、「MAYBACH」の文字が浮かび上がる専用演出も用意された。

G 580 with EQ テクノロジーのリヤシートは、1990mmという全高を活かし、余裕を持ったヘッドスペースを持つ。対するマイバッハ EQS 680 SUVは、左右独立型リヤシートを備えた「ファーストクラスパッケージ」が、オプションとして設定されており、まるでベッドようなリクライニングシート、格納式テーブルや温度調整機能付きカップホルダーなど、その名のとおり航空機のファーストクラスを思わせる贅を尽くした居住空間が広がる。

G 580 with EQ テクノロジーが2635万円、マイバッハ EQS 680 SUVが2790万円のプライスタグを掲げ、その差額は155万円でEQSの方が高い。ショーファードリブンとしての使用を想定してリヤシートの快適性を徹底的に追求したマイバッハ EQS 680 SUV、Gクラスが持つ走破性を犠牲にすることなくフル電動化したG 580 with EQ テクノロジーは、同じメルセデス製ラグジュアリー電動SUVと言えど、そのターゲットは大きく異なる。走破性か快適性か、使用環境をじっくりと考えた上で、1台を選ぶことになりそうだ。

車両本体価格

メルセデス・ベンツ G 580 with EQ テクノロジー 2635万円
メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV 2790万円

Gクラス初のフル電動モデル「メルセデス・ベンツ G580 with EQ テクノロジー」を日本に導入し、2024年11月からデリバリーを開始する。

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