このデザインは斬新or懐かしい? オフロード走行が楽しめる電動バイクFW-03。1990年代の名車風のユニークなモデル|東京モーターサイクルショー2024で見つけた気になるもの

レース活動も行っている上海の電動モーターサイクルブランドFLEOは、ユニークなモデルを開発する注目のブランド。東京モーターサイクルショー2024でも気になる1台を発見しました。

昨年の東京モーターサイクルショーでは、モトコンポ風の電動車を展示して話題となったFELO。今年の展示ブースにも気になる1台があったので紹介したい。

ボディのデザインはEZ-9を意識して、メカ類を全てフルかバードしている。

その前に、まずはFELOについて説明しておくと、FELOとは電動モーターサイクルの研究開発と製造を行う上海のメーカー。日本で製品の販売を行うスピードマスター株式会社と共同で製品開発を行い、ユニークなモデルを次々と登場させている。

リヤ周りをユニットごと交換してクローラーを取り付けることができる。
公道仕様なのでヘッドライトや保安部品を装備。前後のブレーキはディスクで連動機能付き。

今回のブースで最も気になったのがこのFW-03というモデル。1990年代のバイクブームを経験した方ならすぐにピンと来たかもしれませんが、1990年に発売されたホンダEZ-9(※)というオフロードレジャースクーターにインスパイアされたもの。本家EZ-9は公道走行ができないモデルだが、このFW-03は公道走行が可能な原付二種登録の電動バイク。昨年正式発表され、すでに販売が開始されているが、今回はEZ-9発売の翌年発表されたEZ-SNOWを彷彿とさせる、クローラーのアタッチメントも用意して展示された。まだオプションとしての発売は未定だが、これを装着してダートや雪道を走ってみたい。

クローラーユニット。ちなみにEZ-SNOWではフロント周りはスキーのブレードに交換されていた。

フレームはMoto-E参戦車両の技術を投入した超軽量フレームを設計。フレームの一部はバッテリーのアルミケースを兼ねており、バッテリーは72V58Ah、容量は4176Whにもなる。IP67防水となり、1mの深さで24時間まで水の侵入を防ぐので、水辺や雪道でも安心して走行できる。出力は5.0kWで、最高速度は80km/h、6〜7時間の充電で、最長160km走行可能。価格は68万2000円。

モトコンポがモチーフのM壱は昨年の参考出品から大幅進化して正式に販売開始。価格は43万7800円。

今回のモーターサイクルショーでは特別仕様のSIC Limited Editionを展示。このカラーリングは、2011年にマレーシアGPで亡くなったMotoGPライダー「マルコ・シモンチェリ」をイメージして、当時のレーシングマシンのカラーリングをベースにしたデザインとなっている。

SPEC

  • 全長×全幅×全高:1734×783×1026mm
  • ホイールベース:1200mm
  • シート高:760mm
  • 最低地上高:250mm
  • 車両重量:97kg
  • タイヤサイズ:(F)100/90-12、(R)130/90-14
  • 定格出力:1000kW
  • 最大出力:5.0kW
  • 詳細は下記にて

※ホンダEZ-9

1990年9月に発売されたオフロードスクーター。基本コンセプトはバイクに興味がなかった人にも楽しんでもらえるバイクということで、クルマに積載してアウトドアレジャーで楽しむ乗り物として開発された。そのため、保安部品は装着されず、公道を走行することはできなかった。エンジンや駆動系、マフラーなどは全てカバーされ、メカニカルな部分が一切露出していない。パワーユニットは空冷2ストロークの90cc。当時のリード90のユニットをベースに、駆動系は新設計として幅、長さともにコンパクトに。後輪はチェーンで駆動している。当時の価格は24万9000円だった。雪道の走行を目的としたモデルEZ-SNOWは1991年12月発売で35万円だった。

1990年9月に発売されたHONDA EZ-9。当時としてもかなり異色なモデルだった。
1991年発売のEZ-SNOWは雪道の走行を目的としたモデル。リヤはクローラー、フロントはスキーブレード。

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橘 祐一