改良で上質さに磨きを掛け希少な国産高級コンパクト

ノートオーラはノートの上級シリーズで、内外装を上質に仕立て、装備を充実させて、ハイブリッドのe-POWERも動力性能を少し高めている。車内の広さはノートと同等だが、全幅は少しワイド化されて3ナンバー車になる。発売は2021年で、24年にマイナーチェンジを実施。フロントグリルは、新時代のデジタルVモーショングリルに変わってワイド化されている。快適装備の充実も図り、運転席の電動調節機能は全車に標準装着となった。

エクステリア

2024年6月のマイナーチェンジで、新世代のデジタルVモーショングリルや、ウイング形状の前後バンパー、新形状の17インチアルミホイールを採用。フロントマスクが極めて前衛的なデザインに一新されている。最小回転半径は5.2m。

同時にノートオーラNISMOもマイナーチェンジを実施し、4WDが加わった。ノートオーラ「G」にも、後輪に前輪とは別の専用モーターを搭載した4WDが設定されるが、リヤモーターの最高出力は68PSで、最大トルクは100Nmだが、ノートオーラNISMOでは82PS、150Nmに高められる。

乗降性

そのためにノートオーラNISMOの運転感覚は、ほかのグレードとは異なる。峠道などのカーブでは、旋回軌跡がふくらみにくく、前後輪に別々のモーターを搭載するから、走行状態に応じて最適な駆動力制御が行なわれ、車両の挙動を乱しにくい。ドライブモードはNISMO専用で、NISMOモードではさらに曲がりやすい設定になる。車線変更時も、ステアリング操作に対する反応が正確で、車両との一体感も強まる。その一方で、下り坂のカーブを曲がるような挙動が不安定になりやすい場面では、後輪が確実に接地して挙動の乱れを抑える。スポーティな運転感覚を安心して味わえる。

インストルメントパネル

ツイード調織物と合成皮革、木目調パネルなどが上質感を醸し出す運転席まわり。シンプルかつモダンなデザインながら物理スイッチも多く、配置もわかりやすい。エアコンやオーディオなどの操作性は良好だ。

ノートオーラ「G」は運転感覚がここまでスポーティではないが、フロントモーターの最高出力は、NISMOと同様に136PSで最大トルクは300Nmだ。ノート「X」の116PS/280Nmに比べて高められ、余裕のある運転感覚を味わえる。e-POWERではエンジンは発電機を作動させ、駆動はモーターが行なう。モーターは駆動力の増減を素早く行なえるため、例えば登り坂に差し掛かってアクセルペダルを踏み増したときなど、滑らかさを損なわずに力強い走りが得られる。この傾向はノートにも見られるが、ノートオーラはさらに顕著だ。

居住性

乗り心地は全グレードにわたって少し硬め。ノートオーラは、ノートよりも細かなデコボコを伝えにくく少し快適だが、17インチタイヤを装着したこともあり、大きな段差では相応にショックを伝える。乗り心地は試乗したときに確認したい。内装は上質で、インパネの上側や前席中央に配置されたセンターコンソールを柔らかく仕上げた。ツイード調の表皮も貼られ、木目調パネルも備わる。メーターパネルは12.3インチのカラーディスプレイで、視認性が優れ、車内の雰囲気はミドルサイズカーに近い。

うれしい装備

大型センターコンソールは電制シフトや電動駐車ブレーキのスイッチ、アームレスト兼収納が一体化した上下二段式。下段は通常サイズのティッシュ箱が入る広さがあり、財布やポシェットを置くのにも役立つ。
マイナーチェンジ発表    24年6月13日 
月間販売台数      2787台(24年6月~11月平均)
WLTCモード燃費    27.2km/ℓ※FF車

ラゲッジルーム

居住空間も広く、身長170㎝の大人4名が乗車したとき、後席に座る乗員の膝先には握り拳ふたつ弱の余裕がある。上質な内装と相まって、大人4名が乗車するセダン的な使い方にも適する。そのために本革シートを備えたレザーパッケージも用意した。コンパクトなボディで、全高も立体駐車場を使いやすい高さに抑えながら、高級車的な満足感を味わえることがノートオーラの魅力だ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.165「2025年 最新国産新型車のすべて」の再構成です。

「2025年 国産新型車のすべて」モーターファン別冊 統括シリーズVol.165|最強のクルマバイヤーズガイド【モーターファン別冊 ニューモデル速報】公式サイト

モーターファン別冊 統括シリーズ Vol.165「2025年 国産新型車のすべて」/2025年1月22日発売。

http://motorfan-newmodel.com/integration/165/