ますます過熱する、EVのパワー競争

テスラ モデルS プラッド 改良新型 プロトタイプ スパイショット

SFコメディ「スペースボールズ」からインスピレーションを得たと言われる「プラッド」は、テスラのバッテリーデーの一環として、3つのモーターと750kW(1,020馬力)以上の出力を備え、2021年2月に発表された。パワーも凄いが、最高速度320km/h、0-100km/h加速2.1秒という動力パフォーマンスを誇る。

テスラ モデルS プラッド 改良新型 プロトタイプ スパイショット

先日は、「モデルYパフォーマンス」のフェイスリフト開発車両を捉えたが、テスラのテストエンジニアはかなり忙しいようだ。

モデルSプラッドは、かつてニュル最速EVセダン王座だったが、バイザッハパッケージを装備したポルシェ「タイカン ターボGT」にその座を奪われた後、現在はXiaomiの新型「SU7 Ultra」が6分46秒874というレコードを叩き出し、その座に君臨している。テスラがそれを黙って受け入れるはずはなく、同社は現行車の1,006馬力(1,020 PS / 750 kW)トリプルモーターパワートレインから大幅にアップグレードされるであろう、改良版プラッドをテストしている可能性がある。

プロトタイプは、ノーズとテールに迷彩ラップを巻いて数周走行しているところを目撃された。

フロントの変更点は、既存のバンパーの下に取り付けられた小さなロアリップスポイラーのようで、ヘッドライト、LEDデイタイムランニングライトのグラフィック、バンパー自体は現行車のものと全く同じように見える。

しかし、サーキット走行では、サーキットを往復する車の写真に写っている純正のプラッドリムよりも大きいと思われる新設計のアルミホイールが装着されていた。これにより、プラッドの接地面積が大きくなり、グリップとトラクションが向上、タイヤのゴムが路面に押し付けられるようになる。また、リアバンパーの下に、よりアグレッシブなディフューザーを追加しているようで、これら空力強化により、改良新型ではダウンフォースが向上するはずだ。

テスラのエンジニアリング担当副社長、ラース・モラヴィ氏は、テスラが今年、モデルSの改良版を発売することをほぼ認めており、新型モデルSプラッドのワールドプレミアは、2025年内と予想される。

パフォーマンスの詳細は不明だが、最低でもプラッドS+の1,100psを超えてくるのは確実と見られる同時に、年内にもニュル最速EV奪還の期待がかかる。