RSワタナベ専務が所有するフルチューンAE86!

走るAE86界の頂点を目指すフルチューンスペック!

言わずと知れたホイールメーカーの老舗“RSワタナベ”の専務を務める渡辺万三志氏。ホイールを通じて出会ったクリスタルボディ横浜の小田代表、そして元D1ドライバーの林渡氏との縁により、AE86の世界に深く魅了されていったという。

今回紹介するのは、まさにその情熱の結晶。林氏がもともと保存用として所有していた極上のAE86を譲り受け、「ホイール紹介用のデモカーを新たに製作したい」という渡辺氏の想いのもと、プロジェクトがスタートした。

テーマは「ドリフトとグリップ、両方で頂点を目指すAE86」。単なるショーカーではなく、走行性能を追求した“走れるデモカー”として製作が進められてきた。

エンジンはRSE製の82φピストンを用いた1752cc仕様、いわゆる“5A-G”。圧縮比は13:1まで高められた。なお、RSEピストンはバルブリセスが小さいため、300度・12.2mmリフトのCBYハイカムはバルブタイミングの都合上使えず、代わりにIN/EXともに296度・12mmリフトのカムを採用。これにより、最終的な出力は196psに落ち着いている。

冷却系にはトラスト製のラジエーターとオイルクーラーを装備。実際に富士スピードウェイでの30分間スポーツ走行でも、安定した温度管理が可能なセッティングとなっている。

燃調と点火時期などの制御はLINKのG4Xフューリーが担当。ミッションはフランスのサデブ製6速シーケンシャルで、パドルシフトで行なうブリッピングなどは、リンクとギヤトロニクスのコンピューターで協調制御をしている。

ステアリングにはパドルシフトを装備し、コラム部にはギアポジションインジケーターも設置。各種情報はAiM製のメーターに集約されており、視認性にも配慮。ボディには軽度のスポット増し補強とロールバーを追加し、剛性アップを図っている。

ホイールには、RSワタナベが現在市販化を目指して開発中のマグネシウム鍛造モデル「R-MG」を装着。アルミよりも軽く、剛性も高いこのホイールは、今回が初の実戦投入となったが、加速・ブレーキ・ハンドリング性能のすべてにおいて著しい向上を実現。従来とまったく同じ仕様ながら、富士スピードウェイで自身のベストタイムを3秒も更新したというから驚きだ。

現時点で、林氏のドライブにより「AE86ドリフトチャンピオンズカップ」で優勝。さらにタイムアタックでは、渡辺氏自身が富士スピードウェイで1分58秒188を記録するなど、コンセプト通りの高い実力を証明してみせた。

●取材協力:レーシングサービスワタナベ TEL:0120-813-562

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