目次
トライアンフ・ROCKET 3 R Evel Knievel…..3,429,000円(消費税込)
トライアンフ・ROCKET 3 GT Evel Knievel…3,499,000円(消費税込)
デアデビル(命知らず)の愛称をもつスタントマン、イーベル・クニーヴェルを記念して発表
トライアンフと伝説的なスタントマンであるイーベル・クニーヴェルとのパートナーシップを記念して、2台の新しい限定モデルである「Rocket 3 R & GT Evel Knievel Limited Editions」を発表することをお伝えする。デアデビル(命知らず)の愛称をもつ、数々の記録を破ったイーベル・クニーヴェル。その歴史の一部を所有できるこの貴重なモーターサイクルは、全世界で500台のみが販売される予定だ。
新型Rocket3R & GT Evel Knievel Limited Editionsは、彼が初めてBonneville T120に乗ってテレビ放映されたパフォーマンスから、シーザーズパレスの噴水を飛び越える画期的なパフォーマンスまで、トライアンフとイーベルの永続的な関係に敬意を表している。
特長
- トライアンフ モーターサイクルズは2025年モデルとして、シリアルナンバー入りの限定500台、Rocket 3 Evel Knievel(イーベル・クニーヴェル)モデルを発表
- 星条旗のグラフィックをあしらったハンドメイドのクロームタンクが特徴の唯一無二のデザイン
- イーベル・クニーヴェル仕様である特注のディテールと、コレクターズ・エディション限定ブック
- 市販のモーターサイクルでは世界最大のエンジンがもたらす、圧倒的なパフォーマンス
クロームメッキされた燃料タンクのデザインは、彼のアイコンである爽やかな白いジャンプスーツと星条旗のグラフィックからインスピレーションを得ており、タンクとは対照的なマットサファイアブラックがマッチングされたリアパネルには、イーベル・クニーヴェルのロゴがゴールドの刺繍で施されたレザーシートが組み合わされ、非常に大胆で印象的な外観となる。
このバイクには独自のスタートアップスクリーンアニメーションと、イーベル・クニーヴェルのシグネチャーロゴがレーザーエッチングされ、ブラックとゴールドのエンジンカバープレートにはシリアルナンバーが入る。さらにコレクターズアイテムとして、イーベル・クニーヴェルとトライアンフとの物語を綴った限定ハードカバーブックが、バイクと同じシリアルナンバー入りでオーナー全員にプレゼントされる。
記録破りの2500ccエンジンを搭載したロケット3 RとGTは、世界で最も有名な命知らずのスタントヒーローにふさわしいパワー、パフォーマンス、敏捷性を発揮する。驚異的な225Nmのトルクと182PS/7000rpmを発生するだけでなく、このLimited Editionは軽量アルミニウムフレーム、ハイスペックサスペンションコンポーネント、最高クラスのブレーキ性能を備え、ライダーにスムーズなレスポンスとハンドリングを提供する。
ポール・ストラウド – チーフ・コマーシャル・オフィサー
「イーベル・クニーヴェルは、60年代に、トライアンフのモーターサイクルで数々のスタントを披露しましたが、T120 TTに乗ってラスベガスのシーザーパレスで行ったジャンプは、何世代ものファンに衝撃を与え伝説を作った瞬間でした。
今回、クニーヴェル・ファミリーと協力し、あたかも全盛期のイーベル・クニーヴェルが路上で復活したかのような、まさに目を見張る2台の限定モデルを作り上げました。
この世界限定モデルは、クニーヴェル仕様の美しいデザインが施され、さらにイーベル・クニーヴェルとトライアンフとの物語を綴った限定ハードカバーブックが付属します。コレクターやファン、スリルを求める人々に大きくアピールする、各モデル世界限定250台のみの生産となります」
個性的なデザインとプレミアムな仕上がり
アメリカの星条旗をモチーフにしたレッド、ホワイト、ブルーのアイコニックなカラーリングは、見事なクローム仕上げの燃料タンクを彩り、フロントマッドガードにも新しいEKグラフィックを採用、さらにエレガントなゴールドのシグネチャーグラフィックがラジエーターカウルを飾る。
ピュアホワイトをアクセントに、フライスクリーン、ヘッドライトボウル、マッドガード、サイドパネル、リアボディにマットサファイアブラックのコントラストパネルを配したエクスクルーシブなカラーリングが、このバイクの力強い存在感を際立たせている。プレミアムレザーシートにはイーベル・クニーヴェルのサインがゴールドで刺繍され、ブラッシュドアルミニウムのトライアンフバッジがはめ込まれている。
また、オーナーの皆様にはトライアンフが特別に制作を依頼した、イーベル・クニーヴェルの驚くべきストーリーとトライアンフと彼との象徴的な関係を綴った、限定ハードカバーブックが付属。著名な作家であり、クニーヴェルの専門家でもあるスチュアート・バーカー氏が執筆したこの本には、バイクと同じシリアルナンバーが入り、トライアンフのCEOであるニック・ブロアのサインも入る。
究極のパフォーマンスと比類なき存在感
ライダーはマッスルロードスターとして大胆なスタイルングと、最適なパワーとコントロールを提供する限定モデル「Rocket 3 R」と、よりリラックスしたライディングポジションと、ゆったりとしたリアシートを追加した「Rocket 3 GT」のどちらかから選ぶことができる。
どちらも市販用としては世界最大のモーターサイクル用エンジンを搭載し、その溢れるパワーは爽快な加速と忘れられないライディング体験をライダーにもたらす。特徴的なトリプルサイレンサーは、両モーターサイクルの存在感をさらに高め、深く響くエキゾーストノートを奏でる。
驚異的なハンドリング
Rocketの素晴らしい性能を生かし、コントロールされた快適な乗り心地を提供できるのは、コンプレッションおよびリバウンドのダンパー調整が可能な直径47mmの大口径Showa製フォークの恩恵だ。さらにリアには、ピギーバック式リザーバー付きのShowa製モノショックRSUを装備し、プリロード、コンプレッションおよびリバウンドのダンパー調整が可能となる。
卓越した制動力は、フロントに奢られた最高仕様のブレンボ製ラジアルスタイル ブレーキキャリパーと320mm径ツインディスクによってもたらされる。この軽量・コンパクト・高性能なキャリパーは、アグレッシブな走行中でもパッドを冷却するための優れたエアフローを提供する。リアに配置されたブレンボM4.32 4ピストン ラジアルモノブロックリアキャリパーと300mmリアディスクは、多くのバイクのフロントブレーキセットアップよりも大きくて強力な制動力を発揮する。また、Rocket 3 RとGT Evel Knievel Limited Editionには最適化されたコーナリングABS機能も装備されている。
個性的なエルゴノミクス
それぞれのRocketは、エルゴノミクスの重要な違いにより、独特のフィーリングと個性を提供する。Rのロードスター的なライダーポジションとハンドル位置は、魅力的なライディングを生み出すように明確な目的を持って設計されている。方やGTはRに対してグリップ位置が125mm高くなり、よりアップライトなライディングポジションとなる。
また、各モデルにはそれぞれ専用のシートが設定されている。Rocket 3 Rのシート高は773mmで、快適性、低速域での安心感、操縦性を提供するロードスター・ライダー&パッセンジャー・シートを採用。長時間のライディングでの快適性を向上させるために設計されたRocket 3 GT Evel Knievel Limited Editionは、ライダーシートとリアシートにたっぷりとパッドを入れ、同色のレザー製リアバックレストを装備することで、パッセンジャーの快適性とスタイルの両方を確保し、ツーリングでの快適性を高めている。GTのシート高はわずか750mmで、ライダーにとっての信頼性をさらに高める。
2モデルの最大の違いはフットペグポジションにある。Rはミッドフットコントロールペグを装備し、2段階の15mm上下調節が可能。あらゆる体格のライダーに対応し、自然でスポーティなライディングポジションを提供する。GTはよりゆったりとしたクルーザー感覚をもたらす前方フットコントロールペグを装備し、水平に50mm、3段階の調整が可能でロングライドに最も快適なポジションを提供する。RとGTの両モデルには、使用しないときはスマートに収納できる革新的なリアフットレストが装備されている。
アグレッシブなスタイルを強調するRocket 3には、トライアンフのトライアングルロゴと特徴的な形状のデイタイムランニングライト(DRL)*を備えたツインLEDヘッドライトが装備されている。また、LEDインジケーター、リアライト、ナンバープレートライトも装備し、夜間でもロケット3の存在感を際立たせる。
充実の装備
ライダーに焦点を当てた直感的なテクノロジーにより、ライダーは自信を持ってRocket 3 RとGTの壮大なパフォーマンスポテンシャルを引き出すことができる。
ライド バイ ワイヤは、走行性、安全性、コントロール性を向上させ、高性能なギアボックスはヘリカルカットギアで設計され、大きなトルクをスムーズにリアホイールに伝達する。トルク アシスト クラッチは、ライダーが満足のいくスピードとスムーズさで6速ボックスをシフトアップ/ダウンできるようサポートし、トライアンフ シフト アシスト クイックシフターが両モデルにアクセサリーとして装着可能だ。両モデルとも、最適化されたコーナリングABSとトラクション・コントロールが安定性を向上させ、直進性とコーナリング、加速とブレーキングを向上させている。
ヒルホールドブレーキはバイクの後退を防ぎ、ライダーが走り出すのを感知するまでリアブレーキをかけ続ける。両モデルとも「ロード、レイン、スポーツ、(好みの設定が可能な)ライダー」という4つのライディング・モードを装備し、スロットル・マップとトラクション・コントロールの設定を調整する。電子制御式クルーズ・コントロール・システムも標準装備。ボタンを1回押すだけで作動し、速度を1km/h単位で上下させることが可能だ。
両モデルとも、5方向バックライト付きジョイスティックを備えた高機能フルカラーTFTを採用。2つのレイアウトテーマを持つミニマムでスタイリッシュなデザインで、モニター角度の調節が可能なため、あらゆる身長のライダーに最適な視認性を提供する。ライダーはスタートアップ画面のメッセージを、自分の名前でパーソナライズすることも可能だ。
さらに安全性を高めるため、両モデルともキーレス イグニッションとステアリング ロックが標準装備されており、それを無効にすることも可能だ。バッテリーを長持ちさせ、セキュリティを高めるために、キーフォブをオフにすることもできる。さらに、シート下の専用コンパートメントにはUSB充電ソケットがあり、充電中のデバイスを安全かつ乾燥した状態に保つことができる。
パーソナライズされた限定モデル
快適性、実用性、スタイル、安全性を高める50種類以上のトライアンフ純正アクセサリーで、ライダーはLimited Editionをカスタマイズすることができる。オーナーは交換可能なRとGTのフットコントローラー、人間工学に合わせたライダーシートとリアシート、利便性を高めるプラグアンドプレイテクノロジー、外観をカスタマイズするスタイリングパーツ、ロングライド用のラゲッジ類ら、好みのアクセサリーを選ぶことができる。
仕様
- メーカー希望小売価格
ROCKET 3 R Evel Knievel…..¥3,429,000(税込)
ROCKET 3 GT Evel Knievel…¥3,499,000(税込)
主要諸元/ROCKET 3 R & GT Evel Knievel
エンジンとトランスミッション
タイプ:水冷直列3気筒DOHC
排気量: 2,458cc
ボア: 110.2 mm
ストローク: 85.9 mm
圧縮比: 10.8:1
最高出力: 182 PS / 134 kW @ 7,000 rpm
最大トルク: 225 Nm @ 4,000 rpm
燃料システム: ライドバイワイヤ式 燃料噴射
エキゾースト: ステンレス製 3 in 1 ヘッダーシステムと3本出しサイレンサー
駆動方式: シャフトドライブ
クラッチ: 湿式多板、油圧式トルクアシストクラッチ
ギアボックス: 6速
シャシー
フレーム:フルアルミニウム製フレーム
スイングアーム: アルミ鋳造製片持ち式
フロントホイール: 17 x 3.5インチ アルミ鋳造
リアホイール: 16 x 7.5インチ アルミ鋳造
フロントタイヤ: 150/80 R17 V
リアタイヤ: 240/50 R16 V
フロントサスペンション:Showa製47mm倒立1+1カートリッジ式フロントフォーク、コンプレッションおよびリバウント調整可能、ホイールトラベル120mm
リアサスペンション:Showa製フルアジャスタブル・ピギーバック・リザーバーRSU、油圧式リモートプリロードアジャスター、ホイールトラベル107mm
フロントブレーキ:
320mm径ダブルディスク、ブレンボ製M4.30 Stylema®
4ピストンラジアルモノブロックキャリパー、最適化コーナリングABS
リアブレーキ:
300mm径シングルディスク、ブレンボ製M4.32
4ピストンモノブロックキャリパー、最適化コーナリングABS
寸法および重量
全長:2365mm
ハンドルを含む横幅: 920mm 940mm
全高(ミラーを含まない): 1125mm 1183mm
シート高: 773mm 750mm
ホイールベース: 1677mm
キャスターアングル: 27.9 °
トレール: 134.9mm
車体重量:318kg 321kg
燃料タンク容量: 18リットル
伝説の誕生 – イーベル・クニーヴェル
ロバート・クレイグ・「イーベル」・クニーヴェル(1938年10月17日~2007年11月30日)は、アメリカを代表するオートバイのスタントパフォーマーであり、ショーマンだった。
多くの世代のファンにとって、彼は単なるスタントマンではなく、大胆さと冒険のシンボルでありトライアンフのモーターサイクルは、彼が名声を得る上で極めて重要な役割を果たしてきた。
クニーヴェルはトライアンフ・ボンネビルで数々の大ジャンプを披露し、その中には初めてテレビ放映されたスタントや、彼の世界的な名声を確固たるものにした1967年のシーザーズパレスでの噴水ジャンプも含まれている。
そして1967年と1968年の間、クニーヴェルは様々な危険な偉業を成し遂げるにあたり、トライアンフの優れたハンドリングと信頼性を大きく評価し、もっぱらトライアンフに乗り続けてきた。イーベルの象徴的な名前は、1956年に警察の追跡を受けてバイクをクラッシュさせたことから生まれたと言われている。無謀運転の罪で刑務所に入れられた彼は、ウィリアム・ノッフェルという男の隣の独房に入れられた。ノッフェルは 「Awful Knoffel」(「Aw awful 」と 「Knoffel 」の韻を踏んでいる)として有名でしたが、点呼の際に看守はクニーヴェルのことも 「Evil (邪悪な) Knievel 」と呼んだのだ。イーベルはこの韻を気に入り、自分の名字に合うように、そして「邪悪」と思われたくなかったので、わざとこのミススペルを選んでいた!
人生の中で田舎の郡市から満員御礼のスタジアムまで175回以上のジャンプを披露したクニーヴェルは、危険と真っ向から対決し、その挑戦の物語を語り継ぐために生きた男だった。ギネス・ワールド・レコーズによれば、彼の骨折や再骨折の回数は433回(これは誇張されている可能性が高い)に上り、その生涯のほとんどを病院で過ごした。しかし、ジャンプに失敗し、墜落し、何度も骨折したにもかかわらず、彼は常に再起して挑戦を続けたのだ。
そして、イーベル・クニーヴェルは次世代も驚くべき遺産を残していった。彼は全世代子供たちにプッシュバイク(補助輪もペダルもない、足のキックだけで進む小児用自転車)でスロープを超えるジャンプを勧め、そしてそれを成長したらオートバイへと進化させるよう勧めてきたのだ。実際、今日のトップ・スタント・パフォーマーやエクストリーム・スポーツのアスリートのほとんどが、イーベル・クニーヴェルにインスピレーションを受けたと語っている。いまもプッシュバイクでウィリーする子供たち、スロットルをガンガン開けるオートバイ乗りたちの中には、イーベル・クニーヴェルの精神が生き続けている。
イーベル・クニーヴェル – 勝利の歴史
1967年、カリフォルニア州ガーデナのアスコット・パーク・スピードウェイで、650ccのボンネビルT120で15台の車を飛び越え、ABCの『ワイド・ワールド・オブ・スポーツ』に初出演したことで、イーベルはついに全米に知られるようになる。
1967年と1968年の間、イーベル・クニーヴェルはロサンゼルスのジョンソン・モータースから提供されたトライアンフだけに乗っていた。彼はアメリカ全土で少なくとも15回のジャンプを行い、最初は自動車を飛び越え、その後ラスベガスのシーザーズパレスの噴水を141フィートで飛び越えるという、彼のキャリアの中で最長のジャンプに挑戦した。
1978年、イーベルは最後の挑戦の相棒として、再度トライアンフを選択。それは750ccのボンネビルT140だった。しかしその時点で、すでにクニーヴェルはジャンプをすることができないほどの大怪我をしていたため、代わりにウィリーを披露し、他のスタントマンや女性たちが観客にスリルを提供する中、彼はセレモニーの司会を務めた。
そして1980年3月、プエルトリコで行われたのが彼の最後の公の場でのパフォーマンスとなり、イーベル・クニーヴェルはそのキャリアをトライアンフで終えたことになる。
アスコット・パーク・スピードウェイ – 初のテレビ出演
ABCの『Wide World of Sports』は、南カリフォルニアのガーデナにあるアスコット・パーク・スピードウェイで、彼が15台の車を飛び越える様子を撮影することに同意した。
このジャンプは、クニーヴェルが初めて全国ネットのテレビに登場した瞬間であり、その映像はジャンプの2週間後に放映された。 1967年3月25日、アメリカのテレビ視聴者は、トライアンフ・ボンネビルを駆ってジャンプするイーベル・クニーヴェルの姿を初めて目にした。このアスコット・ジャンプは、今ではイーベルの象徴となった白いジャンプスーツとマントが登場する前のものだった。彼はこの時、黄色と黒のレザーを着用していたが、数ヵ月後にアスコットに戻り、今度は初めて白いジャンプスーツを着て16台のバイクをジャンプで飛び越えた。
カラー・ミー・ラッキー
ガーデナから8ヵ月後、イーベル・クニーヴェルは、ラスベガスのシーザーズ・パレスの噴水をトライアンフ・ボンネビルT120で飛び越えたことで「カラー・ミー・ラッキー」と名付けられ、一夜にして世界的な名声を獲得した。
大晦日のお祭りを前に、1967年12月31日、この試みを見ようと何千人もの人々がカジノの外に集まった。しかし、噴水の上空141フィートにまで舞い上がったニーベルは、着地の際にボンネビルのコントロールを失い、大クラッシュをして観ていた観客達を驚かせた。
彼は脳震盪、複数の肋骨骨折、左腰の骨折、骨盤の粉砕骨折、顎の骨折、鼻の骨折を負った。「本当にひどい怪我だった」と彼は言う。昏睡状態で29日間を過ごした後、クニーヴェルは目を覚まし、自分が国際的に有名になったこと、そして自分の人生が二度と元のような生活に戻らないことを知ったのだ。
ロケットマン – スネーク・リバー・キャニオン・ジャンプ
イーベル・クニーヴェルが行ったとんでもないスタントの中で最も壮観だったのは、アイダホ州の幅500mのスネーク・リバー・キャニオンを、彼がX-2と名付けた蒸気ロケットを使って飛び越えようとしたことだった。
しかし、X-2が作られるずっと前から、クニーヴェルは「スカイサイクル」と呼ぶ大きく改造されたトライアンフ・ボンネビルT120で飛び越えることを計画していた。当初のアイデアはグランドキャニオンを飛び越えるというもので、モックアップのトライアンフがイベントで披露され、ジャンプの宣伝を盛り上げた。ダミーのボンネビルには、4フィートのデルタ翼、シートベルト、パラシュート、2基のジェットブースターエンジンが装備されていた。
しかし、グランドキャニオンでのスタントは国立公園局によって拒否されてしまった。そのためクニーヴェルは代わりに、少し狭いが堂々としたスネーク・リバー・キャニオンへ挑戦の場を移した。 それでも、このような大ジャンプをするためには、従来のオートバイとは異なる種類の乗り物が必要であることは明らかであった。あきらめないクニーヴェルは計画を変更し、米海軍のロケット・エンジニア、ボブ・トゥルーアックスとともに超高温蒸気ロケットを開発し、クニーヴェルはこれをスカイサイクルX-2と名付けたのだ。
1974年9月8日、数ヶ月にわたる大々的な宣伝の後、クニーヴェルは発射ボタンを押し、56度の角度に設定されたスロープを駆け上がり、飛行開始5秒後に最高速度時速394マイル(時速約634km)に達することを期待した。これは、これまでに試みられた中で最も壮大で危険なスタントのひとつだが……最終的には失敗に終わることになった。
ロケットのドラッグ・パラシュートが離陸時に開き、クニーヴェルとスカイサイクルはコントロールを失ってしまった。生死もわからぬまま峡谷に消えていくクニーヴェルを、世界中が恐怖の目で見守ったが、溺死するはずだった川から数フィートの岩場に、奇跡的に不時着した彼は、比較的無傷で生還し、救助隊に救われることとなる。
スネーク・リバー・キャニオンのスタントは、イーベル・クニーヴェルの目覚ましいキャリアの大きなきっかけとなった。彼はその後も多くのジャンプを成功させたが、残念ながらこれほど突飛なこと、これほど大規模なことに再び挑戦することはなかった。 しかし、ここまでで彼の名声は完全に確立され、ジェームス・ディーン、スティーブ・マックイーン、マーロン・ブランドがそうであったように、彼を世界中のモーターサイクル文化の中心に押し上げた。
2024年、スネーク・リバー・キャニオン挑戦50周年を記念するセレブレーションの一環として、イーベルの息子ケリーとスタント界のレジェンド、ロビー・マディソンは、アイダホ州ツインフォールズを2台の特別なトリビュートマシン、ボンネビルT120とロケット3でパレードを行いった。