M3に大変革! いよいよEVにシフト

BMW M3 EV プロトタイプ スパイショット

自動車メーカーは、SUVやミニバンを含むあらゆる種類の試作車をニュルブルクリンクに持ち込む。12.8マイル(20.6キロ)のコースは、自動車の耐久性や操縦バランスをテストするのに役立つからだ。そしてBMW M3 EVもその1つだ。

BMW M3 EV プロトタイプ スパイショット

M3が電動化されるというのは大きな出来事であり、BMWがオリジナルの軽量4気筒「E30」を、より太い直列6気筒「E36」に置き換えて以来、最大の出来事と言えるだろう。Mの幹部たちは、M3 EVがこれまでのどのM車よりも厳しく精査され、Mの信頼性が問われることになるとわかっている。

電気自動車のM3がどれだけ良いか悪いかを確実に知るには早くても来年まで待たなければならないが、今のところ状況は良好のようだ。量産型には、BMWの「ノイエ・クラッセ・アーキテクチャ」を採用する。これは今年後半にSUV「iX3」でデビューし、2027年には3シリーズに、その1年後にはM3に展開される予定となっている。

レーストラックを走る車の最初の画像により、これまで見られなかったいくつかの詳細を見ることができる。プロトタイプは、より幅の広いホイールアーチが装備されているが、これはまだ最終版ではない。しかし、ブレーキには、アルミホイールの直径全体を占める2つの巨大なディスクが備わっており、熱をより早く放散するために両方の車軸に穴が開けられている。

側面では、フラッシュドアハンドルを装備、右後部にはバッテリー充電ポートが配置されている。また、リアクォーターウィンドウのホフマイスターキンクはカモフラージュされている。

注目のパワートレインだが、最大710psのクワッドモーター電動ドライブトレインも搭載される可能性がありそうだ。これはBMWが以前将来の高性能EVで発揮できると語っていた、最高出力1,360ps/1,000kWの出力は下回るが、併売される内燃機関を搭載したM3の最高出力600ps〜650psを大幅に上回る数値だ。

また、トルクベクタリング機能と、モーターとシャーシを同期させる新しい中央制御ユニットにより、価格やパワーに関係なく、市販されているEVの中で最も楽しいものの1つになるかもしれない。

M3 EVのワールドプレミアは、2026年後半から2027年にかけてと予想され、市場では、アルピーヌ次期「A110」や近々発売予定のポルシェ「718ケイマンEV」と対峙することになるだろう。