ディテール解説

SEP(SUZUKI ECO PERFORMANCE)と名付けられた124cc(φ52.5×57.4mm)空冷SOHC2バルブ単気筒エンジン。最高出力8.7ps、最大トルク10.0Nmともアドレス125と同値だが、ECUをアヴェニス125専用として、優れた燃費性能を維持しながら加速性能を強化している。サイレントカムチェーンや低剛性なカムチェーンテンショナーなどを採用する。
5本スポークのアルミキャストホイールを採用。フロントは12インチで、標準装着タイヤはダンロップ・D307 Nだ。ブレーキはフロントがφ190mmディスクで、ABSではなく前後連動システムを選択。
リヤホイールは10インチと小径であり、リヤブレーキはφ120mmのドラムタイプだ。ベルトケースにキックペダルが装着されていることからも分かるように、エンジンのキック始動も可能である。
サイレンサーはアドレス125と共通で、カバーのみが異なる。リヤホイール脱着の際、サイレンサーを外さなくても済むようなレイアウトとするなど、メンテナンス性にも配慮。
メーターはフル液晶ディスプレイを採用する。右端のバーグラフはエンジン機温計で、瞬間&平均燃費計、エコドライブインジケーターライトなども備えており、実に多機能だ。
ヘッドライトはボディマウントで、スズキのスポーツモデルのアイデンティティである縦型2灯を採用。上段のロービームに3個、下段のハイビームに2個のLEDが用いられている。
テールランプ、ストップランプともLEDを採用。前後のウィンカーとナンバー灯はフィラメント球だ。なお、左側の側面に見えるキー穴は、給油キャップを開ける際に使用する。
左側にリッド付きのインナーボックスがあり、その中に5V2AのUSBソケットを装備。コンビニフックは重量1.5kgまでOK。キーシリンダーはイタズラを抑止するシャッター付きだ。
シート下のトランクスペースは容量21.5Lで、重量制限は3kg。底が浅い設計なので、収納できるヘルメットの種類が限られそうだ。ヒンジ部分の左右にヘルメットホルダーあり。
ワンクリックするだけでエンジンが始動するまでセルが回り続ける、スズキイージースタートシステムを採用。原付二種スクーターでキルスイッチが装備されているのは珍しい。
シートの前方下部にもコンビニフックを設置。フロントと同じ1.5kgまでOKで、こちらはストッパー付きだ。なお、欧州ではデュアルユーティリティフックと名付けられている。
シート表皮はツートーン&レッドステッチを採用。セパレートグラブバーはアルミ製だ。
シート後方にある給油口はエアプレーンタイプ。シートを開けずに給油できるのが長所だ。

アヴェニス125 主要諸元

型式 8BJ-EA12J
全長/全幅/全高 1,895mm/710mm/1,175mm
軸間距離/最低地上高 1,265mm/160mm
シート高 780mm
装備重量 107kg
燃料消費率
 国土交通省届出値:定地燃費値 55.9km/L(60km/h)2名乗車時
 WMTCモード値 54.3km/L(クラス1)1名乗車時
最小回転半径 2.0m
エンジン型式/弁方式 AF21・強制空冷・4サイクル・単気筒/SOHC・2バルブ
総排気量 124cm3
最高出力 6.4kW〈8.7ps〉/6,750rpm
最大トルク 10.0N・m〈1.0kgf・m〉/5,500rpm
燃料供給装置 フューエルインジェクションシステム
始動方式 キック・セルフ併用式
潤滑油容量 0.8L
燃料タンク容量 5.2L
クラッチ形式 乾式自動遠心シュータイプ
変速機形式 Vベルト無段変速
フレーム形式 アンダーボーン
ブレーキ形式(前/後) 油圧式シングルディスク/機械式リーディングトレーリング
タイヤサイズ(前/後) 90/90-12 44J / 90/100-10 53J
乗車定員 2名
排出ガス基準 平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応
製造国 インド(スズキモーターサイクルインディア社)