ワイド&ローを突き詰めて魅せる!
スーパーGTを彷彿とさせるレーシングスタイルを、ストリートマシンに落とし込む。そんな挑戦的なコンセプトでGR86用のGTスペックエアロキットを開発し、国内外から注目を集めているのが“XENO JAPAN(ゼノジャパン)”だ。
ブランドのスタートは2023年とまだ新しいが、代表を務める古川さんの86愛は筋金入り。10代の頃からAE86を駆り、昭和・平成・令和と3世代すべての86でワイドボディを構築してきた、生粋のハチロク・フリークだ。

「僕が若い頃はフェンダーを切るという文化もありませんでしたし、お金もなかったので、10台以上乗り継いだAE86は全てナローでした。ただ、クルマいじりは走りだけでなくカッコ良くてナンボといった考えでしたから、フェンダーのボリューム感でスタイリングの迫力が高まるうえに、ナローだと履きこなすことが不可能なディープリムの極太タイヤで魅せられるワイドボディへの憧れは強かったですね」とは、当時を振り返る古川さん。

そう振り返る古川さんに転機が訪れたのは、自身で板金塗装業を立ち上げた後。手に入れたAE86は、例にもれずリアフェンダーが腐食しており、修復のためには切るしかない状態だった。そのタイミングでパンデムのワイドキットが登場。極太タイヤの選択肢も広がっていたことも後押しとなり、念願だった“ワイド化”へと踏み切った。

また、先代のZN6についても「どんなクルマか試してみよう」と軽い気持ちで購入したが、純正カラーが気に入らずオールペンを決行。どうせなら─と、こちらもパンデムキットでワイド化している。

ただ、令和の最新型ZN8については、リベット留めのオーバーフェンダーがどうしても似合わないと感じた。
「ZN8には、あの“ヤンチャ感”がちょっと違うと感じたんです。ナローで履けるホイールにも限界があって、どうせなら最初から“GTカー風”のワイドを設計しようと思いました」。
そこから、XENO JAPANとしてのワイドボディキット開発がスタートすることになる。
AE86 パンデムワイド仕様


腐食したフェンダーの修復を兼ねてパンデムのボディキットでワイド化されたAE86は、AE92の4A-GZエンジンとアルテッツァ用6速MTを組み合わせた、走りとスタイルを両立したオールラウンダーだ。

ワイド化するならN2フェンダーも選択肢にあったが、「スタイリッシュじゃない」との理由で即却下。AE86のシルエットを崩さず、絶妙なボリューム感で魅せるパンデムを選んだそう。
ホイールには、スペーサーを一切使わず、往年の雰囲気を色濃く残すワーク・エキップ03をセット。ロールケージレス仕様とすることで、軽量なボディを活かす方向で構築。エンジンルームにはピスタチオグリーンのビビッドなアクセントを加え、旧車らしさと現代的センスを融合させた1台に仕上がっている。
ZN6 パンデムワイド仕様

ボディカラーが引き締まらないという理由から、ポルシェのグレーにオールペンされたZN6。純正バンパーに違和感なく馴染むことを重視し、AE86と同じくパンデムのワイドキットを投入した。

「ワイドボディにはディープリム」。そんな拘りを持つ古川さんだが、ZN6では視点を変え、コンケイブ形状の深みで足元を演出。選ばれたのは、スリムスポークの2×5デザインが印象的なワークエモーションCR極。ナルドグレーのボディと相まって、洗練されたストリート仕様へと昇華している。

エンジンは吸排気チューンのみ、足回りにはHKSのハイパーマックスⅣ GTを導入。スタイリング重視のローダウンでありながら、快適性にも配慮されたバランスの取れた仕様となっている。
XENOジャパン GR86 GT-Spec

「リベット留めではない、機能美を持ったワイドボディを」。それが、XENO JAPANとしての第一歩となったGR86(ZN8)である。
テーマは「公道を走れるGTカー」。最低地上高を確保しながらスタイルのバランスを取り、パーツ点数と価格の整合性まで突き詰めた結果、生まれたのがGTスペックの8点キット。価格は65万4500円となる。


「ルックスだけでなく、走りも踏まえた18インチの足元を基準に、GTカーが放つ機能美に高級感も見せるスタイリングを追求しました。当初の構想ではフェンダーのアーチラインをもっと引き上げるつもりでしたが、給油口との兼ね合いで断念。ただ、FRらしいフェンダーボリュームはしっかり引き出せましたし、アーチラインの制限を利用してリヤバンパー後方へスムーズに落とし込むことができたダックテール風フィニッシュには満足しています」。


もちろん、86フリークの古川さんはこうしたGTスタイルの構築だけで満足するのではなく、スタイリングに相応しい走行性能を引き出すためのチューニングにも着手。デモカー兼マイカーとなるZN8は、GTスーパーチャージャーによるFA24のパフォーマンスアップ、ストリートからサーキットまで頼もしい制動力が引き出せるAPGブレーキキットなどのチューニングを施し、イベント展示からスポーツ走行までマルチにこなせる1台に仕上げている。
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