数年後には、電気自動車が中心的存在になると思われるが、従来のパフォーマンスモデルにも魅力を放つ余地はある。VWはGTIシリーズの電動化に注力しており、2030年までにR部門をEV専用ブランドに転換する準備を進めているが、内燃機関の開発はまだ終わっていない。同ブランドが、かつてないほどの強力なパワーを備えた実用的な「ティグアンR」が登場する可能性があるという。

フォルクスワーゲン ティグアン USバージョン

フォルクスワーゲンRのセールス&マーケティング責任者、ペドロ・マルティネス・ディアス氏は先日、新たな高性能SUVの可能性を示唆したようなのだ。改良型ゴルフRの現地発表会でオーストラリアのメディア「CarExpert」のインタビューに応じた際、同氏は「ノーとは言いません。ティグアンRは欧州とオーストラリアで大きな成功を収めました」と語ったようだ。

フォルクスワーゲン ティグアン USバージョン

まだ正式な決定ではないが、経営陣がゴーサインを出せば、次世代ティグアンRが復活する可能性がありそうだ。また、マルティネス・ディアス氏は、次期T-Rocにも専用のRバージョンが登場し、2027年初頭にデビュー予定であることを認めている。

フォルクスワーゲン ティグアン USバージョン

初代ティグアンRは、第2世代モデルのミッドサイクルアップデートの一環として、2020年にデビューしている。当時、このモデルはシリーズ中最もパワフルなオプションで、2.0Lターボエンジンを搭載し、最高出力320ps(235kW)/最大トルク420Nmを発揮。7速DCTとVWの4MOTION(全輪駆動システム)が組み合わされていた。

フォルクスワーゲン ティグアン USバージョン

4月に発表されたSEL R-Line Turboは、GTIバッジを装備せずにGTIのような走りの楽しさを追求、最高出力271ps(199kW)を発揮するノンハイブリッドの2.0Lターボエンジンを搭載している。

フォルクスワーゲン ティグアン USバージョン

一方、期待される「ティグアンR」次期型は、「ゴルフR」の2.0TSIターボエンジン、あるいは強力なPHEVシステムを搭載する可能性があり、最高出力は335ps以上と噂されている。復活すれば、最高出力320psを発揮するプラグインハイブリッドシステムを搭載するトヨタ新型「RAV4 GR スポーツ」にとって脅威となることは間違いないだろう。