電動スクリーンが便利すぎる。23馬力では心もとない?  ホンダ・フォルツァの走りと装備を検証! 【動画・モトチャンプTV】

2018年にモデルチェンジしたホンダ・フォルツァ。2022年末には電動スクリーンを装備するなど、より快適性を高めている。果たして最新のフォルツァはどのような存在なのか、改めて検証してみよう。
2022年末に電動スクリーンを装備したホンダ・フォルツァ。

2018年にフルモデルチェンジして3代目に生まれ変わったホンダ・フォルツァ。現行モデルは2022年に電動スクリーンを装備するようになり、スポーティかつ上質なイメージをさらに向上させた。最新のフォルツァがどれだけ優れた乗り物であるのか、今回はユーチューブで動画を無料配信している「モトチャンプTV」にアップされている「【試乗 ホンダ・フォルツァ】 250ccクラスは走りも装備も上質さが段違い!?」という回をダイジェストにまとめて紹介してみよう。

エアロダイナミクスに優れるスタイリング。

今回もモトチャンプ編集長のチャボとジャーナリストのケニー佐川が紹介してくれている。オープニングでは切れ味を増したケニー佐川に注目。冒頭からチャボは「これ1台あれば他はいらない」と語るように、非常に完成度が高く満足度も高いモデルになっている。ではまず、スペックと装備からご紹介しよう。

フォルツァのスペックをご紹介

エンジンは249cc水冷単気筒SOHCのeSP +で23psと2.4kgmを発生。

新型フォルツァには249ccの水冷単気筒SOHC4バルブとなるeSP +エンジンが採用されている。最高出力は23ps/7750rpm、最大トルクは2.4kgm/6250rpmで数値的には驚くほどのものではない。ただし、性能的には十分で、大きく重い車体を鋭く加速させてくれるだけの実力を秘めている。公表されているWMTCモードでの燃費性能は32km/Lとなっている。

大型バイク並みのホイールベースを確保している。

全長が2メートルを超えホイールベースは1510mmと大型バイク並みのサイズとなっている車体。重量も186kgあり250ccクラスであることを考えると非常に大柄だと言える。実際目の当たりにした二人も「デカイ」と語るように混雑した街中を通勤で使うには大き過ぎるかもしれないが、ツーリングなどで乗るには最適なサイズだとも言えるだろう。シート高は780mmなので、ライダーの体格を選ばない足付き性。こうした点はスクーターならではだろう。またタンデム時にも十分なシートのサイズを確保している。

前後に大径ディスクと2ポットキャリパーを装備するブレーキ。

足回りではフロントに120/70-15、リヤに140/70-14サイズのタイヤ&ホイールを装備する。ここも同じ軽二輪である150ccクラスとは比較にならない部分で、大きな車体にふさわしい。また前後にディスクブレーキを装備していて、フロントにはφ256mm、リヤにφ240mmの大径ディスクを採用。前後ともに対向2ポットキャリパーを装備しているので、制動性能にも不足はない。もちろんABSを装備している。

フォルツァの装備をご紹介

もちろんキーレスを装備している。

今どきの250ccクラスらしくフォルツァにもキーレスが採用されている。キーを近づけるだけでシートオープナーや給油口を開くことができるので至って便利だ。エンジン始動はダイヤルをONにして押すだけだ。

シート下にはフルフェイスヘルメットを2個収納できる大容量を確保。

オープナーでロックを解除すると広いシート下スペースが現れる。その容量は48リッターとなっているので、ケニー佐川曰く「スケートボードも入りそう」というほど広い。実際にフルフェイスヘルメットを2個収納しても余裕のあるサイズなので、タンデムで出かけた際にも不便のない楽しみ方ができそうだ。

シート下の左脇にはポケットもあって使い勝手抜群。

さらにシート下では左脇にポケットまで装備されている。純正工具が収まっているが、手前にはさらにスペースがあるので小物を入れておくこともできる。こうした利便性はスクーターならではといった感じで、実用性の高さを痛感する。

アナログメーターの間に情報量が豊富なデジタルディスプレイを採用。

スピードとタコメーターをあえてアナログの2眼メーターとしているところがスポーティなメーターパネル。さらに2眼メーターの間には大型ディスプレイが採用されていて、情報量の多さも特徴だ。時計や水温計、燃料計などのほかオドメーターやトリップメーター、電圧計などまで表示されている。こちらのデジタルディスプレイは左グリップにある各種スイッチで操作が可能となっている。

新たに装備された電動スクリーンはわずか2秒ほどで作動を完了する。

そして注目なのが新たに装備された電動スクリーン。左グリップにあるスイッチを押し続けると2秒ほどで180mmほど持ち上がる。低くする場合もスイッチを押し続ければ2秒ほどで元の高さに戻る。走行中にも操作可能となっているが、チャボ曰く「いる?」とのこと。ギミックとしては新鮮だが、果たしてその効果はいかほどであるのか、試乗して確かめてみたいところだ。

ケニー佐川の試乗インプレッション

250ccクラスらしい加速力とクラス以上の安定性を得ている。

走り出してスロットルをワイドオープン! と、さすがに250ccらしく鋭い加速を披露して、あっという間に速度が高まる。珍しくケニー佐川が「抑え気味に行きます」というほどで186kgある車重に対して最高出力23psでは心許ないのでは?との想像が杞憂であることを教えてくれる。鋭い加速は豊かなトルク特性によるものと考えられ、走り出しから非常にスポーティな印象だ。さらにコーナーでの倒し込みもスムーズで、スクーターというよりスポーツバイクに乗っているかのような印象。だがスクーターらしくハンドル切れ角が大きいので、Uターンでは小回りの良さを披露してくれた。

走行中にスクリーンを上げると風切り音が見事に減少する。

極めてスポーティで上質な印象の走りだが、注目の電動スクリーンを上げてみるとどう変化するのだろう。大型スクリーンというと高速道路での快適性に優れると想像できるが、実は一般道でも効果は抜群。これはぜひ動画を視聴してほしいところで、左手でスイッチを操作してスクリーンが上がると、見事に風切り音が消えるのだ。もちろんライダーに当たる走行風も軽減されるので、走行中は絶えずスクリーンを上げていてもいいくらい。さらに特筆できるのは透明度の高さとスクリーン越しの視野に歪みがないこと。一般的にポリカーボネートなどのスクリーンは湾曲部に視野の歪みが生まれるものだが、フォルツァのスクリーンには歪みが全く感じられないのだ。視界の違和感は疲労にも直結するので、とても優れたスクリーンだといえる。

新車価格は70万円弱だが二人とも納得の様子。

ケニー佐川は大きな車体と長いホイールベースのため、試乗日は風が強かったのだがどっしりした安定感が損なわれることはなかったと語る。それだけ上質な乗り心地と優れた安定性を備えているということ。さらに鋭い加速力やスムーズなコーナリング特性などスポーティさも特筆もの。冒頭でチャボが「これ1台あればほかはいらない」というセリフに納得できる。そこで気になるのがお値段。フォルツァの新車価格は69万1900円(税込)で、125ccクラスが40万円以上するご時世であることを考えたら納得至極。思わず買っちゃいそうというセリフが飛び出すほどバリューフォーマネーな1台。できればHonda GOなどでレンタルして味わってほしいのだ。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…