LBXの日本発売はおととし2023年11月。
これまでの1年半の間にも機種追加はあったが、メカ分野に手を入れる改良は今回が初めてだ。
それでいて価格が変わっていないのが良心的だ。
主な改良項目
今回行われたLBX初の一部改良は、足まわりの改良と静粛性向上に重点を置いている。
足まわりでは、リヤショックアブソーバーのシリンダーサイズを拡大させて減衰力やEPSを最適化。
このことにより、段差通過時の突き上げのしなやかな受け止めと振動の収束の良さを実現し、操縦安定性と乗り心地を向上させたという。
静粛性ではロードノイズとエンジンノイズの低減だ。
ロードノイズはフロントアクスルの車両前後方向の動きを抑制することで静粛性向上を果たしている。
エンジンノイズ低減策で現LBXユーザーが悔しい思いをするのは、アクティブノイズコントロール(ANC)の全機種標準化だろう。
従来、機種によりけりで標準またはオプションのマークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステム付きのクルマに限られていたANCを全機種標準にしたのと、フェンダー裏への吸音材追加でエンジンノイズを抑制し、高い静粛性に磨きをかけたという。
これらは、LBX発売後の2024年3月に本格稼働したトヨタテクニカルセンター下山(TTC-S)に建設された、世界中の過酷な道路環境を再現したテストコースでの走り込みで得られた成果だ。
今回は足まわりに静粛性と改良範囲は限定的だが、これからはTTC-Sで鍛えられるクルマが増えるはずで、今後のトヨタ車もレクサス車も仕上がりが変わってくる可能性がある。
新機種「Active」投入でバリエーションは5つに
新たにラインアップに加わった「Active」は、装備類で特徴を持たせたのではなく、内外のカラーリングにひと味違う性格を与えられた機種だ。


スポーティな世界観を演出するというカラーリングを内外に与え、車体色は全6色を用意。
「Bespoke Build」で好評の「レッドスピネル&ブラック」も選択可能だ。
内装色にはブラック&レッドステッチを設定し、シート表皮には耐久性と機能性に富み、触り心地を追求した L tex を起用した。



この「Active」の新設により、登場時の「Cool」「Relax」「Bespoke Build」、昨年2024年10月に追加された「Elegant」と併せ、トータル5バリエーションとなった。
不変の車両本体価格
バリエーションは5つだが、それぞれに2WD(FF)と4WD(E-Four)が用意されることから、車両本体価格は10とおりとなる。
リヤのショックアブソーバーを変更し、ANCを全機種標準化したにもかかわらず、既存の4機種は価格が1円たりとも変わっていない。
このところ10万単位で値上げされる改良が続いたLEXUS車だが、LBXはLEXUS車の中のエントリー寄りのクルマだけに、初めてLEXUSに手を伸ばそうとするひとに配慮したのかも知れない。
ただし、北海道地区のみ価格が異なるので、北海道の方は要確認だ。

