ナバラのフロントエンドは完全に再設計される

日産・ナバラ新型 予想CG

日産は、財政難からの回復に努める中で、世界各国の市場に向けた次期モデルのティーザーを次々と発表している。これらの新製品のなかには、ラテンアメリカ向けの「ナバラ/フロンティア」の改良版、オーストラリア向けの新しい中型ピックアップ、中国向けの日産・東風「Z9」があり、それぞれ北米で販売されている既存のフロンティアとは異なる。つまり、日産はまもなく、それぞれ特定の地域に合わせた4種類の中型ピックアップトラックを発売することになる。

日産 フロンティア

この戦略は、この人気セグメント向けに単一のグローバルモデルを開発するよりも効率が悪いように思えるかもしれないが、中型ピックアップはいずれも完全に新しい設計ではないため、貴重な研究開発リソースを節約できるはずだ。

まず初めに、南米向けの日産ナバラ/フロンティアが2026年か2027年初頭に発売される予定だ。

公式ティーザーからは、現行型と同一のプロポーションとキャビンが見てとれる。しかし、フロントエンドは完全に再設計され、よりシンプルなグリルの両側にモダンな LEDデイタイムランニングライトが配置されている。また、頑丈なフェンダーエクステンション、グリップ力の高いタイヤを備えた新しいホイールデザイン、リヤベッドラックも確認でき、すべてがハイスペックなトリムを示唆している。

外観以外のアップデートも期待できそうだ。日産は、アップグレードされたインフォテインメントシステムと、より高度な運転支援機能を提供することを約束している。基礎部分に関しては、前モデルのラダーフレームシャシーを踏襲すると思われるが、新鮮さを保つためにサスペンションのセットアップの改良が進められている可能性があるだろう。

オーストラリアでは、現行型ナバラはまもなく生産終了となり、後継モデルにバトンタッチされる。このモデルも2026年か2027年初頭にデビューし、ベストセラーのフォード「レンジャー」やトヨタ「ハイラックス」と真っ向勝負することになるだろう。

日産はまだ公式ティーザーを発表していないため、まだ情報はあまりないが、同社はこの新型トラックを三菱自動車と共同で開発した「まったく新しい1トンピックアップ」と表現している。日産はこの新型モデルに「ナバラ」という名称を使用しないと思われる。

このトラックは三菱によってタイで製造されることがわかっている。量産型では、2023年に導入された第6世代三菱トライトンとラダーフレームプラットフォームと2.4Lターボディーゼルエンジンを共有する。しかし、単純なリバッジと考えてはいけない。日産の幹部は、市場の期待に応えるためにデザインとエンジニアリングに大幅な変更を加えることを示唆している。

発売時に提供される可能性が高いディーゼルエンジンに加えて、ハイブリッドまたはプラグインハイブリッドのいずれかの電動パワートレーンのオプションを提供する予定だ。

最後になるが、中国の東風日産合弁会社が生産するZ9も忘れてはいけないだろう。これはナバラやフロンティアとはまったく関係なく、独自のスタイル言語を備えたまったく異なるもとなる。

全長217.3インチ(5,520mm)のこの中国製ピックアップトラックは、日産ナバラや三菱トライトンよりもフットプリントが大きいが、米国仕様の日産フロンティアのロングベッドバージョンよりもわずかに小さい。もうひとつの重要な差別化ポイントは、ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドのセットアップを含む利用可能なパワートレーンのオプションとなっている。

今後3年間で怒涛のピックアップトラックラッシュが見られそうだが、日本市場でもハイラックスと争うモデルは導入されるのか、期待したい。