最新アイテム投入で180SXの走りをブラッシュアップ!
大好きな90年台J-POPを楽しむためのオーディオチューンも見どころ!
レース界きってのスポーツカーマニア、松田次生選手。第二世代GT-Rをフルコンプリートしたり、ワイドボディのER34でドリフトを楽しむなど、“RBエンジン好き”の印象が強いが、実はSR20DETを搭載する180SXも所有している。

「これまでS15シルビアを2台乗り継いできましたが、SR搭載車にはスカイラインとはまた違った軽快感があって、ライトウエイトスポーツとしての楽しさがあります。スタイル面でもリトラクタブルヘッドライトの流線的なデザインに惹かれて、2年前にこの180SXを中古で手に入れました」と語る松田選手。
購入当初は、爆音マフラーやロールケージが組まれたハードな仕様だったが、そこから“落ち着きあるストリート仕様”へとリメイク。目指したのは、“大人の走り屋”というスタイルだった。

エクステリアは後期型純正のサイドステップとリヤウイングのみで構成。これは、後付け感の強いエアロを避け、180SX本来のスタイルを活かしたスポーティな雰囲気を保つためだ。

タイヤ&ホイールは、見た目や乗り心地とのバランスを考え17インチをチョイス。18インチよりも厚みのあるサイドウォールがエアロレスでも自然に見えるうえ、ストリート走行時のクリアランスにも配慮された実用的な選択だ。

17インチで確保した乗り心地は、走行シーンに応じて引き締めるフレキシブルなフットワークとするために、足回りにはテインのモノレーシングとEDFC5でセットアップしている。

さらにシートは、ブリッドとのコラボによる「ストラディアⅡ」を採用。ホールド性と共に、レッドステッチの効いたシートデザインがインテリア全体を上質に引き締めている。

松田選手が拘った大人の走り屋らしさと快適性は、乗り心地やスタイリングだけに留まらない。あまりにも違和感なくインストールされていることから見逃してしまいがちだが、インテリアをチェックしていくとオーディオ類はカロッツェリアの最新モデルを駆使した構成となっているのだ。
「購入した180SXにはカーナビやCDチェンジャーが装着されていましたが、どちらも99年製と古かったこともあり、ナビは動かないし音もイマイチ。そこで、レース活動でお付き合いのあるカロッツェリアさんに相談して、スマホ連動で多彩な使い方ができるディスプレイオーディオを中心とした最新システムにアップグレードしました。普段聞いている90年代の邦楽と、180SXに合わせてサウンドチューニングしてもらったので、まるでスタジオで音楽を楽しんでいるような快適ドライブが楽しめる一台に仕上がりましたね」。
シフト操作時の邪魔にならないことを重視してモニターサイズに拘ったヘッドユニットは、アップルカープレイが活用できるディスプレイオーディオのカロッツェリア『DMH-SZ500(6.8型ワイド)』をチョイス。iPhoneをBluetoothで接続ができ、お気に入りの音楽再生やナビゲーションが楽しめる。


スピーカーは、ハイレゾ対応の17cmセパレート2ウェイ「TS-C1740S」。ドア内側にはウーファーをインナーバッフルでしっかりとマウント、ツィーターはダッシュボード上に設置され、中高音域のクリアさを向上。サブウーファーは使わずとも、十分な低音を確保している。


また、むき出しだったラゲッジスペースにはカーペットや専用ボードを設置し、そこに3ウェイボックススピーカー「TS-X170」を搭載。派手なイルミネーションはあえて装備せず、シンプルながらもリヤから力強く響くサウンドを実現している。スピーカーの配線はコネクター式となっていて、取り外しも容易。荷物を積みたい時でも使い勝手は抜群だ。

ちなみに、最新オーディオ投入の恩恵はサウンドのみならず、180SXの走りの魅力を引き出す軽量化にも結びついたそう。正確な重量比較までは行なっていないが、90年代の設計となるカーナビやスピーカーは想像以上に重く、最新設計で軽量なオーディオシステムに変えたことで20kg近くの軽量化が果たせたとのことだった。

つい“イジった感”を演出したくなるチューニングやドレスアップだが、長く愛せるクルマ作りを目指すなら、こうした“引き算の美学”にこそ価値がある。オリジナル回帰のトレンドが進む今、松田選手の180SXはひとつの理想像と言えるだろう。
PHOTO:南井浩孝/REPORT:村田純也



