300km走ってもガソリン残量に余裕あり!? スズキGSX-S125ABSでガス欠するまで走ってみた。|東海道ガス欠チャレンジ [Part03]

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
どないするタカハシ♪ GSX-S125ABSを駆って、東京・日本橋から京都をめざし、徳川家康を追う。満タンきっちり使い切りの東海道ワンウェイ・アタック、やらまいか浜松な家康くんに遭遇!

REPORT●AFO RIDER タカハシ(AFO RIDER Takahashi)
PHOTO●高橋克也(KATSUYA Takahashi)
ILLUSTRATION●高橋克也(KATSUYA Takahashi)
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
静岡県道216号谷稲葉IC交差点を曲がると現れる125cc以下通行禁止の標識。静岡県下のバイパス各所に仕込まれている(原付二種ライダーにとっては)凶悪なトラップだ。

静岡名物 バイパス・トラップ!

宿を走り出して数分後、いきなりトラップにかかった。県道の交差点を左折したとたん、目の前に125cc以下進入禁止の標識があらわれた。あわてて路肩に停めたものの、その先にエスケープルートはない。エンジンをとめ、バイクを押して歩行者と化し、さっき曲がったばかりの交差点までよちよち戻ることになった。
現代の125ccがまともにバイパスを走れないと思って通行規制したがる人物がまだ役所のどこかに生き残っていること自体、だいぶどうかしているんだが、せめて交差点の手前に予告標識くらい立てといてくれないもんだろうか。

日本晴れの掛川へ

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島田市内の静岡県道381号。なのに道ばたの距離標には国道マークがついている。かつて国道1号だった栄華の名残だろうか。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 大井川
『箱根馬子唄』にうたわれる「越すに越されぬ大井川」は江戸の昔話。全長たかだか1026mの大井川橋など、バイクなら一瞬だ。

東海道は島田市内で大井川を渡り、金谷宿をこえて小夜の中山(さよのなかやま)へ。そこから先は掛川市だ。抜けるような青空のもと、掛川城にたどりついた。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 小夜の中山
小夜の中山、幽霊子育て飴伝説で名高い小泉屋前。県道381号は、この付近から国道1号に変わる。
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かつてタカハシがCT125ハンターカブをガス欠させた日坂宿を通りすぎ、GSX-S125はさらに進む。単純にタンク容量がデカいから長く走れてるだけかもしれないが、燃費界の巨人「カブ系」に勝ったような気がして誇らしい。

たいていの城というものは、戦争用の建造物だ。だからこの掛川城にも血なまぐさい殺戮(さつりく)の歴史がまとわりついている。だが太平洋戦争終結から80年を経た令和の世では、城もすっかり平和ボケしたのか、ひたすら美しく、ひたすらのほほんと青空に映えていた。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 掛川城
1569年(永禄12年)から約20年にわたり、家康の遠州支配のかなめとなった掛川城。四足門(よつあしもん)の向こうに白亜の天守閣がそびえ、「東海の名城」と呼ばれた往時の姿をしのばせる。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 掛川城
1604年(慶長9年)の大地震でまずは倒壊。再建されたのはいいが1854年(安政元年)の大地震でまたも倒壊。1994年(平成6年)にまたまた復元された根性&執念の天守閣だ。

浜松で家康くんにめぐり逢う

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トリップ290km地点、フューエルメーターは残2目盛りに。

掛川からさらに西へ。天竜川を渡り、浜松市街に入ったところでフューエルメーターが動いた。ガス欠までの長旅も、ようやく残り半分を切ったようだ。
浜松に来たなら、やはり浜松城を見物しなくてはならない。ギラギラと熱い野望をたぎらせ、天下を望んでいた若かりし日の家康の根城だから、浜松市としても「やらまいか!」(←浜松方言。標準語でいうと「やったろやんけワレ!」の意味)とばかりに家康を担ぎ上げ、「出世大名 家康くん」キャラを全面展開して広報に余念がない。

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浜松城周辺の路上には、「出世大名 家康くん」が大量配備され、安全運転を促している。浜松市の名産品を示そうと、袴はピアノ、ちょんまげはウナギになっていてキュートだが、浜松のウルトラ大名物、モーターサイクルが描き込まれていない点が激しく不満だ。
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■タカハシが推奨する浜松の新ゆるキャラ「立身将軍 家康ちゃん」(バイク付き)がコレだ! バイクが描いてあるのでタカハシ的には大満足だが、浜松市議会は紛糾しそう♪
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 浜松城 鎧掛松
浜松城近くの鎧(よろい)掛松。三方ヶ原の戦いに敗れた家康が鎧を掛けた松だそうだ。汚れものを引っかけただけで史跡ができるとは、さすが偉人! でもこの松は昭和になって植え替えられた3代目で、残念ながら家康がリアルに鎧を掛けた樹ではない。

浜松城を発ち、さらに西へ、浜名湖をめざす。浜名湖東岸の舞坂宿をちらっと眺めて弁天島海浜公園に入り、荷物を下ろしてようやく一息ついた。

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舞阪宿の本雁木(もとがんぎ)跡。江戸時代、舞阪宿から新居宿までは船で湖を渡っていた。雁木はその船着き場をいう。ちなみに、ふつうは「がんぎ」と読むが、舞阪では「がんげ」と呼んでいる。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 舞阪宿 脇本陣
舞阪宿脇本陣。江戸から数えて30番目の東海道の宿場だ。脇本陣は、大名などが本陣に泊まれないとき使うサブの宿。このときすでに閉館時刻を過ぎていたが、もし開いていたら、もうちょっと華やかなはずだ。開館時間中なら無料で見学できる。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 浜名湖
浜名湖に朱の柱が映える。コレは宗教色満載の鳥居のたぐいではけっしてなく、無味無宗教の「観光シンボルタワー」ということになっている。だが無学で不見識な凡夫のタカハシには、なぜかガチガチのリアル鳥居にしか見えない。眼病だろうか。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 浜名湖
傾き始めた太陽が湖面を染める。

数か月前に比べると、浜名湖にも外国人観光客の姿が増え、そこかしこで耳慣れない外国語を聞くようになった。さんざん引っ張りまくった謎の新型コロナ騒動も終わりを告げたのだろう。夕陽がすっかり湖面に落ちきる前にと、ザックを担ぎなおして浜名湖を後にした。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 新居関所
高さ5.8mの堂々たる大御門(おおごもん)と高札場(こうさつば)が目をひく新居関所。1600年(慶長5年)に家康が作った幕府直轄の関所だ。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
浜名湖畔からの道は、もろに西日の目つぶしを受ける。潮見バイパスのランプウェイをくぐると道路は海岸を離れて潮見坂を上る。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
愛知県豊橋市街、国道1号は家路を急ぐクルマのラッシュにまみれていた。

渥美半島の付け根を突っ切る形で国道1号を西に進み、豊橋市内に入る。宿をみつけてバイクを停め、荷を解いた頃にはとっぷりと日が暮れていた。フューエルメーターは残2目盛り、トリップは343.8kmを指している。本日の走行距離は114.1kmだった。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
トリップ343.8km、フューエルメーターは残2に。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 地図
■東海道ガス欠チャレンジMAP/スズキ GSX-S125ABS/日本橋~豊橋

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AFO RIDER タカハシ

イラストレーター、カメラマン、ライター、ムービークリエイターなど、世間をあざむく幾つもの顔をもつが…