昭和42年(1967年)、トヨタは世界に誇るスポーツカー、2000GTを発表しました。日本車として初めて世界的な注目を浴びたこの車は、まさに日本の自動車技術の高さを証明するモデルであり、その登場は日本の自動車産業における重要な転換点となりました。スタイリッシュで流麗なデザインと驚異的な走行性能を誇る2000GTは、トヨタの技術力の集大成として国内外で高い評価を受けました。

この車は、手作業で組み立てられたボディを持ち、2.0LのDOHCエンジンを搭載、最高出力は150psを超えるという高性能を実現しました。更に、当時の日本車には珍しいスポーツカーとして、その美しいデザインは世界中の自動車愛好家を魅了しました。特に、現在に至るまで世界中で人気を博している映画『007』シリーズ(『007は二度死ぬ』)への登場は、2000GTの名を広く知らしめるきっかけとなりました。

このような経緯もあり、2000GTは日本国内のみならず、海外市場でも高い評価を受けることになりました。特にアメリカ市場での成功は、トヨタの国際的なブランドイメージを確立させることになります。その後のトヨタの高級車ラインアップやスポーツカー開発において、2000GTの存在は大きな影響を与えることとなりました。2000GTは1960年代後半の日本の、世界への挑戦を象徴する一台であり、日本のスポーツカーの礎を築いた名車なのです。

映画『007は二度死ぬ』劇用車(ボンドカー)

【昭和100年】日本に小型車革命を引き起こした名車:トヨタ カローラ (初代)(昭和41年/1966年)【第3回】

2025年は昭和100年にあたります。そこで日本の自動車史を彩った昭和の名車を振り返ってみましょう。第3回目はファミリーカーのマイルストーン、日本中にマイカー文化を根付かせた立役者、トヨタ カローラです。 PHOTO:TOYOTA

【昭和100年】不撓不屈のチャレンジング・スピリッツと技術力を世界に示す:マツダ コスモスポーツ(昭和42年/1967年)【第5回】

2025年は昭和100年にあたります。そこで日本の自動車史を彩った昭和の名車を振り返ってみましょう。第5回目は世界初の量産ロータリーエンジン搭載車、マツダの挑戦と技術力を世界に示した意欲作、マツダ コスモスポーツです。 PHOTO:MAZDA / トヨタ博物館