業界人コラム 水しぶきをあげて水中へダイブ! 島嶼奪回の先陣を切る水陸両用車「AAV7」の能力とは?【写真・13枚目】 勢いよく水面にダイブする陸上自衛隊の水陸両用車AAV7。水面に大きな水しぶきがあがる。崎辺分屯地は、佐世保湾に突き出した崎辺半島の南端にあり、写真の巨大水槽や地上走行訓練場、整備場など、AAV7に関するさまざまな設備が設けられている(写真/筆者) AAV7人員輸送型(P型)。銃塔に12.7mm機関銃と40mm擲弾発射機を備えている。乗員は安全のため装甲帽(ヘルメット)を被り、浮帯(膨張式のフローティングベスト)を着用する。また、水面は太陽の反射が激しいためアイウェアを使う隊員も多い(写真/筆者) AAV7の上面には3つのハッチがある。車体右側、銃塔の上が車長席、車体左側前方が操縦手席。操縦手席の後方はタスクコマンダー席と呼ばれ、乗車した普通科部隊の分隊長や小隊長が周囲を確認するために使用する(写真/筆者) アメリカ海軍揚陸艦のウェルデッキ。日本では輸送艦「おおすみ」級がこの能力を持つ。注水して船を出入りさせることができるが、AAV7のような水陸両用車は後部ランプから直接海面にダイブすることもできる(写真/アメリカ海軍) ゆっくりと水槽に入っていく「ウェットウェル発進」(写真/筆者) 日米共同訓練において、アメリカ揚陸艦のウェルデッキから海面へとスプラッシュ発進する戦闘上陸大隊のAAV7(写真/アメリカ海軍) 大規模防災訓練「南海レスキュー」では、AAV7が海岸に上陸して救援物資を陸揚げした。陸路が寸断された状況で、海から孤立集落に人員・物資を送り込むことが期待されている(写真/水陸機動団提供) 陸上自衛隊が2018年より正式に導入した水陸両用車「AAV7」。陸上自衛隊では過去にない種類の車両だが、乗員は機甲科隊員、つまり戦車隊員が充てられた。履帯式車両であることは変わらないが、能力や運用など違いに戸惑うこともあるようだ(写真/筆者) 戦闘上陸大隊長 佐藤誠一郎 2等陸佐。機甲科隊員として、水陸両用車を扱うことについて、お話を伺った。 日米共同訓練でカリフォルニアの海岸に上陸した戦闘上陸大隊のAAV7。武装は銃塔に固定された12.7mm機関銃と40mm擲弾銃であり、相手にできるのは人員か非装甲の車両に限られる。機甲科隊員としては、心許ないようだ(写真/アメリカ海兵隊) 海上を進む戦闘上陸大隊のAAV7。ウォータージェット推進により航行するが、最大でも13km/hと決して高速とは言えない(写真/アメリカ海軍) 防衛装備庁が開発中の国産水陸両用車のイメージCG。水上高速性など、既存の水陸両用車両を大きく上回る能力を持ち、また無人運用能力も備えるようだ(イラスト/防衛装備庁資料より) 2021年、アメリカ海軍の補助施設として用いられていた崎辺半島突端の地区(12.9ヘクタール)が日本に返還された。防衛省は崎辺分屯地とも隣接するこの土地に岸壁や弾薬整備場などを建設する(画像/佐世保市資料より) この画像の記事を読む