RB25チューニングを極めろ!
常にアンテナを張り巡らせ進化の糸口を探るアタッカー
父親がスカイラインに乗っていたこともあり、自然とスカイラインに目が向いたという武南さん。速さを求めるならBCNR33という選択もあったが、20歳になったばかりの若者にとっては手が届かず、FRターボのECR33を“楽しく走れて、チューニングも楽しめる”と考えて新車で迎え入れた。

「最初はブーストアップやホイール交換で満足していたんですが、友人に誘われて走り始めた岡山国際サーキットで、DC2インテRにバックストレートで抜かれたんですよ。“2.5Lターボなのに、1.8LのNAより遅いの!?”って、めちゃくちゃショックを受けて……迷わずタービン交換しました(笑)」
当時は「NAに負けたくない」という思いが先行し、ピックアップよりもパワーを重視。エンジン本体はノーマルのまま、T67-25Gタービンを投入した。そこから「もっと速く走るには何が必要か?」を自然に考えるようになり、イジる・走る・考える、を繰り返すことでECR33のパッケージバランスを少しずつ高めていった。

そんな武南さんだが、実は2年ほど愛車と離れていた時期がある。タイムが伸び悩み、充電期間を設けようと考えていたタイミングで、親交のあったOS技研から「OS-FR7の開発車両としてECR33を譲ってほしい」との打診があり、車両を一時売却。しかし、開発終了のタイミングで買い戻すこととなり、再び進化を模索する日々がスタートした。



当初は10年以上使い続けてきた燃料系や点火系のリフレッシュが目的だったが、チューニングの相談で訪れた“リボルバー”で、インジェクターやイグニッションコイルの進化を知り、ECUリセッティングとともにアップデートを決行。レギュレーター、燃料ポンプ、燃料ホースなども含め、システム全体のコンディションアップを図っている。

「ECUやタービン、センサーが進化しているのと同様に、インジェクターやイグニッションコイルも確実に進化しています。もちろん理想はすべて最新パーツに置き換えることですが、インジェクターとコイルをアップデートするだけでも、パワーとフィーリングが格段に向上します。昔の大容量インジェクターは制御しづらかったけど、今はレスポンスも良く、噴射制御もスムーズです」と話すのは、リボルバー代表の今田さん。

一方で、エンジンは以前オーバーホール時に2.7L化。パワーチューンの起点となったT67-25Gタービンは、現在TD06-25Gへと変更済みで、ブースト1.5キロ時に664ps&69kgmを発揮している。

ちなみに、点火性能を強化するイグニッションコイルには様々なアフターパーツが用意されているが、今田さんは高性能かつリーズナブルな天然ガスエンジン用純正イグニッションコイルを採用。強い火花が得られるだけでなく、コイルにエネルギーを貯め込むための点火ドエルも長く設定できるのが特徴だ。

最新フルコンによるフラットシフトや、電スロ化に伴うトラクションコントロールなども構想にはあるが、今回は見送り。あくまでもインジェクター&イグニッションコイルの進化を体感するべく、F-CON Vプロでのリセッティングにとどめた。

足まわりはブッシュの打ち替えまでDIYで対応。今後はパワーアップに伴い、ブレーキバランスやスプリングレートの見直しも視野に入れている。


タイヤはブーストアップ時代からアドバン一筋。現在は前後295サイズを履きこなすため、実車合わせでワイドフェンダー化を実施。ホイールはボルクレーシングTE37の進化版、SAGA SLを装着している。


インテリアはストイックながらも街乗りとサーキットを両立させた仕様だ。運転席にはRECARO RMS2700G、助手席にはBCNR33純正シートを装着する。

なお、OS技研のシーケンシャルミッション「OS-FR7」は、開発車両時代に装着されたもので、パワーバンドを外さず繋がるフィーリングが気に入っているとのこと。純正5速MTに比べてシフト回数は多くなるが、扱いやすさは良好だ。

「今回は最新フルコンの導入は見送りましたが、シーズンオフのテスト走行だけでも明確な性能向上を体感できました。エンジンやタービンに手を加えていないのにトップスピードが伸びたんですよ。アタックシーズンが楽しみです」と、武南さんは充実の表情で語ってくれた。
RBチューンといえばRB26に注目が集まるが、RB25もまだまだ熱い。RB26用パーツの流用も効き、ECR33のように“イジる・走る・考える”を積み重ねていけば、最前線の走りが手に入るのである。
⚫︎取材協力:レーシングファクトリー リボルバー 岡山県岡山市北区高柳東町8-23 TEL:086-364-4495
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