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今日は何の日?

贅沢な装備で高級化を追求したコンパクトカーが「ベリーサ」

2004年(平成16)年4月28日、マツダは新型コンパクトカー「ベリーサ」を発表、発売は6月28日から始まった。ベリーサは、“シンプル・クオリティ・コンパクト”をキャッチフレーズに、高い質感にこだわりコンパクトカーながら高級さを追求した異色のコンパクトカーだ。

マツダ・ベリーサ
2004年に誕生した「ベリーサ」。コンパクトカーながら高級さをアピール

ベリーサのベースとなった2代目デミオ

2代目デミオは、マツダの経営危機を救った1996年に誕生した初代の後を継ぎ、2002年にデビューした新しいブランドメッセージ“Zoom-Zoom”の象徴と位置付けられたコンパクトカー。“Zoom-Zoom”は、走る喜びを追求したマツダらしいクルマづくりを目指すという企業メッセージ。

2代目「デミオ(Sport)」
2002年にデビューした2代目「デミオ(Sport)」

2代目デミオは、初代のキープコンセプトだったが、パワートレインやサスペンション、ブレーキなどすべてを一新。ボクシーながらエッジを丸めたソフトなフォルムとし、シート間隔を拡大したゆとりある室内空間と上質の走りがアピールポイントだった。
パワートレインは、新開発の1.3L&1.5L直4 DOHCエンジンと4速ATおよび5速MTの組み合わせ、駆動方式は当初FFのみだったが、途中から4WDも追加された。2代目デミオも初代に続いて好調に滑り出し、堅調な販売を続けた。

高級感を演出した異色のコンパクトカー「ベリーサ」

ベリーサは、“シック・クオリティ・コンパクト”をキャッチフレーズに、小さな高級車というフレコミで登場した。
当時のコンパクトカーの主役は、ホンダ「フィット」やトヨタ「ヴィッツ」、スズキ「スイフト」であり、それらは軽快な走りと広い室内空間が特徴だったが、ベリーサはそれらの人気モデルとは一線を画して、上級セダン「アテンザ」の部品を流用するなどして、質感や上級感をアピールしたのだ。

ベリーサのインテリア
コンパクトカーながら上級車並みのインテリア「ベリーサ」

ベリーサのターゲットは、デミオに比べると年齢層が高く、50歳代の夫婦までカバーできるように仕上げられた。スポーティな走りが特徴のデミオに対して、ベリーサはボディ剛性を高め、モンロー製のショックアブソーバーを採用し、上質な乗り心地を実現した。

ベリーサのインテリア
コンパクトカーながら余裕の室内空間を確保した「ベリーサ」

エンジンは、2代目デミオと同じ1.5L直4 DOHCエンジンで、トランスミッションは4速ATのみ。駆動方式は基本FFだが、デミオで追加された後輪をモーターで駆動する電気式4WD“e-4WD”も設定された。e-4WDは、滑りやすい路面の発進時には、専用ジェネレーターで発電した電気で後輪をモーターで駆動させるシステム。
異色のコンパクトカーとして一石を投じたベリーサだが、期待したほど販売は伸びず、12年間デザインを変えることなく2015年に生産を終えた。

ユニークな高級コンパクトカーのコンセプトも市場では浸透せず

ベリーサは、小さな高級車に相応し上級かつ贅沢な装備を搭載。例えば、上級セダン・アテンザ用シートやカードキー、HDDミュージックサーバー、オプション設定で本革シートを用意するなど、他のコンパクトカーとは比べ物にならない、上質さを追求した。

マツダ・ベリーサ
マツダ・ベリーサ

これにより、販売価格は1.5LデミオのFF標準仕様121万円に対して、ベリーサは同仕様で153.3万円とデミオに対して車両価格を30万円ほど高額に設定。ベリーサの販売が期待ほど伸びなかったのは、所詮コンパクトカーなのでこの価格差をユーザーが許容できなかったのだ。

ベリーサは、コンパクトカーの常識を打ち破るチャレンジングなクルマだった。しかし、当時のコンパクトカーに求められていたのは、手頃な価格で室内が広く扱いやすいクルマ、その時流に跳ね返されたのだろう。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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