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普通二輪免許とAT限定普通二輪免許とは?
普通二輪免許とAT限定普通二輪免許は、いずれも排気量400ccまでのバイクを運転するために必要な免許だ。主な規定は以下の通りになる。
【普通二輪免許】
・運転できるバイクの排気量:400cc以下
・取得可能な年齢:16歳
・2人乗り:可
・高速道路の走行:可
【AT限定普通二輪免許】
・運転できるバイクの排気量:400cc以下(AT限定)
・取得可能な年齢:16歳
・2人乗り:可
・高速道路の走行:可
いずれも、取得が可能な年齢は16歳以上で、125ccを超えるバイクであれば高速道路や自動車専用道路も走行が可能だ。
また、2人乗りもできるが、高速道路での2人乗りについては、
「年齢が20歳以上」
「大型自動二輪車免許又は普通自動二輪車免許を受けていた期間が通算3年以上」
といった制限もあるため、注意が必要だ。
さらに、AT限定普通二輪免許の場合は、オートマチック車のみしか運転ができない。クラッチ操作を必要としないスクーターを中心とした2輪車に限定される。
AT限定普通二輪免許で運転できるのは、例えば、ホンダの「フォルツァ」「ADV160」「PCX160」など。ヤマハでいえば「XMAX」「Xフォース」などで、スズキであれば「バーグマン400」などが該当する。また、3輪バイクのヤマハ「トリシティ300&155」もAT限定普通二輪免許で運転が可能だ。
一方、普通二輪免許を取得すれば、上記のようなスクーターはもちろん、クラッチ操作を使ってシフトチェンジをするMT(マニュアル・トランスミッション)車の運転も可能だ。しかも、このクラスには、さまざまなタイプがあるため、好みや使い方に応じた車種選びもできる。
例えば、フルカウルスポーツであれば、ホンダの「CBR400R」や「CBR250R」、ヤマハ「YZF-R3」「YZF-R25」、スズキの「GSX250R」「ジクサーSF250」、カワサキの「ニンジャZX-4RR&4R」「ニンジャ400」「ニンジャZX-25R」「ニンジャ250」などがある。
また、ネイキッドモデルなら、ホンダの「GB350&S」「CB250R」「CL250」など、ヤマハなら「MT-03」「MT-25」など、スズキでは「ジクサー250」「ジクサー150」など、カワサキでは「Z400」「Z250」などが該当する。
ほかにも、ホンダの「レブル250」やカワサキの「エリミネーター」といったアメリカンなクルーザータイプ、スズキ「Vストローム250」「Vストローム250SX」といったアドベンチャー系もあるなど、かなりラインナップが充実している。
取得方法にはどんなものがある?
普通二輪免許やAT限定普通二輪免許を取得するには、自動車教習所に通うか、運転免許試験場(運転免許センター)などで直接受験するいわゆる「一発試験」を受けるといった2つの方法がある。
それぞれの大まかな流れは、以下の通りだ。
【自動車教習所に通う場合】
学科教習・技能教習
↓
卒業検定
↓
適性検査・学科試験
↓*技能試験は免除
免許証の交付
自動車教習所では、交通法規や安全運転のマナーなどを学ぶ学科教習と、教習所のコースを使って実際にバイクを運転しながら、知識と技術を学ぶ技能講習がある。後述する所定の時間をそれぞれ受講したのち、卒業検定に合格すれば卒業だ。その後は、運転免許試験場(運転免許センター)へ出向き、適性検査と学科試験をパスすることで免許の取得が可能となる。
【一発試験の場合】
適性検査・学科試験
↓
技能試験
↓
取得時講習・応急救護講習
↓
免許証の交付
一発試験の場合は、運転免許試験場(運転免許センター)で適性検査や学科試験、技能試験をパスした後、取得時講習や応急救護講習を受けることで交付される。なお、取得時講習や応急救護講習は、都道府県の公安委員会から委託を受けている指定自動車教習所で実施することが一般的だ。技能試験に受かったのち、指定自動車教習所へ予約を取り受講すると、免許証の交付を受けることができる。
自動車教習所へ通う場合と比べると、一発試験の方がスムーズにいけば、取得に必要な日数が比較的短く、費用も安くなる傾向だ(詳しくは後述)。ただし、運転免許試験場などで行う技能試験は難易度が高いといわれている。受験1回目で合格するケースは少ない傾向のため、何度も落ちると取得の日数や費用的にもかかってしまうので注意したい。
教習所に通う場合の教習時間にも違いがある
普通二輪免許やAT限定普通二輪免許では、自動車教習所に通う場合の学科教習や技能教習の教習時間は異なる。クラッチやシフトの操作がないAT限定の方が、より運転が楽な分、教習時間も短くなる傾向だ。
また、すでにほかの免許を持っているかどうかでも教習時間は異なる。ここでは、免許なし又は原付免許のみの場合と、4輪の普通自動車免許を持っている場合の例を紹介する。
【免許なし又は原付免許を持っている場合】
・普通二輪免許:学科教習26時限 技能教習19時限
・AT限定普通二輪免許:学科教習26時限 技能教習15時限
【普通車の免許を持っている場合】
・普通二輪免許:学科教習1時限 技能教習17時限
・AT限定普通二輪免許:学科教習1時限 技能教習13時限
なお、実際に卒業できるまでの日数はさまざまだ。受講できる一日あたりの教習時間は、教習所や本人のスケジュールなどによって異なるからだ。詳しくは、自分が通う予定の自動車教習所へ直接相談して欲しい。
運転免許試験場ではいくら必要?
自動車教習所を卒業した後に学科試験を受けたり、一発試験を受ける場合に、運転免許試験場で必要な費用は以下の通りだ。なお、これらは、普通二輪免許とAT限定普通二輪免許で違いはない。
【教習所を卒業し学科試験を受ける場合】
・受験料:1750円
・免許証交付料:2050円
*合計3800円
【一発試験の場合】
・受験料:2600円
・試験車使用料:1450円
・免許証交付料:2050円
・取得時講習(応急救護講習含む)受講料:1万6200円
*合計2万2300円
ちなみに、自動車教習所に通う場合の教習費用については、自分が通う教習所などによって違うため、一概にはいえない。ただし、教習時間の少ないAT限定普通二輪免許の方が比較的安くなる傾向だ。
例えば、某教習所では、普通自動車免許を保有していない場合で、普通二輪免許が17万円程度。それに対し、AT限定普通二輪免許の場合は16万円程度に設定しているなど、1万円ほど安くなるようだ。
受験資格での注意点は?
普通二輪免許とAT限定普通二輪免許を受験できる年齢は、前述の通り、16歳以上。また、自動車教習所に入学する際や一発試験を受ける際に受ける適正検査では、例えば、視力などに以下のような規定がある。
・視力が両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上であること
・一眼の視力が0.3に満たない人、もしくは一眼が見えない人については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上であること
なお、視力検査については、メガネやコンタクトレンズを使用してもOKだ。ほかにも、適正検査では、色彩識別検査、運動能力検査、聴力検査などが実施されることが多い。
初めてのバイク免許なら教習所と一発試験のどちらがいい?
このように、ひとくちに普通二輪免許やAT限定普通二輪免許を取得するといっても、さまざまな違いがある。特に、まず決めたいのは、自動車教習所に通うか、一発試験を受けるかだ。
ただし、一発試験の場合は、これも前述の通り、技能試験はかなり難しいといわれる。特に、試験に使われるのは、400ccモデルであることがほとんど。50ccの原付バイクや125ccのバイクなどと違い、車両重量が重たいため、例えば低速走行やスラロームなどで車体のバランスを取ることは、慣れていないと困難だ。もし、初めてバイク免許を取得しようと考えているならば、まずは自動車教習所に通って取得することをおすすめする。
なお、ここで紹介した内容は、あくまで一般的な例だ。地域や場所によっては内容が異なる場合があるので、具体的な不明点や気づいた点などは、自動車教習所や運転免許試験場などに直接確認して欲しい。