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Moto Guzziは2019年に、かつてのバイクによる冒険の黄金時代を彷彿とさせるスタイリングと、現代のトラベルエンデューロの価値観と機能性を両立させた新しいセグメントを創造し、V85 TT はどこか懐かしさを覚えるデザインと、最新のテクノロジーを巧みに組み合わせて誕生した。
この新しいV85TTTravelの850ccユーロ5+Vツインエンジンには、新たに可変バルブタイミング機構が加わり、パフォーマンスと快適なライディング性能の向上を実現している。さらに装備の充実を図り、ツーリングバイクとしての基本性能をブラッシュアップしている。
モト・グッツィ・新型V85TT Travel商品概要
- メーカー希望小売価格 : 1,897,500円(消費税10%込)
- カラー : デザート ブロンズ
- 主要装備 :
DRL付きフルLEDヘッドライト、LEDウィンカー、
コーナリング ABSトラクションコントロール、クルーズコントロール、
5ライディングマップ、フルカラーTFT メーター、USBソケット、
手動調整式ツーリングスクリーン、
エアーディフレクター、アルミ製アンダーガード、ハンドガード、
MOTO GUZZI MIAマルチメディアプラットフォーム、
アーバンサイドケース、グリップヒーター、シートヒーター - 受注開始日 : 2024年8月9日(金)
- 出荷時期 : 2024年9月より順次
時代を超えたスタイルに新たな情熱が加わる
V85の象徴的ですぐにそれと認識できるスタイリングは、よりモダンな解釈で進化し、タンク、サイドパネル、フロントマッドガードのライン、そして彫刻の様な90°縦置き V ツイン エンジンによって確立される基本的なデザインなど、本来の魅力を維持する多数のディテールを改良している。
フロント部分はこれまでと同様に、モト・グッツィのイーグルのシルエットを描くDRLを備えた丸形のダブルLEDヘッドライトが装着されているが、ヘッドランプユニットとインストルメントパネルを固定するブラケットは、これまでのスチールパイプによるトレリス形状から、アルミニウム製ダイキャスト成形の洗練された物に変更され、さらにスポーティでダイナミックな存在感を与えている。フロントのスタイリッシュなテーマを継承し、リアグラブハンドルも同様にアルミニウム製が新たに導入され、エルゴノミクスの向上によりパッセンジャーの快適性にも貢献している。
燃料タンクはV85TTの特徴的な要素の1つで、その彫刻的な形状はさらにワイルドでダイナミックな印象を与え、シリンダーヘッドの真上にある“くぼみ”が、Vツインシリンダーとの自然なつながりに見せる工夫がなされている。エンジンのアップグレードを象徴し、そのシリンダーヘッドカバーも新たなデザインを採用している。
可変バルブタイミングを採用でパワーとトルクが向上したVツインエンジン
853ccエンジンは、現在すべてのMoto Guzziエンジンの構造スキームに従い、ローラータペットとアルミニウム製 ロッカーアームを備えたタイミングシステムに、V85TTにおいてはチタン製のφ42.5mm吸気バルブなどの優れたコンポーネントを導入当初より採用している。
新しいV85TTのエンジンは、ユーロ 5+排出ガス規制に準拠し、さらに出力を向上させ、低回転でのスロットルレスポンス、つまりトルクを向上させるために大幅な改良が行われている。 これは、エンジン速度に応じてバルブリフトの作動法則を最適化する可変バルブ タイミングの技術を採用し、実現していく。
V85 TTエンジンの可変バルブタイミングシステムは、カムシャフトと同軸に配置された位相バリエータの溝に沿って遠心力により移動する6個のボールを利用するもので、これによりエンジン回転数が6,500rpmを超えると作動し始め、カムシャフトを回転させて7000 rpmに最大値でカムを7° (タイミングダイアグラム全体で14°) まで遅らせる。全開位置では、カムシャフトの巧みなタイミングにより、高回転域での吸気効率が促進され、出力が向上する。専用のタイミングセンサーがバリエータの位置を継続的に監視し、最適なエンジン パラメータ管理を可能にする。
トルクの増加は3000rpmという早い段階で顕著になり、トルク曲線全体に広がります。3500rpmまでに最大トルクの90%を発生し、最大トルクは5100rpmで83Nmを発生する。これにより、さらに楽しいライディングを提供し、スロットルレスポンス及び低回転から高回転までフレキシブルに反応する。最高出力も先代モデルの76 hp / 7,500rpmから80 hp / 7,750rpm へと飛躍的に向上した。
もう1つの改良点は、ECU に重要なデータを供給するノックセンサーを追加し、点火時期のより正確な調整が可能となった。これにより、パフォーマンスや快適性、信頼性の向上など、さまざまなメリットがもたらされる。
トルクの出力をよりスムーズにするためにエキゾーストシステムは、ユーロ 5+規格で要求される性能のために3つ目のラムダセンサーが追加された。エンジンのその他の基本的な特性は変更されていない。潤滑には2つの同軸ポンプを使用したセミドライサンプ方式を採用し、1つはオイル供給用、もう1つは収用で、優れた潤滑性能を保証し、オイルクーラーの必要性を排除して重量の軽減に貢献している。セミドライサンプ方式は、別体のオイルタンクは必要とせず、ドライサンプ方式の利点をすべて備えている。オイルパンの小型化は、アルミニウム製のアンダーガードを装着しつつ、十分な最低地上高を確保する事に成功した。
インジェクションシステムはφ 52mmのシングルスロットル ボディに、マルチマップ ライド・バイ・ワイヤ スロットル制御を採用する。
これは正確なスロットル バルブ開度制御を可能にするシステムで、スムーズで確かな燃料供給効率を最適化するだけでなく、燃料消費量も削減します。V85TTのOHVエンジンは構造上、パワーを吸収するコンポーネントがほとんどなく 、プッシュロッドとロッカーによるバルブ駆動は、パワーロスの少ない優れている方法のひとつで、冷却水のポンプや長いドライブチェーンまたはベルトが無いため、燃料消費量の点で非常に有利な特性を持っている。
優れたウィンドプロテクション性能
Moto Guzzi のエンジニアが重点的に取り組んでいる分野の一つに、空力におけるプロテクション性能があります。これには広範囲にわたるCFD(数値流体力学) シミュレーションや数多くの風洞実験など、細心の注意を払った改良作業が行われた。形状が改良された新しいウィンドスクリーンは、手動で高さを70mmの範囲で5段階に調整でき、あらゆる状況での保護効果が大幅に改善したトラベルバージョン専用のツーリングスクリーンは、標準バージョン(日本未導入)と比較して、表面積が22%増加し、さらに新たにサイドデフレクターが追加され、その結果、ライダーのヘルメットにかかる風圧は、V85TT(標準バージョン) と比較して50%減少し、より幅が広く、保護性能の高い新しいハンドガードを採用して快適性の向上に貢献している。タンクの前部には新たに特許を取得したカバーを追加することにより、ライダーの胸部と顎に向かう空気の流れを効果的に減少させている。
新型の5インチ TFT メーターパネル
より大きくなった 新設計の5インチTFTカラー ディスプレイは、あらゆる情報をより見やすく表示できる。ハンドルバースイッチも新しくなり、クルーズコントロールを含むすべての機能に、より簡単で直感的にアクセスできるようになった。
モト・グッツィ・V85TT はさらに使いやすく、快適で、安全に
V85TTのフレームは、高張力スチールパイプで作られており、独自のエンジンマウントを利用して頑丈なフレームワークを形成している。このフレームワークは、オンロードでの正確性と安定性を向上させるだけでなく、オフロード走行時の耐久性と安心感も提供する。極めて合理的かつ効率的なシャシーレイアウトは、快適性と安全性をさらに高めるために改良された。
新V85 TT Travelのリアショックアブソーバーには、便利なダイヤル式のスプリングプリロード調整機能が追加されています。これにより、パッセンジャーを乗せての走行や、荷物を運んだ際に、バイクのセットアップを素早く行うことが可能だ。サスペンションは前後とも170mmの十分なホイールトラベル量を確保し、余裕のある210mmの最低地上高によってさらに高いオフロード性能を実現する。
軸慣性プラットフォームを搭載するなど電子制御も充実している。加速度計とジャイロスコープを備えたこの高度なシステムは、路面に対するバイクの姿勢を検出し、走行から得られた入力を記録して処理し、データを ECUに送信する。これにより、電子制御の管理がさらに細かく正確になり、コーナリングABSやコーナリングトラクションコントロールの機能が有効化することにより、リーンアングルに応じてブレーキ力とエンジン出力を調整して安全性とパフォーだマンスを向上させる。
ブレーキシステムは、フロントにφ320mmのダブルディスクと、ステンレスメッシュホースを介して マスター シリンダーに接続された Brembo 製対向4ピストンのラジアルマウントモノブロックキャリパーで構成され、リアには、φ260mmのシングルディスクに2ピストンフローティングキャリパーを組み合わせている。
トラクションコントロール(MGCT)、ABS、ライド・バイ・ワイヤ スロットル レスポンスなど、すべての電子制御の作動調整は、ライディング モードを通じて簡単に切替が可能だ。ロード、スポーツ、レインのライディング モードに加え、オフロード走行に特化したオフロード モードが設定されている。このモードでは、トラクション コントロールの介入レベルが最も低く、前輪のみABSがアクティブになる(前輪でABSを無効にすることも可能)設定で、エンジン ブレーキを強力にしてスロットル レスポンスをよりスムーズにする。さらにV85TT Travelにはカスタムモードも搭載されており、電子制御のレベルを完全にカスタマイズしてパーソナライズされたモードを作成することも可能です。また、アクセル操作なしで設定した速度を維持できるクルーズ コントロールも装備されており、一つのスイッチ の直感的な操作で作動し、設定速度の増減も行えます。
ロングツーリングに対応した装備が充実
V85 TT Travelは、ロングツーリングを前提に開発されたバイクとして、充実した装備を誇る。23リットルの燃料タンクは十分な航続距離を実現し、同セグメントではこのクラスでも数少ないシャフトドライブ方式の採用。
チェーンドライブよりも汚れやメンテナンスの点において優位であり、長距離を走行するライダーから好まれている。高いウィンドプロテクション性能を進化させたツーリングスクリーンに加え、新デザインのアーバンサイドケースが装備され、左側は 容量27.5リットル、右側は容量37リットルでフルフェイス ヘルメットが収納可能。大容量でありながら横幅の寸法を抑え、イグニッションキーを使用してロックの解除が行える。
さらには、ヒーテッドグリップと、左側のハンドルスイッチで温度調整が可能なライダー側シートヒーターや、スマートフォンを車両に接続してメーターパネルの機能を拡張できるマルチメディアプラットフォーム(Moto GuzziMIA)も標準装備されている。Moto Guzzi MIAは、ハンドルバー コントロールスイッチを使用して、音声アシスタント、通話、音楽再生を管理するインフォテイメント システムを利用することができる。
幅広いアクセサリーラインナップ
Moto Guzzi純正のスタイルと機能の両面で洗練されたV85用アクセサリーのラインナップは、新アイテムを加えてさらに充実した。これらのアクセサリーは、すべてオリジナルの部品と同様に厳格なテスト手順を経ており、品質と耐久性が認められている。
V85 TTトラベルに標準装着されているアルミニウムの装飾が美しいABS樹脂製アーバンサイドケースにマッチするトップ ボックスのラインアップはもちろん、アルミ製の3ボックスパニアは全く新しいデザインとなり、サイドケースは便利な横開きへと変更されている。他にも、タンクフィラーキャップにクイックリリース式のタンクバッグや、スポーティなスタイルの防水ソフトロールバッグなど、新しいラゲッジオプションも登場している。
あらゆるライディングシーンで役立つ、さらに実用的なアイテムをラインナップしている。
- LED フォグランプ:コンパクトなアルミニウム製ボディの省電力ライト。バイクのスタイリングと完璧にマッチし、夜間走行や霧による視界不良の際の視認性と安全性を高める。
- ヒーター付コンフォートシート:特殊な3Dネットインサートで快適性を高めるコンフォートシート。 3つの高さ (標準、ハイ、ロー) から選択が可能。ヒーター機能はMoto Guzzi MIAからアクセスできる。
- ドライブシャフトケースプロテクター:肉厚のスチールパイプ製で、ドライブシャフトケースを保護する。
- エンジンガード:スチールパイプ製で、エンジンをキズから守る。
- アジャスタブルレバー:アルミ製ビレットブレーキ/クラッチレバー。4段階のポジション調整が可能。
- ハイグリップエンデューロブレーキペダル:レーザーカットと粉体塗装により耐久性に優れ、厳しい条件でも優れたグリップ力を発揮できる。
- センタースタンド:さまざまな気象条件に耐えられるよう粉体塗装されたスチールで、安全性と耐久性の厳しい基準を満たす設計。
- 折り畳み式ミラー:オフロード走行時に折りたたむことができる。
- Öhlins 製リアショック:コンプレッション、リバウンド、スプリングプリロードの調整が可能で、あらゆる状況で最大限の快適性と安全性を提供する。
- シート下USBソケット:Moto Guzzi MIA マルチメディア プラットフォームの利用時に最適。 標準でインストルメントパネルの側面に装着されているポートに加えて、外部デバイスやスマートフォンを充電することができる。
- スプラッシュガード:粉体塗装されたスチールパイプ製のマッドガードで、水や泥ハネからパッセンジャーやバイクの後部を保する。
主要諸元/モト・グッツィ・V85TT Travel
エンジン形式 | 空冷4ストローク 縦置き 90°V 型 2 気筒 OHV 2 バルブ(チタン製吸気バルブ) |
総排気量 | 853cc |
ボア×ストローク | 84 x 77 mm |
圧縮比 | 10.5: 1 |
最高出力 | 80 HP (58.8 kW) / 7,750 rpm |
最大トルク | 83 Nm / 5,100 rpm |
燃料供給システム | 電子制御インジェクション、Ø 52 mm シングルスロットルボディ ライド・バイ・ワイヤ |
燃料タンク容量 | 23l (リザーブ 5l含む) |
クラッチ | 乾式単板 |
トランスミッション | 6 速 リターン |
フレーム | 高張力鋼管製フレーム |
フロントサスペンション | 油圧式 Ø 41 mm テレスコピック倒立フォーク、スプリングプリロードおよびリバ ウンドダンピング調整式 トラベル量:170 mm |
リアサスペンション | アルミ製スイングアーム、右サイドシングルショック、スプリングプリロードおよ びリバウンドダンピング調整 トラベル量:170 mm |
フロントブレーキ | φ320 mm ステンレススチール製フローティングダブルディスク、Brembo 製対 向 4 ピストンラジアルマウントキャリパー |
リアブレーキ | φ260 mm ステンレススチール製ディスク、2 ピストンフローティングキャリパー |
フロントタイヤ | 110/80 -19 クロススポーク チューブレスホイール 2.50” x 19” |
リアタイヤ | 150/70 -17 クロススポーク チューブレスホイール 4.25” x 17” |
全長/全幅 | 2,240 mm/950mm |
シート高 | 830 mm |
ホイールベース | 1,530 mm |
乾燥重量 | 211 kg (パニアケースを含まない) |
車両重量 | 243 kg (走行可能状態、燃料 90%・パニアケース搭載時) |
製造国 | イタリア |