連載

GENROQ ランボルギーニヒストリー

Lamborghini Urus

始まりは2012年のオート・チャイナから

ドライビングモードは「STRADA=オンロード」「SPORT=スポーツ」「CORSA=レース」「NEVE=スノー」の4つを選択可能。さらにオプションで「TERRA=オフロード」と「SABBIA=砂漠」の両モードも追加できる。

2012年のオート・チャイナ(北京モーターショー)に、ランボルギーニはSUVスタイルのコンセプトカー、「ウルス」を出品した。世界的にSUVの人気が高まる傾向にある中、特に中国とアメリカという2大市場でさらに成功を収めるためには、SUVの新規投入は必要不可欠と考えられていたが、1998年にアウディグループに再編されたランボルギーニには、当時新型車の投入には慎重にならざるを得ない事情があった。

それはもちろん経済的な問題であり、実際ランボルギーニが、このウルスのプロダクションモデルを披露するまでには、さらに5年近くの歳月を必要としたのである。2017年12月4日、ウルスは正式にランボルギーニから発表された。

SSUVを名乗るには十分すぎるほど刺激的

ランボルギーニは、ウルスをSUVではなくSSUVとカテゴライズした。SSUVとはすなわち、スーパースポーツ・ユーティリティ・ヴィークルの意であり、それは市場に存在するこれまでのSUVを超越する圧倒的なパフォーマンスをウルスが持ち得ていることを誇示するものだった。

実際に生産型のウルスに搭載されたエンジンは、4.0リッターV型8気筒ツインターボで最高出力は650PS、最大トルクも850Nmという驚異的なスペックを誇る。0-100km/h加速は3.6秒、0-200km/h加速は12.8秒、そして最高速は305km/hというパフォーマンス・データは、SSUVを名乗るには十分すぎるほどに刺激的な数字だったことは言うまでもない。

スイッチで切り替えられる走行モード

SSUVたるウルスのコンセプトはボディデザインにも明確に表現されている。デザインを統括したランボルギーニ・チェントロ・スティーレ(デザインセンター)のチーフスタイリスト、ミティア・ボルケルトによれば、コンセプトカーで提案した刺激的なスタイルを継承しながら、あらゆるSUVと比較しても最も低く、そしてランボルギーニのDNAを感じるディテールを効果的に採り入れることをデザイン時には強く意識したという。

そのエクステリアと同様に、インテリアもまた前衛的なデザインで、かつラグジュアリーの極みといった印象だ。操作系の中で最も特徴的なのは、「Tamburo=タンブーロ」と呼ばれる走行モードの切り替えスイッチである。

ドライバーが選択できるのは「STRADA=オンロード」「SPORT=スポーツ」「CORSA=レース」「NEVE=スノー」の4つだが、さらにオプションで「TERRA=オフロード」と「SABBIA=砂漠」の両モードも追加することができる。ドライバーはこのモード選択だけで、常に最も安全で効率的な走りを楽しむことができるのだ。

パワーアップ、軽量化、空力の向上

2022年には、ウルスのラインナップにハイパフォーマンス版の「ウルス ペルフォルマンテ」が追加設定された。これは搭載される4.0リッターV8ツインターボを666PSへとパワーアップしたほか、47kgの軽量化やエアロダイナミクスの向上、さらにはサスペンションやタイヤの改良などを行ったモデル。

タンブーロには新たに「RALLY=ラリー」モードも加わった。そしてこのペルフォルマンテは、同年に発表された新型「ウルス S」の原型ともなったのである。

エアロダイナミクスを向上させたエクスエリアデザインが特徴の「ウラカン EVO」。スーパースポーツらしい戦闘的な雰囲気を強めた。

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ウルスがマイナーチェンジでウルス・ペルフォルマンテとウルスSに生まれ変わった。2台ともエンジンは4.0リッターV8ツインターボの最高出力が16‌PS引き上げられ666PSとなった。

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