ホンダWR-Vはインド生産モデルながら、この自動車価格高騰の中にあって車格に対して200万円台前半の価格設定とスタイリッシュなデザインのコンパクトSUVとして発売直後から人気を博した。
発売直後は1ヶ月で1万3000台を受注。目標月販台数の3000台を大きく上回った。その後も販売は好調に推移し、2025年1月までの11ヶ月で約3万3000台を販売している。

ホンダの新型SUV「WR-V」が発売から1カ月で約1万3000台を受注!「Z」グレードとプラチナホワイト・パールが人気!!

ホンダはこのほど、3月22日に発売した新型SUV「WR-V(ダブリューアールブイ)」の累計受注台数が、発売から約1カ月後となる4月22日時点で約1万3000台におよび、月間販売計画(3000台/月)の4倍以上となる好調な立ち上がりとなったことを発表した。

そのWR-Vが発売から1年で改良モデルと特別仕様車を発表。はたして、その改良点とは?特別仕様の内容は?詳細にチェックしていこう。

上位グレード「Z+」はブラウン内装で上質感アップ

今回の改良の目玉となるのがインテリアの上質さアップだ。上位グレードである「Z」と「Z+」ではインストゥルメントパネルの下部とリヤドアにソフトパッドを追加。さらに「Z+」にはブラウンのフルプライムスムースシートを採用することで、インテリアの上質感と乗り心地を高めている。

「Z」メテオロイドグレー・メタリック
「Z+」イルミナスレッド・メタリック
「Z」コックピットまわり
「Z+」コックピットまわり

「Z」と「Z+」の違いはフルプライムレスシートの他に、フロントグリル、サイドウインドウモールディング、ドアハンドル、ドアロワガーニッシュ、ルーフレールが挙げられるが、これらは従来モデルと同様だ。

「Z」コックピット
「Z+」コックピット
「Z」フロントシート(プライムスムース×ファブリック)
「Z+」フロントシート(フルプライムスムース)
「Z」リヤシート(プライムスムース×ファブリック)
「Z+」リヤシート(フルプライムスムース)
「Z+」のブラウン内装はドアトリムにもあしらわれ、室内の上質感を高めている。
「Z」フロントグリル
「Z+」ベルリナブラック・フロントグリル
「Z」ドアモールディング
「Z+」シルバー・ドアモールディング
「Z」カラードアウタードアハンドル
「Z+」クロームメッキアウタードアハンドル
「Z」ドアロワガーニッシュ
「Z+」シャープシルバー塗装ドアロワガーニッシュ
「Z」ルーフレールレス
「Z+」シャープシルバー塗装ルーフレールガーニッシュ

「Z」「Z+」に設定される特別仕様車「BLACK STYLE」

「Z+BLACK STYLE」(オブシタンブルー・パール)

そして今回の目玉となるのか特別仕様車「BLACK STYLE」。エクステリアとインテリアにブラック基調のパーツを配して洗練された力強さを演出している。
外観ではシャークフィンアンテナやドアハンドルをブラックアウト。インテリアではステッチ類をブラックとした他、エアコンまわりをピアノブラックとしている。

「Z+BLACK STYLE」(オブシタンブルー・パール)
「Z+BLACK STYLE」(オブシタンブルー・パール)
「Z+BLACK STYLE」(オブシタンブルー・パール)
「Z+BLACK STYLE」(オブシタンブルー・パール)

「BLACK STYLE」の専用エクステリアは以下のとおり。
・アウタードアハンドル(クリスタルブラック・パール)
・シャークフィンアンテナ(クリスタルブラック・パール)
・17インチアルミホリール(ベルリナブラック)+ブラックホイールナット
・電動格納式リモコンドアミラー(クリスタルブラック・パール)

アウタードアハンドル(クリスタルブラック・パール)
シャークフィンアンテナ(クリスタルブラック・パール)
17インチアルミホリール(ベルリナブラック)+ブラックホイールナット
電動格納式リモコンドアミラー(クリスタルブラック・パール)

また、インテリアは以下の部分が専用となっている。
・コンビシート(プライムスムース×ファブリック/ブラックステッチ)
・本革巻ステアリングホイール(ブラックステッチ)
・ピアノブラック調ステアリングガーニッシュ
・ピアノブラック調ドアライニングガーニッシュ(フロント/リヤ)
・ピアノブラック調エアコンアウトレットガーニッシュ(運転席/センター/助手席/リヤ)
・ピアノブラック調エアコンコントロールノブ
・ソフトパッド(ブラックステッチ)
・アームレスト付きセンタコンソールボックス(ブラックステッチ)

プライムスムース×ファブリックのコンビシートは「Z」と共通。
ステッチがブラックとなるのが通常モデルと「BLACK STYLE」の違い。
本革巻ステアリングもブラックステッチに。さらに6時方向のスポークがピアノブラック調になる。
前後のドアトリムにはピアノブラック調ライニングガーニッシュが備わる。
センターコンソールのエアコンを囲む加飾と風量/温度設定のノブがピアノブラック調に。
運転席、センター、助手席、リヤのエアコン吹き出し口周囲の加飾もピアノブラック調。写真は助手席。
センターコンソールボックスも専用のブラックステッチになっている。
インストゥルメントパネルのソフトパッドもブラックステッチとなる。

「BLACK STYLE」は「Z」と「Z+」に設定される。特に3月7日の段階では「Z+」が未発売のため、「Z+BLACK STYLE」が実質的な最上位モデルとなる。

「Z BLACK STYLE」(プラチナホワイト・パール)。エクステリアにシルバー系の加飾がない「Z」、特にホワイトのボディカラーはよりブラックとのコントラストが引き立つようだ。

ちなみ生産国であるインド(インド名:エレベイト)では「BLACK EDITION」が発売されているが、ユーザーの嗜好の違いから日本の「BLACK STYLE」以上に徹底して黒くなっている。

ルーフレールやドアロワガーニッシュ、アンダープロテクターなどもブラックになっている。
インテリアもシルバー系の加飾がなくなりブラックに統一される。

アウトドアユースを考慮したアクセサリーも用意

WR-Vのラゲッジルームは6対4可倒分割式シートにより、通常時で840mm、シート格納時で2181mmの奥行きを備えている。しかし、倒したシートは荷室と完全にフラットにならず、大量の荷物を載せる際には工夫が必要であったりデッドスペースが生じたりすることもある。

ラゲッジルーム(通常時)

また、十分な深さもあり容量は通常時で458Lを確保する。一方で、荷室床は開口部より深く、荷物……特に重量物を積み込む際にはちょっと苦労することがあるかもしれない。

ラゲッジルーム(シート格納時)

そこで、ホンダアクセスのアクセサリーとしてラゲッジボードを用意。荷室床面を倒したシート背もたれとフラットにすることができるアイテムで、深さは犠牲になるもののフルフラットな空間を実現できる。

アクセサリーのラゲッジボードを装着。拡大した荷室がフラットになるだけでなく、開口部とも段差が無くなるので、荷物の出し入れも容易になる。

ラゲッジボードは設置時に支えとなる木枠とセットになっており、ラゲッジボード下はアンダートランクとして利用できるのでデッドスペースになる心配はない。

ラゲッジボードの下の木製フレーム。組み立て式なので、未使用時は分解してしまっておける。
リヤシートを倒せば2mオーバーの荷室長があり、ラゲッジボードも十分な強度を備えているので、フラットにすれば車中泊も可能だし、アクティビティ中の休憩スペースにもってこい。

価格とグレード展開

3月7日に発売される新型WR-Vは「Z」と特別仕様車の「Z BLACK STYLE」「Z+ BLACK STYLE」の3グレード。「Z+」が特別仕様車のみという状況だ。というのも、ノーマルの「Z+」およびシンプルグレードとなる「X」は2025年夏頃の予定となっている。

インパネまわりなどソフトパッドを増やして質感アップしたインテリア。「BLACK STYLE」は専用のブラックステッチということもあり、「Z+」でもブラウン内装にはなっていない。写真は「Z+ BLACK STYLE」。

「BLACK STYLE」は「Z」「Z+」ともにブラックステッチのプライムスムース×ファブリックコンビシートとなるため、フルプライムスムースシートのブラウン内装は「Z+」のみの設定。その発売が夏予定なのでブラウン内装を求めるのであれば少し待つ必要がある。

グレード価格従来モデルの価格差額
X未定209万8800円
Z239万8000円234万9600円+4万8400円
Z BLACK STYLE248万3800円+13万4200円※
Z+未定248万9800円
Z+ BLACK STYLE258万600円+9万800円※
価格表(※はそれぞれ従来モデルとの差額)

「X」と「Z+」は未発表だが「Z」が従来モデルから5万円弱アップと考えると、「X」は214万円、「Z+」は253万円あたりに落ち着くだろう。
また、「BLACK STYLE」は上質なエクステリアとインテリアで通常グレード+8万5000円程度(「Z」と「Z BLACK STYLE」)。現状では通常グレードと特別仕様が両方公開されているのが「Z」のみだが、この価格差がそのままなら通常グレードの「Z+」はやはり253万円前後の可能性が高い。

価格が未発表の「Z+」は2025年夏頃に「X」と合わせて改めて発売予定。写真は「Z+」(イルミナスレッド・メタリック)。

今回の改良はエクステリアとインテリアのみで、パワートレインに関しては従来通り1.5L直列4気筒DOHC i-VTECエンジン+CVTのFF車のみという設定に変更はない。

L15D型1.5L直列4気筒DOHC i-VTECエンジンを横置きに搭載。118ps/6600rpm・14.5kgm(142Nm)/4300rpmという出力も変わらない。

ボディカラーは従来からの「イルミナスレッド・メタリック」「プラチナホワイト・パール」「クリスタルブラック・パール」「ゴールドブラウン・メタリック」「メテオロイドグレー・メタリック」にWR-V初設定となる「オブシタンブルー・パール」を加えた全6色となった。なお「オブシタンブルー・パール」は「X」では選択できない。

「Z+ BLACK STYLE」オブシタンブルー・パール
「Z+」イルミナスレッド・メタリック
「Z BLACK STYLE」プラチナホワイト・パール
「Z」メテオロイドグレー・メタリック

この新型WR-Vは機能面で大きな変化は無いものの、ブラウン内装や特別仕様車により車両価格以上に上質な雰囲気を手に入れたと言えるだろう。最上位モデルの特別仕様車である「Z+ BLACK STYLE」こそ250万円を超えてはいるものの(価格未発表の「Z+」次第ではあるが)、基本的にWR-Vで好評の250万円前半というリーズナブルな価格設定は維持されたのはユーザー的にはありがたいところだ。