フォーカスするのは「人」と「場」づくり、トヨタは最強のサポーター

2025年2月25日、一般社団法人日本文化・エンターテインメント産業振興協会(CEIPA)とトヨタグループは、日本の音楽業界のグローバル化と持続的成長を支援する共同プロジェクト「MUSIC WAY PROJECT」の開始を発表した。このプロジェクトは、「日本の音楽が世界を駆動する」をスローガンに掲げ、若い音楽家たちが国際的に活躍できる道筋を作ることを目的としている。

CEIPAは、一般社団法人日本レコード協会、日本音楽事業者協会、一般社団法人日本音楽制作者連盟、一般社団法人音楽出版社協会、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会の5つの主要音楽団体が組織の枠を超えて設立した団体である。一方、トヨタグループは、自動車産業を中心に世界中で多岐にわたる事業を展開しており、今回のプロジェクトでグローバルな強みを活かして音楽業界と新たな連携を図る。

日本のコンテンツ産業は約5.8兆円と、半導体や鉄鋼などと並ぶ大きな産業だ。今後の世界への進出が期待される。

新型コロナウイルスの蔓延やストリーミングビジネスの台頭により、エンターテインメントコンテンツ市場は拡大し、日本文化への国際的な関心も高まっている。このような背景の中、CEIPAとトヨタグループは、日本の音楽が世界中の人々を魅了し続けるための基盤を築くべく、「MUSIC WAY PROJECT」を立ち上げた。

プロジェクトの主な活動は、次の2つの柱から成り立っている。

1.次世代の人材育成(人づくり)
学生向けセミナー:日本の大学と連携し、学生を対象としたコースを提供する。
プロフェッショナル向けセミナー:若手業界関係者向けのオンラインコースを実施する。
Co-Write Global CAMP:世界中のクリエイターが参加する共同作曲キャンプを開催する。

2.グローバルショーケースの創出(場づくり)
海外拠点の強化:アメリカ(ロサンゼルス)、ヨーロッパ(ロンドン)、アジア(タイ)の3拠点を設け、日本人アーティストの活動を支援する。
GLOBAL SHOWCASE LIVE:アジア、ヨーロッパ、アメリカでショーケースステージを展開し、活動の足掛かりとネットワークを強化する。

2025年3月には米国ロサンゼルスで「Matsuri ’25: Japanese Music Experience Los Angeles」を開催する。

具体的なイベントとして、2025年3月には、アメリカ・ロサンゼルスでの「Matsuri ’25: Japanese Music Experience Los Angeles」などが計画されている。Ado、新しい学校のリーダーズ、YOASOBIなど日本を代表する豪華なアーティストの登場が決定している。さらに2025年秋に開業予定の「TOYOTA ARENA TOKYO」を活用したライブパフォーマンスや、トヨタグループの海外拠点と連携し、グローバルな活動のための関係構築をサポートする予定だ。

クルマも音楽もストーリーがあってエモーショナルな存在

トヨタグループ 豊田章男氏(左)、文化庁 都倉俊一長官(中)、CEIPA理事長 村松俊亮氏(右)の3名が日本のエンターテイメントの未来について熱く語った。

CEIPAの理事長である村松俊亮氏は、記者会見で次のように述べている。「CEIPAは、日本のエンターテインメント産業の拡大と国際的なプロモーションを目的に設立されました。日本の音楽の未来を切り拓く若者たちが国境を越えてつながる道を整備したいと考えています。

このビジョンを共有し、力を貸してくださる最強のサポーターがトヨタグループであり、会長である豊田章男氏です。世界中にネットワークのあるトヨタさんとタッグを組んで、世界に挑戦しやすい環境を構築していきたい」

クルマづくりも音楽から学ぶものはある。と語った豊田章男氏。

トヨタグループを代表して、豊田章男氏は次のようにコメントしている。「トヨタ自動車の社長時代、私の原動力は日本への愛でした。日本が世界に求められる国であり続けてほしいと願っています。日本のエンターテインメントが世界で戦おうとしていると知り、心から応援したいと思いました。

音楽とクルマ、ドライブというのは親和性が高いと考えています。そして、トヨタのクルマには物語(ストーリー)があり、音楽にも物語があります。さらに興味深いのは、運転する人や音楽を聴く人それぞれに物語があることです。私たちは車をもっと感情的(エモーショナル)なものにしたいと考えており、トヨタは音楽から多くを学ぶべきだと感じています。

私はいままで、トヨタのマスタードライバーとして様々なクルマに乗り、クルマと対話してきました。そのなかでクルマを音や振動を感じ取るために音楽を流さないことが多かったが、これからは音楽を流しながら運転してみようと思います。つい先日、音楽ストリーミングサービスのアプリをダウンロードしたので、日本のトップヒットを聴きながらドライブをしてみたいと思います」

2025年5月に京都で音楽関係者5,000名以上の投票で決定する音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」が開催される。

また、CEIPAは2025年5月に京都で、音楽関係者5,000名以上の投票で決定する音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」を開催する予定であり、トヨタグループもこのイベントのスポンサーとして参加する。この賞は、日本やアジアの音楽を世界に発信し、日本の音楽文化の国際的な評価を高めることを目的としている。

「MUSIC WAY PROJECT」は、日本の音楽業界の新たな可能性を切り拓く試みであり、若い才能が世界で活躍するための重要なステップとなるだろう。CEIPAとトヨタグループの協力により、日本の音楽が世界中でさらに輝きを放つことが期待される。