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バイク免許は7種類ある
バイク免許には、「原付」「小型限定普通二輪」「普通二輪」「大型二輪」があり、さらに、AT車限定の「AT小型限定普通二輪」「AT普通二輪」「AT大型二輪」の計7種類がある。
それぞれ運転できるバイクの排気量や取得可能な年齢、高速道路(または自動車専用道路)を運転できるかなどの規定が異なり、具体的には以下の通りとなる。
【原付免許】
運転できるバイクの排気量:50cc以下
取得可能な年齢:16歳
高速道路の走行:不可
【小型限定普通二輪免許(原付二種)】
運転できるバイクの排気量:125cc以下
取得可能な年齢:16歳
高速道路の走行:不可
【AT小型限定普通二輪免許】
運転できるバイクの排気量:125cc以下(AT限定)
取得可能な年齢:16歳
高速道路の走行:不可
【普通二輪免許】
運転できるバイクの排気量:400cc以下
取得可能な年齢:16歳
高速道路の走行:可
【AT限定普通二輪免許】
運転できるバイクの排気量:400cc以下(AT限定)
取得可能な年齢:16歳
高速道路の走行:可
【大型二輪免許】
運転できるバイクの排気量:制限なし
取得可能な年齢:18歳
高速道路の走行:可
【AT限定大型二輪免許】
運転できるバイクの排気量:制限なし(AT限定)
取得可能な年齢:18歳
高速道路の走行:可
ここでいうAT限定の免許とは、クラッチを必要としないバイク、いわゆるCVTやAT(オートマチック・トランスミッション)搭載バイク向けの免許だ。
主にスクーター・モデルが中心だが、例えば、1833cc・6気筒エンジンを搭載する巨艦バイクのホンダ「ゴールドウイング ツアー」もAT大型二輪免許で運転可能。それは、独自のAT機構「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」を搭載しており、クラッチ操作が不要だからだ。
ホンダでは、ほかにも、「CRF1100アフリカツイン」や「NT1100」、「レブル1100」など、多くの大型モデルにクラッチ操作が不要なDCTを採用しており、いずれも、AT限定の免許にも対応している。
なお、AT限定大型二輪免許は、以前まで排気量が650cc以下に制限されていたが、2019年12月1日の道路交通法の改正によって、上限なしへと変更された。
また、原付免許は普通自動車免許にも付帯しているため、普通自動車免許を保有していれば原付バイクにも乗ることができる。
ほかにも、2人乗りは、大型二輪車や普通二輪車はもちろん、一般道であれば51cc~125cc以下の原付二種モデルでもOKだ。また、125ccを超えるバイクの高速道路2人乗りについては、
「年齢が20歳以上」
「大型自動二輪車免許又は普通自動二輪車免許を受けていた期間が通算3年以上」
といった条件をクリアする必要がある。
バイク免許の取得方法は?
原付を除くバイク免許を取得するには、自動車教習所に通うか、運転免許試験場などで直接受験するいわゆる「一発試験」を受けるといった2つの選択肢がある。また、原付免許は、運転免許試験場で適性検査と学科試験に合格し、原付講習を受ければ交付されるほか、前述の通り、普通自動車免許を取得すれば付帯される。
それぞれ、大まかな流れは以下の通りだ。
【自動車教習所に通う場合】
学科教習・技能教習
↓
卒業検定
↓
適性検査・学科試験
↓*技能試験は免除
免許証の交付
自動車教習所に通う場合は、学科教習と技能教習を、後述する所定の時間で受講したのち、卒業検定に合格すれば卒業できる。その後、運転免許試験場へ出向き、適性検査と学科試験をパスすることで免許の取得が可能となる。
一発試験に比べると、技能試験が免除されるなどで、比較的に取得しやすいのがこの方法。だが、取得に必要な日時はもちろん、費用も一発試験よりもかかる傾向だ。
なお、自動車教習所の教習費用は、免許の種類や教習所により多少異なるが、教習時間の少ないAT小型限定普通二輪免許でも10万円程度かそれ以上になることも多い。また、より教習時間が長い大型二輪免許では20万円を超えるケースもあるようだ。具体的な金額については、自分が通う予定の自動車教習所へ直接問い合わせて欲しい。
【一発試験の場合】
適性検査・学科試験
↓
技能試験
↓
取得時講習・応急救護講習
↓
免許証の交付
一発試験の場合は、運転免許試験場で適性検査や学科試験、技能試験をパスした後、取得時講習や応急救護講習を受けることで交付される。なお、取得時講習や応急救護講習は、都道府県の公安委員会から委託を受けている指定自動車教習所で実施することが一般的。技能試験に受かったのち、指定自動車教習所へ予約を取り受講すると、免許証の交付を受けることができる。
この場合の費用については後述するが、自動車教習所に通う場合と比べると、比較的に安価な印象もある。ただし、特に、技能試験の難易度はかなり高い傾向にあるようで、受験1回目で合格するケースは少ないという。何度も落ちると、取得の日数や費用的にもかかってしまうので注意したい。
【原付免許】
適性検査・学科試験
↓
原付講習
↓
免許証の交付
原付免許の適正検査や学科試験も運転免許試験場などで受ける。学科試験の時間は30分で、文章問題とイラスト問題がある。合格ラインは、正解が50点満点中45点以上(90%以上)だ。合格後の原付講習では、実際に原付バイクを運転するため、長袖や長ズボン、運動靴など、バイクの運転に適した服装を準備する必要がある。
教習所の教習時間は?
自動車教習所に通う場合、学科教習や技能教習の教習時間は免許の種類によって異なる。また、すでに免許を持っているかどうかでも違う。以下は、免許なし又は原付免許のみの場合と、4輪の普通自動車免許を持っている場合の例を紹介する。
ちなみに、クラッチ操作の不要なAT限定免許は、同じ条件でも、比較的に技能教習の時間は短くなる傾向だ。
【小型限定普通二輪免許】
・免許なし又は原付免許を持っている場合
↓
学科教習:26時限 技能教習:12時限
・普通車の免許を持っている場合
↓
学科教習:1時限 技能教習:10時限
【AT小型限定普通二輪免許】
・免許なし又は原付免許を持っている場合
↓
学科教習:26時限 技能教習:9時限
・普通車の免許を持っている場合
↓
学科教習:1時限 技能教習:8時限
【普通二輪免許】
・免許なし又は原付免許を持っている場合
↓
学科教習:26時限 技能教習:19時限
・普通車の免許を持っている場合
↓
学科教習:1時限 技能教習:17時限
【AT限定普通二輪免許】
・免許なし又は原付免許を持っている場合
↓
学科教習:26時限 技能教習:15時限
・普通車の免許を持っている場合
↓
学科教習:1時限 技能教習:13時限
【大型二輪免許】
・免許なし又は原付免許を持っている場合
↓
学科教習:26時限 技能教習:36時限
・普通車の免許を持っている場合
↓
学科教習:1時限 技能教習:31時限
【AT限定大型二輪免許】
・免許なし又は原付免許を持っている場合
↓
学科教習:26時限 技能教習:29時限
・普通車の免許を持っている場合
↓
学科教習:1時限 技能教習:24時限
なお、受講できる一日あたりの教習時間は、教習所や本人のスケジュールなどによって異なるため、実際に卒業できるまでの日数はさまざま。また、一般的な教習所に通う場合と、短期日程で実施するいわゆる合宿免許でも違ってくるので、詳しくは、これも、自分が通う予定の自動車教習所へ直接相談して欲しい。
運転免許試験場での費用
一発試験を受ける場合や、自動車教習所の卒業後、原付免許を取得する場合に、運転免許試験場で必要な費用は以下の通りだ。
【一発試験の場合】
・受験料:2600円
・試験車使用料:1450円
・免許証交付料:2050円
*合計6100円
合格後は別に取得時講習と応急救護講習の受講料が必要となる。費用は以下の通りだ。
・大型自動二輪免許(AT限定含む):1万6650円
・普通自動二輪免許(小型限定やAT限定含む):1万6200円
【教習所を卒業し学科試験を受ける場合】
・受験料1750円
・免許証交付料2050円
*合計3800円
【原付免許の場合】
・受験料:1500円
・免許証交付料:2050円
*合計3550円
なお、合格後は別に原付講習料4500円も必要だ。
受験資格や受験場所にも注意したい
バイク免許を取得できる年齢は、前述の通り、基本的には16歳以上だが、大型二輪免許(AT限定含む)は18歳以上なので注意したい。
また、一発試験や原付免許の試験、自動車教習所を卒業後の学科試験などについては、自分が居住する都道府県にある運転免許試験場に行かないと受け付けてもらえない。
ちなみに、視力の規定以外でも、過去に取消処分など(初心取消を除く)を受けた人は、受験前1年以内に取消処分者講習を受講し、かつ、欠格期間経過後でなければ受験できないので注意が必要だ。
初めて免許を取る場合は教習所に行く方がおすすめ
このように、ひと言にバイク免許といっても多種多様だ。また、前述の通り、一発試験は非常に難しいため、初めてバイク免許を取得しようと考えている人は、まず自動車教習所に通って取得することをおすすめする。
ちなみに、上記の内容は、あくまで一般的なバイク免許についての解説。教習所などによっては内容が異なる場合があるので、具体的な不明点や気づいた点などは、自動車教習所や運転免許試験場などに確認して頂きたい。