ポルシェ 718ケイマンEV 市販型プロトタイプ スパイショット

捉えたプロトタイプは911を模したカモフラージュをまとっているが、これは最終デザインも911に似ていることを示唆している。

ポルシェ 718ケイマンEV 市販型プロトタイプ スパイショット

特にフェイククロームトリムとウィンドウ上の黒いパネルにより、ケイマンEVは911によく似ている。これは、両車のフロントガラスの角度が非常に似ていることと、もちろんポルシェファミリーのノーズが似ていることにも起因している。

フロントエンドでは、長方形のヘッドライトには丸いヘッドライトのデカールが貼られているが、もちろんダミーだ。また、バンパー両側のエアインテークに水平バーが装備されているが、これもダミーで、その奥には垂直のスラットが取り付けられており、新型911GTSハイブリッドに装着されたアクティブフラップと非常によく似ている。

その他、琥珀色のLED方向指示器が点灯しているショットを含め、後部ライトバーを見ることもできた。さらに、リヤバンパー中央の充電ポートも鮮明に確認できる。残念ながら助手席側のフェンダーが見えないので、そこに第2の充電ドアが隠されているかどうかを確認することはできない。充電ポートが2つあるのは珍しいことだが、ポルシェはすでにEVタイカンに2つのポートを搭載、1つはレベル1と2用、もう1つはレベル1、2、3(急速充電)のプラグ用となっている。

718 EVの開発は遅れているが、昨年破産したポルシェのバッテリーサプライヤーであるノースボルト社に問題があったと報じられており、これが開発遅れの原因と言われている。しかし、先日の暖かい天候の中でプロトタイプを目撃したのに続いて、冬季テストが行​​なわれており、ポルシェのエンジニアたちが懸命に開発作業にあたっていることがうかがえる。

そして量産型では、洗練されたライン、低いスタンス、そして効率性とパフォーマンスを向上させる空力プロファイルが期待できるという。また、最先端の電動パワートレインを搭載、全輪駆動と瞬時のトルク伝達を実現するデュアルモーター構成が予想されている。この構成により、ボクスターとケイマンは0~100 km/h(0~60 mph)を3秒以内で加速できるようになり、“市場で最も速いスポーツカー”を名乗るクルマのいくつかに匹敵することになるのだ。

高級感、スポーティさ、最先端のテクノロジーが融合されるというキャビン内では、高品質の素材、人間工学に基づいたデザイン、ドライバー重視のレイアウトがフィーチャーされることだろう。大型インフォテインメントディスプレイを備えたデジタルコックピットでは、さまざまな接続機能、ナビゲーション、パフォーマンス データにアクセスできるという。

ポルシェの電気スポーツカー計画が物議を醸していることは否定できないが、同社幹部はそれがあくまでドライバーズカーになると主張している。モデルライン担当副社長フランク・モーザー氏は「我々は航続距離争いで一番になりたいわけではありません」と語った。むしろ、「私にとって最も重要なのは、たとえ電動化しても2ドアスポーツカーである限りは重量を抑えることなのです」と付け加え、「2トンの2ドアスポーツカーなんか作れません」とも言う。現在のICEケイマンは3200ポンド(1451kg)だが、EV化しても軽量化は維持されるものと見られる。

718 EVのワールドプレミアだが、早ければボクスターEVが2025年内、ケイマンEVが2026年に行なわれるものと予想される。