3ナンバーボディに最新装備をフル搭載した4代目「トヨタ・ノア」【最新ミニバン 車種別解説 TOYOTA NOAH】

居住性と荷室の使い勝手は◎ 走行性能や静粛性はHV優勢

国産ファミリーミニバン定番の1台、トヨタ・ノアの4代目は想像をはるかに超えた内容でデビュー。TNGA-Cプラットフォームを新たに用い、全幅1730㎜の3ナンバーサイズとなったエクステリアデザインの上質感の高さ、スタイリッシュさはもちろん、装備や室内空間の快適性、使い勝手を向上させ、さらに一新したHVシステムを搭載。

エクステリア

先代の弱点だった先進運転支援機能は最新のトヨタセーフティセンスを採用し、限定的ハンズオフドライブやプロアクティブドライビングアシストをフル搭載。デビュー当時、ライバルを青ざめさせたほどだった。パワートレインは2.0ℓダイナミックフォースエンジン、170PS／202Nmユニットに10速シーケンシャルシフトマチックを組み合わせたガソリン車と1.8ℓエンジンに2モーターを組み合わせたWLTCモード燃費最高23.4㎞/ℓを誇るHVを用意。HVの4WD＝E-Fourは後輪のトルクが増し、その作動域を高めたことで雪道や雨天での坂道発進が一段と容易になった。

居住性

運転席に座れば極細Aピラーと大型三角窓、すっきりとしたインパネデザインによって、前方および斜め前方の視界は極めて良い。上半身を包み込むシートの掛け心地の良さとともに、座った瞬間から運転のしやすさを実感できる。最大10.5インチの大画面モニターも4代目らしさ。2列目キャプテンシートは745㎜のストレート超ロングスライドを採用。先代と違い、2列目席を中寄せせずにロングスライド、テーブルの使用が可能で、シートの掛け心地もシートバック高が前席並みに高められ、前席同様の快適さを実現。シート振動の抑え込みも確認できた。

インストルメントパネル

特等席の2列目キャプテンシートに身長172㎝の筆者のドラポジ基準で座れば頭上に260㎜、膝まわりに最大600㎜ものスペースがあり、ミニバンらしい高めで爽快な居住性に大満足できる。3列目席はさすがにアルファードほどの広さは望めず、座面長が短く、フロアから座面までの高さが低めなのが難点か（着座性と立ち上がり性に影響）。一方、荷室の使い勝手は文句なし。バックドア開閉スイッチがサイドに移され、3列目席の格納もワンアクションで行なえるから実に便利だ。

居住性

HVの最上級グレードとなる「Ｓ―Ｚ」（FF）を走らせれば、出足はもちろんモーター走行。静かに、スムーズに発進。モーターパワーは力強く、車内の静粛性の高さもなかなかだ（2列目席が最も静か）。動力性能の余裕もたっぷり。EV走行を粘り強く行ない、車速のコントロールがしやすく、視界の良さもあって狭い道での扱いやすさに優れる。カーブや山道では背高ミニバンにありがちな重心の高さを感じにくい走りを披露。

うれしい装備

月間販売台数　　　　　　5930台（24年5月～10月平均値）
現行型発表　　　　　　　22年1月
WLTCモード燃費　　　　　23.4 ㎞/ℓ※「HYBRID X」のFF車

ラゲッジシート

ただし、エンジンを高回転まで回すと静かでスムーズな走りから一転、エンジンノイズの騒々しさが気になる場面もある（ライバルに比べ）。ガソリン車もスムーズに走り、車内の静かさともに優秀。得意な高速走行ではHVより速く、燃費性能もHVに肉薄する。

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