原付免許の取り方とは? 学科試験は正解率90%以上で合格! 費用や用意するものも紹介

原付免許の取り方
日常の気軽な乗りモノとして便利な50cc以下の原付バイク。それを乗るための原付免許の取得方法などを紹介
通勤・通学や近所への買い物など、日常の気軽な乗りモノとして便利な50cc以下の原付バイク。運転するには原付免許を取得する必要があるが、ほかのバイク免許と違い、取り方は比較的に簡単。技能試験がないし、自動車教習所などに通わなくていいため、短い日数で取れるし、費用も安くすむことが魅力だ。
だが、例えば、取得できるのは16歳以上だとか、学科試験にパスするには正解率90%以上必要など、意外に知らないことも多い。また、持参するものを当日忘れてしまうと、免許の交付を受けられない場合もある。
そこで、ここでは、原付免許の取得に必要な基礎知識や費用、試験などに持参する必要があるものなどを紹介する。

REPORT●平塚直樹
PHOTO●本田技研工業、ヤマハ発動機、写真AC
*写真はすべてイメージです

原付免許とは?

まずは、原付免許の定義。基本的には、以下のような規定がある。

【原付免許の主な規定】
・運転できるバイク:排気量50cc以下またはモーター出力0.6kW以下
・取得可能な年齢:16歳
・2人乗り:不可
・高速道路の走行:不可

原付免許の取り方
原付バイクは最高速度30km/h、2人乗り禁止などの規定がある

原付免許は、排気量50cc以下、あるいはモーター出力で0.6kW以下のバイクを公道で運転することができるものだ。取得可能な年齢は16歳以上。2人乗りは禁止だし、高速道路や自動車専用道路も走行はできない。ほかにも、最高速度は30km/hまでとか、2段階右折が必要など、公道を走る場合の規制は多い。

ただし、その分、免許の取得は比較的簡単だ。詳しくは後述するが、基本的に適性検査と学科試験にパスし、原付講習を受ければ免許証が交付される。また、原付免許は普通自動車免許にも付帯しているため、普通自動車免許を保有していれば原付バイクにも乗ることができる。

原付免許の取り方
原付バイクは普通自動車免許を持っていても乗ることが可能(写真はヤマハ・ジョグ)

さらに、51cc以上のバイクに乗れる「小型原付普通二輪&AT小型原付普通二輪」「普通二輪&AT限定普通二輪免許」「大型二輪&AT限定大型二輪免許」を持っている場合も、原付バイクの運転は可能だ(AT限定免許の場合はスクーターなどクラッチ操作のないバイクのみ)。

ちなみに、原付免許で乗ることができるバイクの排気量について、現在、警察庁では新しく「新基準原付」の導入を検討中だ。新基準原付とは、125cc以下で最高出力4.0kw(5.4PS)以下のバイクを、現在の50cc以下のバイクと同じ扱いにするというもの。

その背景には、2025年(令和7年)11月から施行される予定の新しい排気ガス規制により、現行で50cc以下とされている原付バイクは、新規制値に対応させることが技術や費用面で難しいことがある。

そこで、規制値のクリアがよりやりやすい110ccや125ccのバイクをベースに、最高出力を50ccバイクと同等にすることで、道路交通法など法規上の扱いを原付バイクと同じにすることを検討しているのだ。

まだ、詳細は未定だが、2025年には、125cc以下のバイクでも、一定の基準を満たせば、原付免許で運転できるようになるかもしれない。

原付免許の取り方
現在販売されている50ccバイクは将来的に新車で購入できなくなるかもしれない(写真はホンダ・クロスカブ50)

原付免許の取得方法は?

原付免許を取得するには、自分が居住する都道府県の公安委員会が管轄する運転免許試験場(または運転免許センター)に行く必要がある。主な流れは以下の通りだ。

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原付免許は運転免許試験場(または運転免許センター)で取得する

【原付免許を取得する際の主な流れ】
適性検査

学科試験

原付講習

免許証の交付

試験場(センター)で受付などをすませると、視力などの適性検査を受ける。なお、視力については、以下のような条件がある(メガネやコンタクトレンズの使用可)。

・両眼で0.5以上
・片目が見えない場合は、他眼の視野が左右150度以上で視力0.5以上

ちなみに、視力の規定以外でも、過去に取消処分など(初心取消を除く)を受けた人は、受験前1年以内に取消処分者講習を受講し、かつ、欠格期間経過後でなければ受験できないので注意が必要だ。

適性検査に合格すると、学科試験を受ける。試験時間は30分で、文章問題とイラスト問題がある。合格ラインは、正解が50点満点中45点以上(90%以上)だ。道路交通法の基本などを知っていれば簡単だが、意外な落とし穴がある場合もある。できれば、事前に問題集などを購入して予習しておくといいだろう。

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原付免許の学科試験は道路交通法の基本を知っていれば簡単。だが、引っ掛け問題などには注意

学科試験に合格すると、原付講習を受ける。講習では、実際に原付バイクを運転するため、長袖や長ズボン、運動靴など、バイクの運転に適した服装を準備する必要がある。

原付講習を終えれば、免許証の交付。晴れて原付ライダーの仲間入りをすることができる。

取得するための主な費用は?

原付免許を取得するには、主に以下のような費用がかかる。

【原付免許の主な取得費用】
・受験料:1500円
・免許証交付料:2050円
・原付講習料:4500円
*合計8050円

上記は、あくまで一般的な例で、手数料などは、地域によって異なる場合もある。詳しくは居住する都道府県を管轄する公安委員会、または運転免許試験場(運転免許センター)、都道府県警察のウェブサイトなどで確認することをおすすめする。

取得の際に用意するもの

原付免許を取る場合、運転免許試験場(運転免許センター)には、主に以下のようなものを持参する必要がある(初めて免許を取る場合)。

・住民票の写し(本籍地の記載があるもので、発行後6か月以内)
・顔写真(撮影後6ヶ月以内。タテ30mm×横24mm)
・筆記用具(鉛筆もしくはシャープペンシル、消しゴムなど)
・メガネ、コンタクトレンズ(視力矯正が必要な人の場合)

なお、顔写真は、運転免許試験場にスピード写真機が備えてある場合もあるので、当日それを使う手もある。

また、上記もあくまで一般的な例のため、地域によっては必要なものが違う場合があるので注意したい。例えば、東京都では、住民票の写しを提出することに加え、本人確認書類の提示も必要。健康保険証、マイナンバーカード(通知カード不可)、旅券(パスポート)などだ。

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地域によっては、マイナンバーカードなどの本人確認書類が必要なところもある

さらに、受験の当日は、ほかにも、受付の際などに運転免許申請書や受験票などが必要だが、これは試験場にあるので、持参の必要はない。

また、学科試験の合格者は、免許証の交付前に4桁数字2組(8桁)の暗証番号が必要となる。これは、免許証に付いているICチップ内に記録してある個人情報を保護するためのもので、免許更新時などに必要となるものだ。当日決めても問題ないが、事前に決めておけば、当日迷わずにスムーズな手続きができる。

このように、原付免許の取得は簡単ではあるが、当日持っていくものや費用などには注意が必要。うっかり忘れると、免許の交付を受けられないこともある。また、前述の通り、学科試験もナメていると落ちてしまうケースもあるので、しっかりと予習しておこう。

原付免許の取り方
原付免許は比較的に取得が簡単だが、注意点もある

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著者プロフィール

平塚直樹 近影

平塚直樹

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなど…