ディテール解説

前方の状況に睨みを効かすレーダーユニットがフロントマスクの中央にセットされている。

WP製セミアクティブテクノロジー採用のフロントフォークはφ48mmの倒立式。ボトムにラジアルマウントされた油圧キャリパーはブレンボ製の対向4ピストン。フローティングマウントされたダブルディスクローターのサイズはφ320mm。

160hpの最高出力を発揮。ツインプラグ点火方式が採用された水冷VツインのLC8エンジンはフレームにリジッドマウントされている。

新設計の右アップマフラーはステンレス鋼製。三つのO2センサーと二つの触媒コンバーターが組み合わされ、緻密な空燃比制御と排出ガスの浄化が成されている。

ホワイトのコイルスプリングが印象的なモノショックは、WP製の新世代SAT(セミ・アクティブリアショック・テクノロジー)を搭載。可変式の減衰機構を持ち電子制御される。

装着タイヤはチェコのagridirect製MitasのTERRA FORCE-R。ブレーキはフローティングマウントされたφ267mmのディスクにブレンボ製2ピストン油圧キャリパーが採用されている。

ブラックアウトされたハンドルバーは、高強度アルミ製テーパードタイプ。空力特性が追求されたヘビーデューティなハンドガードが標準装備されている。クリアのウインドシールドは簡単な手動(ダイヤル)操作で高低差55mm(9段階)の高さ調節ができる。給油口の前方に防雨構造のスマホ収納ポケットが装備されている。

それぞれ適度な大きさのスイッチが並ぶ。透過光式照明付きなので、夜間でも見やすい。下から順にクルーズコントロール用+RES(裏側に−SET)とホーン、その上がウインカー。十字キーと左上がメニューと戻しボタン。右上がアダプティブクルーズコントロール、向こう側に人差し指で扱うディマー&パッシングスイッチがある。
赤とグレーと白で色分けされたハンドル右側のコンビネーションスイッチ、上の赤がハザード、グレーがイグニッションスイッチ、KTMでは“レースオンキー”と呼ばれている。下の赤白がエンジンキルスイッチと始動雨用スターター。右上には人差し指で扱うカスタムスイッチがあり、好みで設定できる2種のメニューにクイックアクセスできる。

様々な多くの表示を担うフルカラーTFT液晶の7インチディスプレイを採用したコンビネーションインストルメント。ナイトモードでは暗転表示に自動切り替えされる。大きな警告灯デザイン(写真の黄色表示部分)が特徴的。

段付きシートは前後セパレートタイプ。前シートは、20mm差の高低2ポジションが選択可能。
スマートキーに対応し、左脇のボタンをワンプッシュするだけでシートロックが解錠される。

テールもウインカーもクリアレンズで仕上げられたリヤビュー。ストップランプも含めて光源はLED式である。

主要諸元

車名:KTM・1290 SUUPER ADVENTURE S
軸距(mm):1,557
最低地上高(mm):223
シート高(mm):849-869
車両重量(kg):227(半乾燥)
乾燥重量(kg):220
乗車定員(人):2
燃料消費率(L/100km):5.7(17.5km/L)

エンジン種類:水冷4ストローク75度V型2気筒
動弁形式:DOHC4バルブ、チェーン駆動
総排気量(㎤):1,301
内径×行程(mm):108×71
圧縮比:13.1:1
最高出力(kW[hp]/rpm):118[160]/9,000
最大トルク(N・m /rpm):138 /6,500
始動方式:セルフ式
バッテリー:YTZ14S (MF 12V 11.2Ah)
燃料供給装置形式:Keihin製電子制御燃料噴射式
点火装置形式:非接触制御電子式点火(ツインプラグ式)
燃料タンク容量(L):23.0(含む予備5L)
潤滑方式:ドライサンプ(3ポンプ式)
潤滑油量(L):3.6

クラッチ形式:湿式多板式(油圧操作式パワーアシストスリッパークラッチ)
変速機形式:常時噛合式6速
変速比:
 1速 : 2.917 (12:35)
 2速 : 2.133 (15:32)
 3速 : 1.667 (18:30)
 4速 : 1.350 (20:27)
 5速 : 1.125 (24:27)
 6速 : 0.914 (35:32)
1次減速比 : 1.900 (40:76)
2次減速比 : 2.471 (17:42)

キャスター角(度):24.7°
タイヤ(前/後):120/70ZR-19 M/C 60W TL/ 170/60ZR-17 MC 72W TL
ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク / 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式 / スイングアーム式
サスペンションストローク(前/後mm):200/200
フレーム形式:クロムモリブデン鋼管製トレリスフレーム。パウダーコート塗装

試乗後の一言!

ダイナミックなポテンシャルを秘めて走る雄大な乗り味が快適。

ホンダVFR800Xは欲張りすぎる|V4エンジンのアドベンチャーはツーリングも林道もスポーツランもイケる逸材だ

VFR800FをベースにしたアドベンチャーモデルがVFR800X (RC80型)だ。外装のほか、主に足周りが大幅に変更されていて、オフでの走破性が向上されている。以前試乗したVFR800Fとの違いを比べながら、「X」独自の使い勝手やパフォーマンスをチェックしていこう! REPORT:川越 憲(KAWAGOE Ken) PHOTO・EDIT:佐藤恭央(SATO Yasuo) ※2020年4月27日に掲載した記事を再編集したものです。 価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

https://motor-fan.jp/bikes/article/24287/
【免許は普通二輪AT】アドベンチャースタイルのBMW・C400X、アグレッシブに走れるスクーターです。

普通二輪AT限定免許でも乗れるBMW、それがスクータータイプのC400XとC400GTだ。2021年モデルで揃ってマイナーチェンジを実施し、細部の改良によって排ガス規制ユーロ5をクリア。今年7月から日本でも販売がスタートしている。今回試乗したのはアーバンモビリティを積極的に楽しめるというC400X。果たしてそのパフォーマンスは? REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke) 取材協力●ビー・エム・ダブリュー株式会社(https://www.bmw-motorrad.jp/ja/home.html#/filter-all)

https://motor-fan.jp/bikes/article/19369/