買うなら今? 2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク【国内メーカー23モデル】

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデルを紹介
今、50cc以下の原付バイク(原付一種)が絶滅の危機にある。2025年(令和7年)11月から施行される予定の新しい排気ガス規制に、現行の50cc以下モデルでは対応させることが技術や費用面で難しいためだ。
現在、警察庁が検討を進めている「新基準原付」は、そうした問題への対応策だ。新基準原付とは、125ccや110ccなど、より排気量が大きいことで、新しい排気ガス規制値に対応可能なバイクをベースに、最高出力を4.0kw(5.4PS)以下に制御したバイクのこと。警察庁では、こうした対応モデルを、現行の50cc以下の原付バイクと同じ車両区分にすることを検討しているのだ。
そして、もし導入されれば、125cc以下のバイクでも、新基準原付であれば実技試験のある「小型限定普通二輪免許」以上の免許は不要。学科試験や適性検査などに合格すれば取得できる原付免許や、普通自動車免許などでも運転が可能となる。
だが、ここで、気になるのは、こうした動きがそのまま進めば、おそらく2025年には現在販売されている50cc以下の原付バイクは、新車で買うことができなくなることだ。つまり、買うなら今しかない可能性も高いのだ。
では、一体、どういったモデルが絶滅の対象となりそうなのだろうか? ここでは、国産モデルを中心に、今(2023年3月5日現在)新車で購入可能な50cc原付モデルをピックアップしてみる。

REPORT●平塚直樹
PHOTO●本田技研工業、ヤマハ発動機、スズキ

ミッション付きモデル4機種

まず、ミッション車では、現在、ホンダのスーパーカブ・シリーズのみがラインアップ。60年以上の歴史を誇る伝統のモデル群だ。配送業務などはもちろん、最近は街をファッショナブルに乗れるモデルとしても高い人気を誇っている。

●ホンダ・スーパーカブ50
乗り降りしやすいアンダーバックボーンフレームに、クラッチレバーのない4速ロータリーミッションなどで、手軽に扱えることが魅力。レッグシールドやリヤキャリア、丸目のLEDヘッドライトなどが、レトロなスタイルと高い実用性を両立している。

【主要諸元】
■全長1860mm×全幅695mm×全高1040mm■シート高735mm■車両重量96kg■エンジン:49cc・空冷単気筒■最高出力2.7kW(3.7PS)/7500rpm■最大トルク3.8N・m(0.39kgf-m)/5500rpm■燃料タンク容量4.3L■タイヤ:前後60/100-17■価格(税込)24万7500円

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ホンダ・スーパーカブ50

●ホンダ・スーパーカブ50プロ
積載性にすぐれた大型のフロントバスケットを装備し、積載性をより高めたプロ仕様。小径14インチタイヤの装備により、配達などでの乗り降りや取り回しがやりやすい設定となっていることも特徴だ。

【主要諸元】
■全長1860mm×全幅720mm×全高1050mm■シート高740mm■車両重量108kg■エンジン:49cc・空冷単気筒■最高出力2.7kW(3.7PS)/7500rpm■最大トルク3.8N・m(0.39kgf-m)/5500rpm■燃料タンク容量4.3L■タイヤ:前70/100-14、後80/100-14■価格(税込)26万9500円

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ホンダ・スーパーカブ50プロ

●ホンダ・クロスカブ50/くまモン バージョン
レッグシールドを取り外し、ライトガードやマッドガード、フォークブーツなどを追加することで、アウトドアを軽快かつアクティブに楽しめるモデル。ホンダの工場がある熊本県のゆるキャラをイメージした「くまモン バージョン」もラインアップする。

【主要諸元】
■全長1840mm×全幅720mm×全高1050mm■シート高740mm■車両重量100kg■エンジン:49cc・空冷単気筒■最高出力2.7kW(3.7PS)/7500rpm■最大トルク3.8N・m(0.39kgf-m)/5500rpm■燃料タンク容量4.3L■タイヤ:前70/100-14、後80/100-14■価格(税込)30万8000円<くまモン バージョン31万9000円>

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ホンダ・クロスカブ50
2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ホンダ・クロスカブ50くまモン バージョン

スクーターモデル19機種

現在、原付一種のメインストリームといえるのがスクーター。シフト操作は不要だし、取り回しも楽。通勤・通学や近所の買い物など、日常の足として最適なモデルから、運搬業務などの仕事用まで、さまざまなタイプが揃っている。

●ホンダ・ジョルノ/くまモン バージョン
曲線主体のスタイルに、シックなカラーをマッチさせた上品スタイルが魅力。フロント左側にフタ付きグローブボックス、右側には500mlのペットボトルも収納可能なインナーラックを装備し、利便性も抜群。黒×赤カラーの「くまモン バージョン」もある。

【主要諸元】
■全長1650mm×全幅670mm×全高1035mm■シート高720mm■車両重量81kg■エンジン:49cc・水冷単気筒■最高出力3.3kW(4.5PS)/8000rpm■最大トルク4.1N・m(0.42kgf-m)/6000rpm■燃料タンク容量4.5L■タイヤ:前後80/100-10■価格(税込)20万9000円<くまモン バージョン21万7800円>

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ホンダ・ジョルノ
2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ホンダ・クロスカブ50くまモン バージョン

●ホンダ・タクト
50cc・水冷エンジン「eSP」には、アイドリングストップ機能も採用。信号待ちなどでの静粛性はもちろん、優れた燃費性能も実現する。容量20Lのシート下ラゲッジボックス、フロントのインナーラックや大型フックなど、多様な収納スペースも備える。

【主要諸元】
■全長1675mm×全幅670mm×全高1035mm■シート高720mm■車両重量79kg■エンジン:49cc・水冷単気筒■最高出力3.3kW(4.5PS)/8000rpm■最大トルク4.1N・m(0.42kgf-m)/6000rpm■燃料タンク容量4.5L■タイヤ:前後80/100-10■価格(税込)19万2500円

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ホンダ・タクト

●ホンダ・タクト ベーシック
タクトをベースに、より足着き性に考慮したローシートを採用したモデル。タクトと比較して、シート高を15mm下げることで、より乗り降りなどがしやすい仕様だ。シート下のラゲッジボックス容量は、ローシート仕様ながら19Lを確保している。

【主要諸元】
■全長1675mm×全幅670mm×全高1035mm■シート高705mm■車両重量78kg■エンジン:49cc・水冷単気筒■最高出力3.3kW(4.5PS)/8000rpm■最大トルク4.1N・m(0.42kgf-m)/6000rpm■燃料タンク容量4.5L■タイヤ:前後80/100-10■価格(税込)17万9300円

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ホンダ・タクト ベーシック

●ホンダ・ダンク
プレーンで高い質感を持つフォルムが、都市にベストマッチ。シートには、背負ったバッグが載せられるよう後方に長く伸びたフラットな形状を採用。スマートフォンなどの充電が可能なアクセサリーソケット付きグローブボックスなど、充実装備を誇っている。

【主要諸元】
■全長1675mm×全幅700mm×全高1040mm■シート高730mm■車両重量81kg■エンジン:49cc・水冷単気筒■最高出力3.3kW(4.5PS)/8000rpm■最大トルク4.1N・m(0.42kgf-m)/6000rpm■燃料タンク容量4.5L■タイヤ:前後90/90-10■価格(税込)22万9900円

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ホンダ・ダンク

●ヤマハ・ジョグ
スポーティなスタイルの定番モデル。左ブレーキレバー(後輪ブレーキ)の操作で、前輪にもほどよく制動力を配分するコンビブレーキの採用で、制動時の高い安定性も実現する。705mmの低いシート高で、足着き性も抜群だ。

【主要諸元】
■全長1675mm×全幅670mm×全高1040mm■シート高705mm■車両重量78kg■エンジン:49cc・水冷単気筒■最高出力3.3kW(4.5PS)/8000rpm■最大トルク4.1N・m(0.42kgf-m)/6000rpm■燃料タンク容量4.5L■タイヤ:前後80/100-10■価格(税込)18万1500円

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ヤマハ・ジョグ

●ヤマハ・ジョグ デラックス
省燃費や静粛性を実現するアイドリングストップ機能付きのジョグ上級バージョン。ダブルステッチ付きシートや立体エンブレムなどで上質感も演出。シート高は、ジョグより15mm高い720mmで、シート下ラゲッジはジョグの約19Lに対し約20Lを確保する。

【主要諸元】
■全長1675mm×全幅670mm×全高1040mm■シート高720mm■車両重量79kg■エンジン:49cc・水冷単気筒■最高出力3.3kW(4.5PS)/8000rpm■最大トルク4.1N・m(0.42kgf-m)/6000rpm■燃料タンク容量4.5L■タイヤ:前後80/100-10■価格(税込)19万4700円

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ヤマハ・ジョグ デラックス

●ヤマハ・ビーノ
レトロでキュートなスタイルが魅力。実用性も抜群で、フロント左側のグローブボックスにはアクセサリーソケットも内蔵。右側には500mlのペットボトルも収納できるインナーボックスを備える。シート下ラゲッジは容量約20Lで、ヘルメットも収納可能だ。

【主要諸元】
■全長1650mm×全幅670mm×全高1015mm■シート高720mm■車両重量81kg■エンジン:49cc・水冷単気筒■最高出力3.3kW(4.5PS)/8000rpm■最大トルク4.1N・m(0.42kgf-m)/6000rpm■燃料タンク容量4.5L■タイヤ:前後80/100-10■価格(税込)21万4500円

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ヤマハ・ビーノ

●スズキ・アドレスV50
スマートなデザインの軽量な車体に、優れた燃費性能を発揮する空冷SEPエンジンを搭載。U字ロックを足元にすっきり収納できるU字ロックホルダーや、スタンド掛けをスムーズな動作で行えるスタンドグリップ、リヤキャリアなど、利便性の高い装備も魅力だ。

【主要諸元】
■全長1670mm×全幅620mm×全高1005mm■シート高710mm■車両重量74kg■エンジン:49cc・強制空冷単気筒■最高出力2.7kW(3.7PS)/8500rpm■最大トルク3.4N・m(0.35kgf-m)/7000rpm■燃料タンク容量4.8L■タイヤ:前後80/90-10■価格(税込)19万3600円

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
スズキ・アドレスV50

●スズキ・レッツ
シンプルなスタイルと、使いやすさを重視した装備などが魅力のベーシックモデル。燃費性能に優れる空冷SEPエンジンを、車両重量70kgの超軽量な車体に搭載。U字ロックホルダー付リヤキャリア、コンビニフック付きフロントインナーラックなども装備する。

【主要諸元】
■全長1660mm×全幅615mm×全高995mm■シート高695mm■車両重量70kg■エンジン:49cc・強制空冷単気筒■最高出力2.7kW(3.7PS)/8500rpm■最大トルク3.4N・m(0.35kgf-m)/7000rpm■燃料タンク容量4.8L■タイヤ:前後80/90-10■価格(税込)17万8200円

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
スズキ・レッツ

●スズキ・レッツバスケット
スーパーの買い物カゴとほぼ同サイズのフロントビッグバスケットを装備。ロール式のシャッターの採用で、走行中に荷物が飛び出すことなども防止する。2Lのペットボトルが入るフロントインナーラックや、大型サイズのかばんホルダーも備え、積載性も抜群だ。

【主要諸元】
■全長1660mm×全幅615mm×全高985mm■シート高695mm■車両重量76kg■エンジン:49cc・強制空冷単気筒■最高出力2.7kW(3.7PS)/8500rpm■最大トルク3.4N・m(0.35kgf-m)/7000rpm■燃料タンク容量4.8L■タイヤ:前後80/90-10■価格(税込)19万9100円

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
スズキ・レッツバスケット

●ホンダ・ベンリィ/ベンリィプロ
便利で扱いやすいビジネスモデル。燃料タンクは大容量10Lで、給油の回数を軽減。リヤデッキは最大積載量30kgの大型で、重い荷物の積載も可能だ。大型のフロントバスケットやリヤキャリアなど、新聞配達向け装備を追加したベンリィプロもラインアップする。

【主要諸元】
■全長1830<1845>mm×全幅690<755>mm×全高1035mm■シート高710mm■車両重量110<114>kg■エンジン:49cc・水冷単気筒■最高出力3.2kW(4.4PS)/7750rpm■最大トルク4.2N・m(0.43kgf-m)/6000rpm■燃料タンク容量10L■タイヤ:前90/90-12、後110/90-10■価格(税込)24万2000円<25万3000円>
*< >内はベンリィプロ

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ホンダ・ベンリィ
2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ホンダ・ベンリィプロ

●ヤマハ・ギア/ニュースギア/パーキングスタンド仕様
配送業務向けモデル。前後130mm径のドラムブレーキと軽量なアルミ製キャストホイールは、パワフルなエンジンと相まって優れた制動力と走行性を実現。新聞配達向けのニュースギアや、シートに座ったままスタンド掛けができるパーキングスタンド仕様もある。

【主要諸元】
■全長1850<1865>mm×全幅680<740>mm×全高1025<1060>mm■シート高715mm■車両重量98<104>[101]kg■エンジン:49cc・水冷単気筒■最高出力3.2kW(4.3PS)/8500rpm■最大トルク4.1N・m(0.42kgf-m)/6500rpm■燃料タンク容量7.5L■タイヤ:前90/90-12、後110/90-10■価格(税込)26万700円<27万1700円>[28万2700円]
*< >内はニュースギア、[ ]内はギア パーキングスタンド仕様

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ヤマハ・ギア
2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ヤマハ・ニュースギア
2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ヤマハ・ギア パーキングスタンド仕様

●ホンダ・ジャイロXスタンダード/ベーシック
優れた安定性を誇るビジネス向け3輪スクーター。使いやすいパーキングロックなどを採用。用途に応じて使えるデッキタイプの荷台を備える「ベーシック」と、風やホコリを防ぐシールドなどを備える「スタンダード」の2タイプを用意する。

【主要諸元】
■全長1700mm×全幅665mm×全高1405<1050>mm■シート高735mm■車両重量113<110>kg■エンジン:49cc・水冷単気筒■最高出力3.4kW(4.6PS)/7500rpm■最大トルク4.4N・m(0.45kgf-m)/7000rpm■燃料タンク容量4.6L■タイヤ:前90/100-10、後130/70-8■価格(税込)42万6800円<40万4800円>
*< >内はベーシック

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ホンダ・ジャイロXスタンダード
2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ホンダ・ジャイロXベーシック

●ホンダ・ジャイロキャノピー
雨風を防ぐ大型ルーフ付き3輪スクーター。ウインドスクリーンには、ワイパーやウォッシャーも装備し、雨天時にも良好な視界を確保。パーキングロックやデッキタイプの荷掛フック付き荷台など、配送などの業務に最適な装備を誇る。

【主要諸元】
■全長1,895mm×全幅660mm×全高1,690mm■シート高700mm■車両重量139kg■エンジン:49cc・水冷単気筒■最高出力3.4kW(4.6PS)/7500rpm■最大トルク4.4N・m(0.45kgf-m)/7000rpm■燃料タンク容量5.9L■タイヤ:前90/100-12、後130/70-8■価格(税込)57万900円

2025年で絶滅が危惧される50ccエンジン付き原付バイク国産23モデル
ホンダ・ジャイロキャノピー

いかがだっただろうか? これら機種の派生モデルで、例えば、「ベンリィe:」や「ジャイロe:」など、基本装備などを継承し、電動化したモデルなら生き残れるだろう。

だが、50ccのガソリンエンジン搭載モデル自体は、前述の通り、2025年の新排気ガス規制への対応が難しく、消滅する可能性は高い。もし、買うのなら、今が最後のチャンスになることが予想される。

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著者プロフィール

平塚直樹 近影

平塚直樹

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなど…