HONDA CIVIC TYPE R
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TOYOTA GR COROLLA
スポーツモディファイがなされたシビックとカローラ




シビック タイプRは、5ドアハッチバックセダンのシビックをベースとしている。一方のGRカローラはカローラスポーツがベースだ。 どちらもベースモデルよりアグレッシブなデザインにモディファイされ、空力性能や冷却性能を向上させる専用パーツが装備されている。
室内空間はシビック タイプRのほうが広いが、乗車定員は4人に制限される点には注意が必要だ。また、最小回転半径はシビック タイプRは5.9mと標準のシビックと比べても小回りが効かなくなっているため、狭い場所での取り回しはやや苦手となる。対するGRカローラの乗車定員は5人乗りのままであり、最小回転半径は5.5mだ。
ホンダ シビック タイプR
ボディサイズ=全長4595mm×全幅1890mm×全高1405mm
ホイールベース=2735mm
車両重量=1430kg
タイヤサイズ=265/30ZR19
トヨタ GRカローラ RZ
ボディサイズ=全長4410mm×全幅1850mm×全高1480mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1480kg
タイヤサイズ=235/40R18
排気量あたりの出力でシビックタイプRを上回るGRカローラ


両車のエンジンスペックは似ているが、シビック タイプRは2.0Lの4気筒エンジンであるのに対し、GRカローラは1.6Lの3気筒エンジン。排気量あたりの出力では、165ps/Lのシビック タイプRに対し、187ps/LとなるGRカローラが優れている。
3気筒エンジンは排気干渉がなく、それだけエンジンとタービンを近づけられるため過給効率に優れる。一方、シビック タイプRはサーキットスペックとはいえ、そのエンジンはピークパワーを高めるだけでなく低回転から力強いトルクを発揮する特性に仕上げられており、2Lでこれだけの出力を発揮できるエンジンはそれほど多くない。
シビック タイプRの0-100km/h加速タイムは5.7秒。GRカローラのタイムは公開されていないが、電子制御4WDのトラクション性能に加え、マイナーチェンジで30Nmのトルクアップが図られたGRカローラは、シビック タイプRのと同等の加速性能を持つと考えられる。
また、シビックは6速MTのみの設定だが、GRカローラはマイナーチェンジで8速ATが追加された。世界トップレベルの変速スピードを目指して開発された8速AT「GR-DAT」は、ドライバーの細かな操作をモニタリングし、運転状況を先読みしてシフトタイミングが制御される。
ホンダ シビック タイプR
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1995cc
最高出力=330ps/6500rpm
最大トルク=420Nm/2600〜4000rpm
トランスミッション=6速MT
駆動方式=2WD(FF)
トヨタ GRカローラ RZ
エンジン形式=直列3気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1618cc
最高出力=304ps/6500rpm
最大トルク=400Nm/3250〜4600rpm
トランスミッション=6速MT
駆動方式=4WD
トラックレースとラリーそれぞれのハイパフォーマー


シビック タイプRの価格は約500万円だ。GRカローラは6速MTモデルが568万円、8速ATモデルが598万円であり、どちらもスペックを考えれば破格の値段といえる。
ベース車の価格を考慮すれば、よりチューニングコストがかけられているのはカローラといえよう。しかし、シビックもシフトレバー周りを専用設計として変速フィールを向上させ、高出力をFFで操るために専用のフロントサスペンションを採用するなど手の込んだチューニングが施されている。
トラックレースとラリーという異なる競技の背景を持ち、それぞれ求められる性能も異なるが、どちらも必要なスペックを満たすために徹底的に性能を煮詰めた2台だ。
エンジンとシャシーを鍛え抜き、ドライビングプレジャーを高めたシビック タイプR。持ち前のシャシー性能に加え、電子制御デバイスで武装したGRカローラ。どちらも所有欲満たしてくれる性能と価値を備えたクルマであるのは間違いない。
車両本体価格
ホンダ シビック タイプR:499万7300円
トヨタ GRカローラ RZ(6MT):568万円
