ホイールワンメイクルールでのFDJ2がついにスタート

選手側にもメリットの多いホイール供給体制が完成!

D1GPと並び日本国内におけるドリフト競技のトップカテゴリーとして知られるフォーミュラドリフトジャパン(以下、FDJ)。北米フォーミュラドリフトの日本シリーズという位置付けであるFDJは、JAFの準国内格式として行なわれるD1GPと異なり、独自路線でのレギュレーション・ルールの実践を続けてきた。中でも、ここ数年において急進的なレギュレーション改革が進められてきたのが、FDJの2部カテゴリに当たるFDJ2だ。

根底にあるのはチーム参戦コストの低減という考えだ。マシンの改造制限に関わるFDJとFDJ2との車両規則を統一し、ステップアップの際にも新たな車両を制作せず、FDJ2マシンをそのまま持ち込めるようにした。

だからといって、どのチームもトップカテゴリーであるFDJに焦点を合わせたマシンを作る必要はない。FDJ2においては、265幅以下のアドバンネオバAD09ワンメイクというタイヤ制限を導入することでメカニカルグリップの限界を定め、コスト増大に繋がる過度なチューニングを抑制。ドライバーのスキル重視のイコールコンディション化を目指してきた。

さらに2025年、その一環として新たに導入が始まったのがMIDホイールとの提携によって実現した、MIDレーシングブランドのホイールワンメイク構想だ。

前後に履くホイールの銘柄をMIDホイールに統一することで、運動性能に関わるバネ下重量、エアボリューム変化に関わる条件も均一化。また、タイヤのビード落ちや、追走時のタイヤ同士の接触によって起こり得るトラブルについてもメーカーを統一することで安全面を担保しやすい体制となった。

なによりも、年間エントリーでホイール6本の無償供給が行なわれ、スカラシップ価格での追加オーダーが可能なことは、それまでホイールメーカーのスポンサードのなかったチームにとっては、参戦コスト低減のための措置としても魅力的に映ったに違いない。

R06:チームZERO シルビア(S15) 水野俊彦選手

4月25日に富士スピードウェイ本コースで迎えたFDJ2開幕戦。各チームのマシンはチームやドライバーが好みによって選ぶ様々なMIDレーシングのホイールで彩られていた。前後でしっかりと銘柄を揃え統一感を演出するチーム、交換頻度の高いリヤ用ホイールは銘柄を統一せずに個性を出すチーム、中には供給後の塗装が自由とされたことを受け、チームカラーに合わせた再塗装を施すほどの拘りを持ったチームもあった。

また、審査中にリヤタイヤの動きを伝えやすくするというドリフトならではの考えから、R06を中心としたスポークステッカーを採用するモデルに人気が集まっていたのも特徴のひとつかもしれない。

R06:チームZERO シルビア(S15) 水野俊彦選手

競技で活躍する兄弟ドリフターの弟として頭角を表し、近年ではFDJ2、D1ライツを主戦場に参戦を続けている水野選手。S15シルビアでの参戦体制は変わらないが、今年はオークションZEROをメインスポンサーに車両のカラーリングを一新した。

ホイールは6本スポークの2025最新モデルMIDレーシングR06をチョイス。水野選手は2024年シーズンまでもコンケイブを活かした王道スポーツスタイルのホイールを選んでいたこともあり、今回も引き続きドライバーの好みが反映され採用となった。

R07:日本環境開発RACING with VALINO シルビア(S15) 中村総士郎選手

中学生ドライバーの中村選手が選んだのは、やや細身な7本スポークがスタイリッシュな印象を与えるR07。直線的なコンケイブ、スポークエンドにかけて末広がりによって車体の個性にも負けない迫力を醸し出している。

R25:team VERTEX × TMS RACING シルビア(S15) 水井大揮選手

2大トップチームの看板を背負って今シーズンを戦う水井選手の足元には、ロングセラーモデルのR25が。2×5を均等に配置したレイアウトを採用し、センターパートにアイデンティティともなる個性的な肉抜き加工されているのも特徴。

R26:G-meister HPI RACING with N.E.E.T チェイサー(JZX100) 鈴木憲司選手

FDJ3からのステップアップ初年度となる鈴木選手は、R26のクリスタルブラックを選択。レーシーな2×6スポークにリムのディンプル加工といったメカニカルな雰囲気を加え、軽快感のある機能美が重量級マシンのJZX100の足元を引き立てている。

TR50:LG PROJECT with TMS Racing シルビア(S15) 杉崎先生選手

エントリー名の由来は美容外科医としての経歴からという杉崎先生が履くのは、クラシカルなフラットデザインを採用するTR50。敢えてスポークエンドまでの絞り込みを減らし、モダンなテイストも持ち込んだ星型シルエットがワイドなブリスターフェンダーとマッチ。

本戦ではFDJ3の2024シリーズチャンピオンからのステップアップを果たした江崎台地選手がFDJ2初参戦初優勝。MIDレーシングワンメイク導入初年度を象徴するようなニューカマーが活躍を見せたが、もちろんFDJ2に継続参戦するベテラン勢や、10代から活躍する若手ドライバーも黙っているはずがなく、昨年同様の混戦模様が予想されるFDJ2の今後から目が離せない。

●問い合わせ:マルカサービス TEL:052-398-3406

「6本スポークホイールの新機軸」MIDレーシング『R06』でコンケイブとディープリムを見せつけろ!

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