デザインの深化 ― タフさを磨き上げた洗練の造形






新型の外観は従来の力強さを残しつつも、より精悍でシャープな印象へとブラッシュアップされた。特にフロントフェイスはグリル形状やランプ類のデザイン変更により、ワイド感と先進性を同時に演出。一部グレードでは全幅が1865mmから1880mmに拡大されており、視覚的にも走行安定感が向上した印象を受ける。アウトドアフィールドに映える存在感はそのままに、都市空間での洗練性も強化されている。
パワートレインの進化 ― 質感と効率を両立する第6世代プラグインハイブリッド登場

新型RAV4最大の進化ポイントのひとつが、トヨタが新たに開発した第6世代プラグインハイブリッドシステムの搭載だ。現行型は2.0Lガソリン、2.5Lハイブリッド、2.5Lプラグインハイブリッド(PHEV/第4世代)の3本柱で構成されていたが、新型ではガソリンエンジン仕様は廃され、ハイブリッド系に統一されることとなった。
第6世代システムは、モーターの高出力・高効率化に加え、パワーコントロールユニット(PCU)の小型・高性能化が図られており、アクセル操作に対するレスポンスが飛躍的に向上。加えて、EGRや吸気制御の改良によってエンジンの熱効率もさらに進化し、燃費や静粛性も一段と高まっているという。これにより、PHEVモデルは240kW(325ps)(米国仕様の公表値)へとスペック上でも強化されたが、実際の運転フィールにおいては数値以上の“滑らかで力強い走り”が実現されているという。
また、PHEVは高容量リチウムイオン電池の改良によりEV走行距離が延伸され、日常の街乗りや通勤をモーター駆動のみでこなせる領域が広がった。さらに、EV走行中でもトルクフルな加速が可能で、高速道路ではエンジンとモーターが緻密に連携し、ダイナミックなドライビングを楽しめる。回生ブレーキの制御精度も高まり、減速時の自然な挙動が乗員の快適性にも寄与している。
つまりこの新世代システムは、単なる出力向上にとどまらず、走りそのものの“質”を劇的に洗練させるパワートレインであると言えるだろう。ちなみに米国仕様の公表値によれば、HEVも177kw(240ps)にパワーアップされており、その走りの質感向上には大いに期待がかかる。
室内空間と利便性 ― 質感と使い勝手のバランスが向上




新型は衝突安全性能を高めながらも、現行型とほぼ同じ室内空間を確保。インテリアは質感向上に加え、使い勝手の面でも着実な進化を遂げている。ダッシュボード周辺はソフトパッドの使用範囲が拡大し、スイッチ類の配置も視認性・操作性を重視したものに。センターコンソールの収納容量は拡大され、スマートフォンや小物を効率的に整理できる。また、前席・後席ともにUSBポートが複数配置され、乗員全員が快適にデバイスを利用できる環境が整っているのも嬉しい点だ。
さらに、PHEVモデルでは荷室下に充電ケーブル等を収納できる専用スペースを新設。これによりアウトドアギアの積載効率も向上し、車内の整理整頓がしやすくなっている。
安全・先進装備 ― ドライバー支援の“質”も進化
トヨタご自慢の安全装備、Toyota Safety Senseは最新世代へと進化し、プロアクティブドライビングアシストやフロントクロストラフィックアラート(FCTA)といった先進機能を搭載。単なる自動ブレーキにとどまらず、日常の運転そのものを支援する“アシスト志向”の技術へと進化している。
また、パノラミックビューモニターやデジタルインナーミラーも装備可能となり、都市部での取り回しや駐車も一層スムーズに。ファミリー層や女性ドライバーにとっても扱いやすい1台となっている。
新型RAV4は、従来型の「使えるSUV」という実用性の高さを継承しつつ、第6世代プラグインハイブリッドシステムなどの新技術の導入により走行性能が質的に向上。さらに室内の使い勝手や安全装備も着実に進化したことで、都市型ユーザーからアウトドア志向のファミリーまで、多様なニーズに応える“選ばれるSUV”へと成長を遂げていると言えるだろう。
価格帯やグレードバリエーションは今後順次明らかにされていくはずだが、RAV4の持つ本質的な価値が今、さらに一段階上のレベルに達したことは間違いないだろう。
トヨタRAV4 現行型と新型の比較(2025年5月現在の判明分)
| 項目 | 現行型 | 新型(2025年登場予定) |
| 型式 | MXAA5#/AXAH5#/AXAP54型 | 未公表 |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4600×1865×1685(Adventure) | 4600×1880×1680(Adventure) |
| ホイールベース(mm) | 2690 | 2690(現行型と同様) |
| 車両重量(kg) | 1630(Adventure/ガソリン/4WD) 1700(Adventure/HEV/4WD) 1920(Z/4WD) | 未公表(PHEVは若干の重量増が予想される) |
| パワートレイン | ガソリン(2.0L直4) ハイブリッド(2.5L HEV) プラグインハイブリッド(2.5L PHEV) | ハイブリッド(2.5L HEV・最新型) プラグインハイブリッド(2.5L PHEV・第6世代) |
| システム最高出力 | ガソリン:126kw(171ps) HEV:164kw(222ps) PHEV:226kw(306ps) | HEV:177kw(240ps)(米国仕様公表値/日本仕様未公表) PHEV:240kw(325ps)(米国仕様公表値/日本仕様未公表) |
| 燃費(WLTCモード) | ガソリン:15.2km/L(Adventure/4WD) HEV:20.3km/L(Adventure/4WD) PHEV:22.2km/L(Z/4WD/EV航続距離:約95km) | 不詳 HEV:改善の可能性が高い(正式数値は今後発表) PHEV:EV航続距離延伸(正式数値は今後発表) |
| PHEVバッテリー容量(総電力量) | 18.1kWh(Z/4WD) | 数値未公表/改良型高容量リチウムイオン電池(容量拡大見込み) |
| 回生ブレーキ制御 | 通常の回生制御 | より自然な減速度制御へ進化 |
| ドライブモード | EV/HV/SPORT/ECO など | 具体的なモード設定は未公表/よりシームレスなモード切替と操作性の改善 |
| プラットフォーム | GA-Kプラットフォーム(TNGA) | 基本骨格はGA-Kを継承(改良の可能性あり) |
| 先進安全装備 | Toyota Safety Sense レーンキープ、プリクラッシュセーフティ等 | Toyota Safety Sense(最新版) +FCTA、プロアクティブドライビングアシスト など追加 |
| 車内インターフェース | 7インチまたは12.3インチ フル液晶メーター(2022年10月以後/グレードによる) 8インチまたは10.5インチ ディスプレイオーディオ(2022年10月以後/グレードによる) | 12.3インチ フル液晶メーター 14インチ大型ディスプレイオーディオ USB-C端子装備、ワイヤレス充電可能 (以上、実車確認時の状態) |
| 荷室容量(L) | 580L(リヤシート使用/デッキボード下段時) | 数値未公表/同等〜わずかに改善の可能性(収納スペースの最適化) |
| その他特記事項 | 一部グレードでフロントデザイン変更 コンソール周りの収納力向上 新内装カラー設定 |







