チューニングレベルの高さも日本以上!

もはや日本以上に旧車ブームが盛り上がっていると言っても過言ではないアメリカ。カリフォルニア州ロングビーチで開催される全米最大級の旧車イベント「JCCS(ジャパニーズ・クラシック・カー・ショー)」には、日本の旧車をベースにしたチューンドも数多く参加している。エンジンスワップやフルコンチューニングなど、さまざまな手法を駆使した最新旧車チューニング事情をチェックしていこう。

スーパーチャージャーで過給するマッスルNSX

カリフォルニアのNSX専門プロショップであるHQエンジニアリングが製作した95年式NSX。プライド・カーボンというメーカーの前後ワイドフェンダー、サイドベント、リヤスパッツを装着し、迫力あるワイドボディを実現。

V6エンジンにはサイエンス・オブ・スピードのTVSスーパーチャージャーキットが搭載され、500ps超の最高出力を実現している。サスペンションはBCの車高調とスタンスパーツのカップキットとの組み合わせだ。

洗練の度合いを増すアメリカ流2JZチューン

JZA80スープラの15thアニバーサリー・リミテッドエディションをベースにファインチューンを施した一台。ストローカーキットで3.4Lまで排気量を拡大した2JZ-GTEには、プレシジョンの7675ターボを搭載。カスタムハーネスを使ってモーテックのM150と接続し、セッティングを最適化している。

ホイールはアメリカン鍛造ブランドCCWのD110という3ピースホイール、ブレーキはAPGパフォーマンスの鍛造キャリパーを使用。

JDMアフターパーツを奢るレストモッド

こちらもJZA80スープラ15thアニバーサリーがベース。未使用新品を意味するNOS(ニュー・オールド・ストック)の純正部品を使ったレストアを施しながら、要所要所に日本製のアフターパーツを使用したレストモッドだ。

オーバーホールが施された2JZ-GTEにはHKSのT51Rターボキットを装着。TRDのタワーバーやLSD、ヴェイルサイドのチタンエキゾーストなども備える。ホイールは往年のボルクレーシング・チャレンジ。

細部に職人技が光るFC3S

この年のベスト・マツダRX-7に選出されたアレックス・アルヴァラードのFC3Sは、とくにエンジンルームの美しさが目を引くレストモッド。Vマウントを採用した13Bターボは、部品のひとつひとつが新調されると同時に、見た目の統一感が出るよう磨きを加えたり、色を揃えた表面処理を行うなど、目立たないながらも職人肌な仕事が施されている。

オリジナルのカーボンパーツを採用

ヴィニー・ランボーンのFD3Sは日本のタイムアタックシーンに想いを馳せ、様々なディティールを散りばめたオリジナルのカーボンエアロを構築。エンジンルームやトランクを覆うカバーにもカーボンパネルを採用し、極め付けはフロントホイールにエアロカバーも装着する。シートはP2uned(ピーチューンド)のカーボンバケットシートだ。

あのマザーズもジャパニーズ・クラシックをサポート

老舗ケミカルメーカー、マザーズのブースには最高速仕様にカスタマイズされたFD3Sが展示された。ブランド的には伝統的なホットロッドとの結びつきが強いイメージだが、日本の旧車もアメリカですっかりクラシックとして認識されている証とも言える。RE雨宮のスリークライトを備えたFD3Sが、アメリカのトラディショナルな雰囲気を持つところがまた乙。

13Bターボはサージタンクに追加インジェクターが加えられ、グレッディのコンプレッションチューブエルボー、RE雨宮のインタークーラーパイプなども装備。

PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI
Part.3へ続く

「盛り上がりっぷりは日本以上!?」カリフォルニアのジャパニーズ旧車イベント『JCCS』潜入レポート!Part.1