懐深きセットアップが魅せる!

600馬力を誰でも楽しめるハイレベルパッケージ!
軽量コンパクトな2ドアボディに、直列5気筒ターボ&フルタイム4WDというレイアウト。アウディTT RSが持つ高いポテンシャルに注目し、群馬県の“ジェイファクトリー”が「チューニングカーらしい気持ち良い加速」と「ステージを選ばない速さ」をテーマに仕立てたのが、今回の1台である。


エンジン本体はノーマル。TTE700タービンやインテーク、インタークーラーといった補機類はAPR製で統一。インジェクターも980ccの大容量タイプに変更し、制御はAPRのECUチューニングプログラム(ステージ3)で最適化。さらにirom製マフラーによって抜けとチューンドらしいサウンドを両立。600ps&72.3kgmというパワースペックを誇る。

足まわりは、ストリートからサーキットまであらゆるシーンで安定した性能を発揮すべく、VERKLINE製の前後サブフレーム&フルピロアームを投入。メンバー剛性の大幅アップと共に、サスペンションジオメトリーを攻めの方向に補正。車高調は、オーナーの希望でオーリンズ製をチョイス。ダンパーの素性の良さとシャシー側の剛性アップが相まって、非常にしなやかな乗り味と高次元の接地感を実現している。

ホイールはボルクレーシングTE37 SAGA S-PLUS(10Jプラス40)で、タイヤはアドバンネオバAD09(255/40−18)を履く。ブレーキはフロントにエンドレス製キャリパーを投入し、600psに耐えうる制動力を確保している。


ミッションは純正のDSG(7AT)で、ミッションの制御はAPRのTCUを採用。クラッチの圧着力や、シフトスピードの向上を図る。シートはブリッドのXEROをセット。ロールケージはジェイファクトリーにて製作されたアイテムだ。

フロント・サイド・リヤのアンダーエアロとGTウイングは、ジェイファクトリーが代理店を務める英国オートモーティブパッション製。いずれもドライカーボン製で、高い空力性能と軽さ、そして質感を兼ね備えている。

今回試乗を担当したのは、元GTドライバーでおなじみの飯田章選手。「いい意味で600馬力以上のパワー感を感じるけど、それでいて安定感もある。危なっかしさがなくて、楽しいし速い車だね。あくまでサーキットが前提のクルマ作りがなされているけど、懐が深い故に今回みたいな峠コースにもマッチするハイレベルな一台だったよ」と語ってくれた。

ド派手なエアロもなければ、ピュアレーサー的なピーキーさもない。ただ、すべての操作に応えてくれる“速くて楽しい”という一点において、これほど完成されたチューニングカーはそう多くない。懐深きハイパフォーマンスカー、これがジェイファクトリー流TT RSチューニングの最前線だ。
●取材協力:ジェイファクトリー 群馬県みどり市笠懸町阿左美972-1 TEL:0277-77-0588
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ジェイファクトリー
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