リフレッシュするならZ#8の純正パーツを使用すべし!
ドライブフィールが激変する純正パーツ流用メニュー!
中古車市場では流通量の多さから、走行距離が伸びたZN6&ZC6前期型が100万円前後で手に入るようになってきた。だが、スポーツ走行のベース車として選ぶなら、ややヤレ気味の前期型よりコンディションの良い後期型、さらに総合性能で勝る現行型へと目が向きがちだ。

そんな“セオリー”に一石を投じるべく、Z#6のリフレッシュアップデートに取り組んでいるのが、FA20およびFA24のリビルトエンジン製作で知られる“オートサービスカンキ”だ。Z#8の進化点を徹底的に解析し、部品番号や現車比較を元に、コンディションや予算に応じて選べる「フットワーク中心の純正流用メニュー」を構築している。
「すべての進化点を注入するならFA24への換装が必要になり大掛かりですが、足回りや駆動系であれば、ボルトオンでかつ手頃なコストでリフレッシュ可能です。特に効果が高いのは、トラクション性能に直結するリアセクションですね」。そう語るのは、オートサービスカンキの永井さん。
Z#8のリヤメンバーは板厚の見直しによって剛性が強化されており、同時にデフマウントも新品にリフレッシュ可能。また、Z#6の弱点だったドライブシャフトも、Z#8用の強化品に交換することで対策が可能となる。リヤメンバーと併せて流用すれば、工賃を抑えながらコストパフォーマンスの高いアップデートが可能だという。
ストリートユーザーにも嬉しい純正ダンパーの流用テク

特に見逃せないのが、Z#8純正ダンパーの流用術。中古市場では「新車外し」が格安で出回っており、ダウンサスと組み合わせることで、しなやかな乗り味としっかりとしたフットワークを両立できる。


Z#8リアメンバーの剛性向上により、走行フィールが確実に向上するが、ヘッドライトレベライザーの移植が必要になる点には注意。ただし、基本的にはボルトオンで装着可能だ。
また、リアスタビの取り付け位置の違いにより、ZN8用はマイルド、ZD8用はリジッドな乗り味となる。なお、メンバーカラーを併用することでZN8メンバーもリジッドな感覚に仕上げることができる。新品デフマウントが圧入された状態でパーツ価格は約5万5千円と手頃。リフレッシュにおいて最優先で取り組むべきパートだ。
流用できる進化パーツ群
リヤロワアーム

形状や長さはZ#6と共通だが、ダンパー下部の取り付け位置が1cmほど外側にオフセットされている。この設計によってレバー比が変化し、マイルドな動きが得られるというのが永井さんの見解。
ドライブシャフト

Z#6で頻発していたブーツ破れやケージ割れといったトラブルを解消すべく、Z#8では樹脂ブーツの採用、シャフトとケージの強化が施されている。スプラインの違いによりリアナックルも同時に流用する必要があるが、片側10mmのワイドトレッド化も実現する“おまけ付き”だ。
フロントナックル

剛性強化で重量増となったリヤ周りを補うべく、片側1.3kgの軽量化が可能なZD8のアルミ製フロントナックルを採用。ワイドトレッド化も実現。なお、タイロッドエンド接続部の厚みが異なるため、タイロッドエンドも一緒に流用する必要あり。
トランスミッション

コンディションに不安があるなら、Z#6用より安価で手に入るZ#8用がベスト。シンクロの強化やシフトフィールの改善が施されており、ストリート仕様ならGRクロスミッションでなくても十分。ボルトオンで装着でき、シフトレバーなどもそのまま使える。
プロペラシャフト

Z#6の分割構造に対して、Z#8は一体構造。剛性面は同等ながら、締結部の省略により800gの軽量化を実現している
アンダーカバー

取り付け穴が2ヶ所ほど合わないが、サービスホールカバーや冷却効率の向上したアンダーカバーも流用可能。リア側は不織布仕上げで、騒音対策が施されている。

今回、これらのアップデートメニューを全て投入したZN6前期型のデモカーに試乗したところ、13万km超とは思えない剛性感とリニアなハンドリングを体感できた。誇張抜きで「コンディションの良いZ#6後期型よりも楽しい」と感じるほどの仕上がりだった。
これからZ#6を購入しようと考えているユーザーには、走行距離が多めの前期型をベースに、Z#8純正パーツによるリフレッシュアップデートを加えるスタイルを、ぜひ全力でお勧めしたい。
⚫︎取材協力:オートサービスカンキ 兵庫県加古川市東神吉町神吉16520 TEL:079-431-1449
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