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先進技術を満載の3代目プレリュードで人気は最高潮に

1987(昭和62)年4月10日、ホンダの3代目「プレリュード」がデビュー。プレリュードは、ホンダ初のFFスペシャリティクーペ。大ヒットした2代目に続いた3代目は、さらにその魅力に磨きをかけ、デート時に好まれる“デートカー”の象徴的存在となったのだ。

3代目プレリュード
1987年にデビューした3代目「プレリュード」。2代目のキープコンセプトながら世界初の4WSを採用するなどブラッシュアップ

ホンダ初のスペシャリティカーとして誕生したプレリュード

1970年代後半、CVCCエンジンを中心とした低公害技術で他社に先行したホンダは、「シビック」と「アコード」が日米で好調な販売を記録した。ホンダが次に目指したのは、若者をターゲットにしたスペシャリティカーであり、その期待を背負って1978年に登場したのが、初代「プレリュード」だ。

初代「プレリュード」
1978年に誕生した初代「プレリュード」。スペシャリティカーにしてはやや地味なスタイリング

初代プレリュードは、直線基調のワイド&ローのオーソドックスなクーペスタイルだが、雰囲気的には落ち着いた大人向きだった。パワートレインは、アコード1800と共通のCVCCを組み込んだ1.8L直4 SOHCエンジンと、5速MTおよびホンダマチックATの組み合わせ。駆動方式はFFながら、ホンダらしく優れた走行安定性と操縦安定性が実現されていた。

スペシャリティカーとして登場したプレリュードだったが、スタイリングが地味だったため、FRのトヨタ「セリカ」や日産「シルビア」のようなスタイリッシュさやダイナミックさに欠け、日本での販売は期待されたほど伸びず、むしろ米国で評価された。

ワイド&ローのスポーティなフォルムで大ヒットした2代目

プレリュードは、1982年に初のモデルチェンジで2代目に移行。2代目は、初代のコンセプトを継承しつつも、若者向けにスポーティに仕上げられた。
リトラクタブルヘッドライトによってノーズを下げ、全高が1300mmを下回る超ワイド&ローのスポーティなスタイリングを採用。パワートレインは、1.8L直4 SOHCのCVCCエンジンと、5速MTおよび4速ATの組み合わせ、駆動方式は、FRが主流の時代に初代同様、先進的なFFで勝負した。

2代目「プレリュード」
1982年にデビューした2代目「プレリュード」。ワイド&ローのスタイリッシュなフォルムで大ヒット

スタイリッシュでエレガントなスタイリングとインテリアに、ホンダ自慢のハイテクを組み込んだ2代目プレリュードは、若者層を中心に幅広いユーザーから支持を獲得。販売目標台数を大幅に上回り、大ヒットモデルとなった。

4WSなど先進技術を採用しデートカーの代名詞となった3代目

3代目プレリュードは、デートカーの元祖と呼ばれて大ヒットした2代目の後を継いで1987年にデビュー。人気のワイド&ローのスタイリングとリトラクタブルを継承しながらも、さらに最新技術を纏いブラッシュアップされた。

3代目プレリュード
HONDA3代目プレリュード

なかでも最大のアピールポイントは、世界初を謳った4WS(4輪操舵)だ。ステリングの角度0~230度の状態で同位相、230度以上では逆位相に後輪が転舵し、安定性と最小回転の縮小を実現。また2.0L直4 DOHC 16Vエンジンには、電子制御燃料噴射式、可変式デュアルポート・インテークマニホールドを採用するなど、エンジンも最新技術満載だった。

3代目「プレリュード」
3代目「プレリュード」のリアビュー。ハイデッキダックテールが特徴

大ヒットした2代目プレリュードに磨きをかけた3代目は、148.5万~214.5万円で販売。ちなみに、当時の大卒初任給は15.2万円程度(現在は、約23万円)で、単純計算では現在の価値で225万~325万円に相当する。比較的リーズナブルな価格設定もあり、2代目を凌ぐ人気を獲得した3代目は、バブル時代に生まれたデートカーを象徴するクルマとなったのだ。

プレリュードとともにデートカーの代表的なクルマと言えば、トヨタ「ソアラ」、日産「シルビア」がある。ソアラは高級感、シルビアはFRらしい走り、そしてプレリュードは華麗なスタイリングが特徴。この3台に乗れば無条件にモテた時代だった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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