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イタリアのスポーツバイクメーカーであるドゥカティは、2023年11月2日に新型モデル「ハイパーモタード698モノ」を欧州で発表した。日本での発売予定があり、価格は170万円からとアナウンスされている。グレードは基準車と上級の「RVE」の2つ。
発売に先立ち「第51回 東京モーターサイクルショー」<2024年3月22日(金)〜24日(日):東京ビッグサイト(東京都江東区)>にて、一般向けに日本初公開の予定であるが、報道陣に一足早く公開されたので紹介する。
オフ車派生ではない専用設計のハイパーモタード
「ハイパーモタード」は、ドゥカティがラインアップするバイクファミリーのうちの一つ。その名に含まれているようにモタードに分類されるモデルだ。
モタードは、端的にいえばオフロードモデルをオンロード向けにに換装したもの。フレームなどはオフ車そのものだが、足回りはオンロードに対応したものを装着しているのが大きな特徴。車体に対してタイヤが小ぶりに感じるのは、オフロードタイヤを前提に設計されている名残であるためだ。
モタードは、ベースとなるオフロードモデルのエンジンを流用するのが一種のセオリーだ。しかし、ハイパーモタードはそこに当てはまらない。ハイパーモタードは派生車種ではなく、それ専用設計といえるのだ。
さらにハイパーモタード698モノは、それまでのハイパーモタードのセオリーにも当てはまらない独自モデルとなっている。
単気筒エンジンへの進化
従来のハイパーモタードは、ドゥカティのアイコンであるL型(V型)2気筒エンジンを搭載しているのが特徴。しかし、今回の新型「ハイパーモタード698モノ」は単気筒エンジンを採用している。
「スーパークワドロ・モノ」と銘打たれたエンジンは、659ccの単気筒DOHC。ドゥカティらしいバルブ開閉機構「デスモドロミック」(スプリングを介さずロッカーアームとカムのみでバルブの開閉を行う)を採用している。
しかも、単なるコストカットのエンジンではない。端的に表すとスーパースポーツモデル「1299パニガーレ」のエンジンの単気筒バージョンといえるエンジンだ。ボア・ストローク比116mm/62.4mmという数値はパニガーレのそれを引き継ぎ、単気筒ながら最高1万250rpmの高回転型となっている。ちなみにエンジンスペックは、最高出力57kW(77.5ps)/9750rpm、最大トルク63Nm(6.4kgm)となっている。
この単気筒エンジンを採用した最大のメリットは車体の軽量化であろう。装備重量(乾燥重量)が151kgとなっており、パワーウェイトレシオ(出力÷重量)が0.51を実現している。
ちなみに足回りはフロントサスペンションにマルゾッキ製のフルアジャスタブルのアルミニウムフォーク、リアサスペンションはザックス製のプリロード・伸圧ダンピング調整可能なショックアブソーバー(どちらもオフロード指向のもの)、そしてブレンボのブレーキシステムをフロント・リアに装備。エンジンスペックを数値以上に体感できる強烈な運動性能を持ち合わせているだろう。
そのほか、調整可能なパワーモード(ライディングモード)やABSのレベル、トラクション・ローンチウイリーの各コントロール機能を備えており、発進・停止以外はクラッチ操作不要なクイックシフト(QDS:ドゥカティ・クイックシフト)といった電子制御を装備(※クイックシフトは上級グレードのRVEに標準装備、基準車はオプション)している。メーターもコンパクトな液晶タイプである。
走行性能はどのような完成度にあるのかも気になるが、まずは東京モーターサイクルショーにて実車を確認してはいかがだろうか。
主要諸元
全幅(mm):807mm(ハンドルバー)
ホイールベース(mm):1,443
車両重量(kg):151(装備)
最低地上高(mm):143
シート高(mm):904
キャスター(度):26.1°
トレール(mm):108
エンジン形式:水冷単気筒
バルブ駆動方式:DOHC
排気量(cc):659
ボア/ストローク(mm):116 / 62.4
圧縮比:13.1:1
最高出力(kW):57(77.5ps)/9,750rpm
最大トルク(Nm):63/8,000rpm
バッテリー:リチウムイオン
トランスミッション:6速(クイックシフト対応)
フューエルタンク容量(L):12
燃費(km/L):20.4
タイヤ(前/後):120/70ZR17/160/60ZR17
ホイール(前/後):キャスト / キャスト
ブレーキ(前/後):ブレンボ製シングル・フロントディスク330mm径/ブレンボ製シングルディスク245mm径
乗車定員(名):2