値上げ前にタイヤを交換決意……選んだタイヤは?
2024年11月に1999年型モト・グッツィV11スポーツを中古で購入してから早くも8ヶ月が経過した。納車から2500kmを走行し、オドメーターは1万9500kmを超えたが、細かな不具合はいくつかあるものの概ね調子が良く、購入して良かったと思っている。その不具合については次回以降にあらためて紹介するとして、今回は、購入直後に行ったタイヤ交換についてリポートしよう。
購入時に筆者のV11スポーツはブリヂストンBATTLAX HYPERSPORT S21を履いており、タイヤの残り山は4分山といったところだった。前オーナーはそれなりに攻めた走りをしていたようで、タイヤの端までまんべんなく使っていた。

そのまま使おうと思えばもう少し使えなくもなかったのだが、原材料高によって各タイヤメーカーは年明けに価格改定を予告しており、いずれ交換が必要になるのなら値上げ前を狙い、納車直後のタイミングで交換することにしたのだ。

さて、問題はタイヤ選び。同じS21にリプレイスするというのもひとつの方法だろう。S21は公道用スポーツタイヤとして評判が良く、優れたグリップ性能を誇りながらウェット性能と長寿命を両立させていると好評だった。
実際、V11が納車されてから数百kmほどこのタイヤで走ってみたが不満はまったくなかった。ただ、難点は値段だ。ブリヂストンのタイヤは製品が良くても他社製品よりも実勢価格が高い傾向がある。それに筆者のライディングスタイルはツーリング主体ということもあり、ここは費用を抑えつつ、絶対的なグリップ性能よりもロングライフを優先したい。
と、悩んでいると、以前にSHOEIのヘルメットを購入した南海部品 湾岸千葉店からセール案内のダイレクトメールが届いた。ちょうどWINTERセールが始まるタイミングのようで、これは好都合。さっそく同店を訪れることにした。

南海部品のWINTERセールでお値打ち価格のピレリ ANGEL GT2をチョイス
南海部品のタイヤコーナーを訪れると、店頭のいちばん目立つところにセール品のタイヤが展示されていた。ミシュランやメッツラーなども安くなっていたが、適合するサイズでもっとも安かったのがピレリANGEL GT2だった。スタッフに話を聞くと「ロングライフで性能も良いですよ。タイヤが摩耗してもハンドリングの変化が少ないのが特徴です。ツーリング派のライダーにはオススメ」とのこと。

見積もりを出してもらうとフロントのサイズが120/70ZR17で1万5736円、リヤのサイズは170/60ZR17で2万1352円、前後タイヤ交換の工賃は前後が4500円、廃タイヤ処分料が400円で、合計4万6186円だった。なお、工賃等は2024年12月の取材時の価格となる。

同じサイズのBATTLAXだとフロントが2万1000円前後、リヤが3万5000円くらいするから、かなりの節約になる。バイクでピレリを履くのは初めてだが、クルマではP700ZやP6000を使っていたこともある。最近、中華資本になったと聞くが、昔からの一流ブランドだし、まあ心配は無いだろう。幸い店内に適合サイズの在庫があるというので、さっそく交換をお願いすることにした。

シャフトドライブバイクのタイヤ交換を初めて見る
南海部品のサービスピットは本来は、関係者以外の立ち入りは禁止されているが、今回は取材ということで特別に許可をもらって作業の様子を撮影させてもらった。じつはシャフトドライブバイクのタイヤ交換を見るのは初めて。どんな手順で作業を行うのか、興味津々だった。

作業はリヤタイヤの交換から。バイクリフトの上に乗せられ、作業がしやすい高さまで持ち上げられたV11は、まずは前輪をフロントホイールクランプで固定し、天井クレーンで車体後方を持ち上げてリヤホイールを外す。

事前に「作業実績が少ない車種ですので、実際に作業をしてみるまで手順はなんとも言えず、場合によってはマフラーやリヤカウルを外すことになるかもしれません」と伝えられていたが、作業の様子を見る限り、その必要はなさそうだ。別途追加工賃が発生しないのは何よりも嬉しい。
担当スタッフはあざやかな手つきで短時間でリヤホイールを外す。側から見ている限り、チェーンを外す作業がない分、シャフトドライブのほうが作業工程は少ないように見えた。

外したホイールをタイヤチェンジャーに載せ、ビードを落としてリヤタイヤを外す。そのあとは新品タイヤを組み付け、エアを入れてバランサーにかけ、バランス調整を行ってから外すのと逆の手順でホイールを車体に戻し、リヤタイヤ交換は終了した。




フロントタイヤの交換に関しては細かな説明は要らないだろう。一般的なバイクと同じなので、ジャッキアップしてシャフトを引き抜けばフロントホイールは外れる。あとはリヤタイヤと同じ作業を行うことになる。新品のタイヤを組み込んだホイールを戻して交換作業は完了した。

ピットでの作業は待ち時間を入れても1時間は掛かっていない。筆者もミニバイクのタイヤ交換はDIYで行なうが、それと比べるのも愚かというほど手際が良い(当たり前のことかもしれないが)。さすがは南海部品のピットスタッフだ。

ピレリANGEL GT2のファーストインプレッション
南海部品 湾岸千葉店のスタッフに礼を言って代金を支払い、店を後にして新品のピレリANGEL GT2を履かせたV11で走り出す。馴らしが済んでいないので無理は禁物だが、ファーストインプレッションはなかなか良い。
摩耗して、ゴムが硬化しつつある古いタイヤと新品のタイヤを比べるのもどうかとは思うが、乗り心地がかなり良くなった。道路のつなぎ目を超えたときの衝撃吸収が明らかに改善されている。
また、ハンドリングはニュートラルで、新品タイヤに交換した直後の倒し込みの異様な軽さや、倒し込みにくさなども感じず、自然に運転できる。この時点ではグリップ性能や耐摩耗性はなんとも言えないが、おそらく期待を裏切ることはないだろう。

その後、慣らしも終わり、これまでに2000kmほど走ってみたが、軽い操作性で、ハンドリングの良さに変化はなかった。もちろん、BATTLAXに比べれば絶対的なグリップ性能は劣るのだろうが、筆者くらいの腕前のライダーがツーリングで使うのなら、まったく問題がない。ラジアルタイヤとしては実勢価格も安いし、クセのない良いタイヤである。現時点では使っていて大きな不満もない。
ただし、製造クオリティには少々文句がある。写真を見ていただければわかると思うが、トレッド面のバリが酷いのだ。筆者の買ったタイヤがたまたまハズレだったのかもしれないし、走っていればいずれ消えるのだろうが、これは価格の安さを考慮しても正直いただけない。見た目の良さだって立派な性能のひとつなのだ。ぜひとも改善してもらいたいところではある。

南海部品 湾岸千葉店

所在地:千葉県千葉市美浜区幸町2丁目24-1
TEL:043-204-4800
定休日:なし(年末年始・臨時休業日を除く)
営業時間:10時30分~20時00分(PIT受付:10時30分~19時00分)




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