シビック CVCC 1500 3ドア RSL

昭和47年(1972年)に登場したホンダの初代シビックは、日本の大衆車市場を変革したモデルであり、その革新性と実用性で広く支持を集めました。シビックは、当時の日本車としては画期的なデザインと機能を持ち合わせ、まさに昭和40年代後半からの日本の“経済車”の代表作となりました。このモデルの最大の特徴は、コンパクトでありながらも実用的で、誰もが手に入れやすい価格で経済性、環境性能、実用性における最大の価値が提供されたことです。

シビック CVCC 1500 3ドア RSL

シビックは昭和47年の発売当初は1.2Lエンジンを搭載(翌年、1.5Lエンジンが追加)、非常に優れた燃費性能を誇り、特に都市部での使用に最適な車となっていました。その軽量ボディと優れた経済性により、シビックは日本国内はもちろん、アメリカなど海外市場でも人気を博したのです。加えて、シビックは非常に信頼性が高く、耐久性にも優れていたため、長期間にわたり多くの家庭に愛される存在となりました。

シビック 1500 3ドア RSL

また、ホンダの独自技術を活かして開発されたシビックは、シャシー設計やエンジン技術においても当時、世界的な競争力を持つ日本車として高い評価を受けました。特に当時、技術陣の筆舌に尽くしがたい苦闘の末に生み出され、世界で最も厳しくクリア不可能とさえ言われたアメリカのマスキー法排出ガス規制をクリアして見せたCVCCエンジンは、日本の自動車工業技術の優秀さを世界に証明するものとなり、米国自動車技術者協会(SAE)から20世紀優秀技術車(Best Engineered Car)に選出されています。

シビック 1500 3ドア RSL

シビックが登場したことで、ホンダは“経済的で実用的な車を提供する自動車メーカー”としての世界的な地位を確立すると共に、日本の自動車業界における技術競争を一段と激化させる存在となりました。シビックは単なるクルマではなく、昭和40年代後半にさしかかった日本社会において、新たなライフスタイルを提供した革新的な存在だったと言えるでしょう。

1.5L CVCCエンジン