身体で感じ、目で見てすぐわかる改良内容

今回の一部改良で新しくなったRXの主な特徴は、次の4つに分けられる。

1.Always Onの思想に基づくさらなる走りの進化

・アブソーバー減衰力、AVS制御定数、EPS制御定数など、シャシーセッティングの最適化により、車両の上下挙動を低減するなど、フラット感のある上質な乗り心地、操縦安定性を実現。

・ドライバビリティの改良として、RX500hでは駆動力特性を変えた。低開度域ではアクセルコントロール性を向上させ、踏み増し時はパラレルハイブリッドシステムの持つ、パワフルでレスポンスのいい加速感を実現すると同時に、減速度の初期応答性を高め、車両コントロールのしやすさを向上させた。RX450h+/RX350hでは、アクセル開度に対する駆動力特性の出し方を変更し、レスポンスおよびコントロール性を高めることで、ドライバーの操作に対して車両が素直に応える乗り味を追求している。

降坂制御。
減速アシスト。

・Dynamic Rear Steering(DRS)をRX500hに加え、RX450h+/RX350hのAWD者にも拡大設定し、低速での高い取りまわし性と高速での安心感を実現。さらにSportモード選択時の同相転舵領域を中速にまで拡大し、旋回時の応答性を向上させた。

ステアリングシステム。

2.さらなる静粛性の追求

・ダッシュインナーサイレンサーの目付量アップ、インストルメントパネルへの吸音材追加などを実施し、エンジンノイズを低減。さらにはリヤドアガラスへのアコースティックガラス採用や、リヤボディ周囲への制振材・吸音材の追加により、後席まわりの騒音を低減し、心地よい静粛感を追求した。

・RX500hでは、エンジン制御を見直すことによってエンジンノイズを低減。加えて車両の走行状態に応じた走行サウンドにより快適なドライブ空間を演出するASC(アクティブサウンドコントロール)のチューニングを刷新。Sportモード選択時に於いての減速時のサウンドを追加し、音が聞こえる方向もチューニングすることで、より臨場感のあるサウンドを実現させている。

ASC動作イメージ【アクティブサウンドコントロール】。

3.デザインの進化

・RX500h“F SPORT Performance”/RX350“F SPORT”の内装カラーにホワイトを追加。ホワイトとブラックとのハイコントラスト配色により、ラグジュアリーかつスポーティな室内空間を表現している。

インテリアカラーラインナップ(“F SPORT Performance”/“F SPORT”ホワイト)。

・RX450h+/RX350h/RX350の“version L”では、従来の21インチタイヤ&ホイール(ダークグレーメタリック塗装/ダークプレミアムメタリック塗装)に加え、21インチタイヤ&ホイール(ダークグレーメタリック塗装+切削光輝)を新たにメーカーオプション設定。

235/50R21 101Wタイヤ&21×8Jアルミホイール(ダークグレーメタリック塗装+切削光輝)。

4.先進性・安全性・利便性をより高める機能・装備の拡充

・液晶メーターを12.3インチフル液晶メーターに変更し、メーターパネルの視認性を向上させることで、ドライバーがより運転に集中することができる室内空間に改善した。

12.3インチTFT液晶式メーター。

・RX350“F SPORT”に、高度運転支援技術「Lexus Teammate」の「アドバンストパーク(リモート機能付)」を標準設定。

前回の一部改良は昨年2023年7月。

このときは量販HEV機種の拡充と、RX350へのアドバンストパークのリモート機能追加、アンビエントライトの改良と、本当に一部改良だが、その前回と比べて今回はやや規模が大きい。エクステリアに変更はないものの、「一部改良以上、マイナーチェンジ未満」といった印象がある。また、多くの項目のひとつひとつが、ユーザーの身で感じ取りやすく、目で見てわかりやすいものであることに気づく。

ましてや、現行5代めが2022年11月の登場なら、かつてのモデルチェンジ4年周期時代ではない、6年周期時代での2年3か月の変更だから、その意味でも規模が大きいといっていい。

「売れないと造り手は改良に励む。ヘタに売れているとメーカーは改良の手を怠る」という考え方があるが、今回のLEXUS RXの場合は、「売れているからこそブラッシュアップに予断なく取り組んだ」というべきだろう。

なお、車両本体価格は次の表のとおり。

機種構成に変更はないが、総じて値上げされており、全体で平均6万3000円弱の値上がり幅となっている。

機種構成は変わらぬまま、全体平均で6万3000円弱の値上げ幅となっている。